******御こゝろのお**
***おとしおきたまへ***
***本にはべめる
※見える部分のみ
(06:28)
(往生要集中、大乗本生心地観経など参照)
藤式部ナレーション
小君が、いつ戻るのかと、お待ちなされていたのですが、この樣に訳の分からないまま帰って來ましたので、がっかりした薫の君は、却って遣らない方が良かった、などと、樣々思い、誰かに隠し置かれているのではないだろうか、と、思い込んでしまわれたのは、自ら浮舟を捨て置いた事がおありになったから、とか、元の本には書いてあったのです。
(筆を置く)
物語は、これまで。
源氏物語 夢浮橋
いつしかと待ち御座するに、かくたど/"\しくて歸り來たれば、すさまじくなか/\なりと思すことさま/"\にて人の隠し据ゑたるにやあらむとわが御心の思ひ寄らぬ隈なく落とし置き給へりしならひにとぞ、本に侍める。