十一月
霜月
神楽月 雪見月
高砂の尾上の鐘の
音すなり
曉かけて
霜やおく
らむ
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氷
高瀬舟
棹の音
にも
しられ
足代 ける
の氷
たとへしに
けり
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雪
とへかしな
跡もいとはて
待れ
けり
まだ
空はれぬ
庭 しら
の ゆき
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衾
おのづから風も
とふさぬ
閨の
うちや
さえゆく
夜半
の
ふ
すま
なるらん
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十二月
四極
深冬月 年惜月
石はしる初瀬の
河のなみ
まくら
はやくも
年のくれに
けるかな
※
新古今和歌集巻第六 冬哥
入道前関白百首哥よませ侍りける時歳の暮の心を
よみてつかはしける
後徳大寺左大臣
いしばしる初瀬の川のなみ枕はやくも年の暮れにけるかな
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水鳥
はかなしや
さても
いく夜か行水
に
数かき
わぶる
鴛の
ひとり寝
※
新古今和歌集巻第六 冬哥
五十首奉りし時
藤原雅経
はかなしやさても幾夜か行く水に数かきわぶる鴛のひとり寝
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寒梅
草も木もふり
まがへたる
ゆきの
よに
春まつ梅の
花のかぞ
する
※
新古今和歌集巻第六 冬哥
千五百番歌合に
右衛門督通具
草も木も降りまがへたる雪もよに春待つ梅の花の香ぞする
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炭竃
日かずふる
雪げに
まさる
すみ竃の
煙もさびし
おほはらの
里
※
新古今和歌集巻第六 冬哥
百首哥奉りしに
式子内親王
日数ふる雪げにまさる炭竈のけぶりもさびしおほはらの里
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