胡蝶
かめのうへの山 蓬莱の心
樂府
ウケナムトスレドモ ザレバ
眼穿不見蓬莱嶋 不見蓬莱
アヘ クハンヂヨ
不敢帰 童男丱女舟中老
ジョフク オホシ クヰヤム タン
徐福文成多誑誕
↗わがそのゝうめのほつえにうぐひすの
ねになきぬべきこひもするかな
源氏物語 胡蝶
360 女房 亀の上の山も訪ねし舟のうちに老いせぬ名をばここに残さむ
宮の亮をはじめて、さるべき上人ども、禄取り続きて、童べに賜ぶ。鳥には桜の細長、蝶には山吹襲賜はる。 かねてしも取りあへたるやうなり。物の師どもは、白き一襲、腰差など、次ぎ次ぎに賜ふ。中将の君には、藤の細長添へて、女の装束かづけたまふ。御返り、
昨日は音に泣きぬべくこそは
365 秋好中宮 胡蝶にも誘はれなまし心ありて八重山吹を隔てざりせば
新楽府 其四
海漫漫 白居易
戒求仙也 仙を求むるを戒めるなり
海漫漫 海は漫漫たり
直下無底旁無辺 直下 底なく 旁 辺なし
雲濤煙浪最深處 雲濤煙浪 最も深きところ
人傳中有三神山 人は伝う うちに三つの神山あり
山上多生不死薬 山上 多く不死の薬を生じ
服之羽化為天仙 これを服すれば羽化して天仙となると
秦皇漢武信此語 秦始皇と漢武帝は此の語を信じ
方士年年釆薬蓬莱 方士 年年 薬を釆りに行く
蓬莱今古但聞名 蓬莱 今古 ただ名を聞くのみ
海漫漫 海は漫漫たり
風浩浩 風は浩浩たり
眼穿不見蓬莱島 眼穿たるるも蓬莱島を見ず
不見蓬莱不敢帰 蓬莱を見ずんば敢えて帰らず
童男丱女舟中老 童男丱(かん)女 舟中に老ゆ
徐福文成多誑誕 徐福 文成 誑誕(きょうたん)多く
上元太一虚祈祷 上元太一 むなしく祈祷す
君看驪山頂上茂陵頭 君看よ 驪山の頂上 茂陵の頭
畢竟悲風吹蔓草 畢竟 悲風 蔓草を吹く
何況玄元聖祖五千言 何ぞいわんや玄元聖祖の五千言
不言薬 薬をいわず
不言仙 仙をいわず
不言白日昇青天 白日に青天に昇るをいわざるや
古今和歌集巻第十一 恋歌一
題しらず 読人不知
わがそのの梅のほつえに鶯のねになきぬべきこひもするかな
読売新聞より