読み
てをおりてあひみしことをかぞふればこれひとつやはきみがうきふし
詠人
左馬頭
かへし
憂き節を心一つに数へきてこや君が手を別るべきをり
読み
うきふしをこころひとつにかぞへきてこやきみがてをわかるべきをり
詠人
指食女
背景
宮中の宿直所で、雨の夜を過ごしていると頭中将、左馬頭、藤式部丞が集まって来て女性経験と論を交わす「雨の品定め」で、左馬頭の時の口喧しく嫉妬深い女の経験談の中の別れようと喧嘩して指を噛まれた時の相聞歌。
本当は、本妻としたかったが意地を張っているうちに、女は気に病んで病気で亡くなってしまった。
意味
指を折って連れ添った一年間の事を数えてみるとこの指の傷一つだけの酷い仕打ちという訳では無い。
返し
辛い仕打ちをその都度を心一つに数えて耐えて来てきましたが、今度とい今度こそこれが貴方のと別れる時期なんです。
技法
本歌
手を折りてあひ見し事を数ふれば十と言ひつゝ四つは経にけり。
(伊勢物語十六段 紀有常)
ふし(ヵ所)と節(指)の掛詞で手の縁語。
指を折ると時期の折り。
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