アサリイサリノ差別
或人云あさりといひいさりといふは同事也。
それにとりてあしたにするをばあさりと
なつはゆふべにするをばいさりといへり。東の
あまの口仗也云々。まことにけふあること也。
アサリイサリノ差別
或人云、「『あさり』と云ひ、『いさり』と云ふは同事なり。それ
に取りて、朝(あした)にするをば、『あさり』と、夏は夕べにす
るをば、『いさり』と云へり。東の海人の口仗なり」云々。誠に興
ある事なり。」
《動詞「いさ(漁)る」の連用形から。古くは「いざり」》
1 魚や貝をとること。すなどり。りょう。
「沖つ波辺波 (へなみ) 静けみ―すと藤江の浦に舟そ騒ける」〈万・九三九〉
2 「漁り火」の略。
「ひさかたの月は照りたり暇なく海人の―は灯し合へり見ゆ」〈万・三六七二〉
1 探し求めること。「資料漁り」
2 えさを探すこと。また、魚介類をとること。
「―する海人の子供と人は言へど見るに知らえぬうま人の子と」〈万・八五三〉