いかなることにこゝろをくものともしらぬ
をといらへたまふ内裏になどあししざまに
きこしめさする人やはべらむ世の人の
ものいひぞいとあぢきなくけしからず
はべるやされどそれはさばかりの數に
だにはべるまじなどきこえたまふ
(02:22)
(ナレーション)
まひろは、再び筆を執り、光る君亡き後の物語を書き続けていた。
(藤式部ナレーション)
御門にすら、殊更悪し樣に、お耳に入れる人がおりましょう。世の人の噂など、真にくだらなく、けしからぬ物でございます。
源氏物語 浮舟(36 薫、女宮に語る)体系本
(女二宮)「いかなることに心置く物とも知らぬを」と答(いら)へ給ふ。
(薫)「内裏(うち)になど、悪し樣に聞こし召さする人や侍らむ。世の人の物言ひぞ、いとあぢきなくけしからず侍るや。されど、それは、さばかりの数にだに侍るまじ」など聞こえ給ふ。