読書の秋。テーブルにおいてある本を息子が手にとったので、「それ『失楽園』やで。」 とすかさず言ったら、「ん?『アーサーとミニモイの不思議な国』じゃねぇ~の?」(映画宣伝の入ったカバーがかかっていたのだ)んな訳ないでしょ~。この母が、そんなものを読む訳がない。
魅惑の人妻が、昼下がりに何をしているかといえば、本の乱読。常時数冊の本を抱え、その日その時の気分で、こっちの本、あっちの本と渡り歩く。そんな読癖の話を、Cafeのお仲間さんとしていて「おっと、男性に関しては、そう移り気でないつもりです(笑)」 と言ったら、「つもりが怪しい(笑)」。ぐへっ。痛い所を突かれたかな・・・。胸に手を当てて、よーくよーく考えてみたけれど、好きな役者や歌手も学生時代から変わってないし。ただ、嫌いにならない代わりに、どんどん増えていくなぁと思ったので、「メインは変わらず、周囲が増えていきます(笑)」と返したら、「これはなんと、ポジティブな名言ですね」ときた。そうすか?どうですかね・・・
さて『失楽園』。さすが渡辺淳一先生。男女間のごっつー下世話な部分をすくい取り、文学にまで昇華させていらっしゃる。死に至る程の恋愛なんて、どんなに崇高なものかと思っていたら、結構普遍的。そりゃそうだろう。憧れだけでは、熱狂的支持は生まれまい。この気持ちわかる~恋ってそうだよね!という部分があるからこそ、主人公に親近感も湧き、ちょっとだけストーリーと自分の人生がシンクロしたような気にもなって、物語世界へ耽溺できるというもの。上手いんだよ、渡辺先生は。不倫ってお金かかるよねなんて仰る。下々の者の恋愛事情を、よくご存知で。決してお金が有り余った選ばれし男たちだけの文化ではないぞと。その辺の亭主族が、少ない小遣いの中からデート費用を捻出しているのを、スリッとお見通しな訳ね。そこのアナタ、どきっとしない。
そうそう、息子との会話だった。「君がまぁ、そやね40くらいになったらわかる世界かな・・・」息子は10歳である。まだまだ先は長い。が、ちょっと感慨深く「どんな恋をしてるやろうね・・・」と言ってみた。コイツ絶対モテよるぞというのは、親のひいき目であろうか。うちの家系の’人当たりのよさ’と、夫の家系の’調子のよさ’を、兼ね備えているんだもの。最強♪などと考える不埒な親である。
ちょっといたずら心が湧き「なぁ、もし結婚しててやで、他の女の人に恋されたらどうする?」直球をぶつけてみた。「断る。家内がおりますのでって言うよ。」「へっ?」一瞬目がテンに・・・そして、ふふふと笑った。「アンタえらい言葉知っとるねぇ。家内なんてわかるの?」「わかるよ、家内安全だろ?」ズベッ。思わずぷーっと噴出しながら、「それはちょっと違うなぁ。家内安全の家内は家の中ってこと。うちの家内がという場合は、奥さんのことね・・・。なぁ、そしたら母ちゃんは家内安全やろか。」今度は息子の方が、意味深な顔をしてにひひと笑った。「デンジャラスだね~。」「何がデンジャラスよ!」「腹が。」腹かいっ!!はぁ~びっくりした。しかし、なんでデンジャラスなの?どこで覚えてくるの?意味分かってんの?矢継ぎ早に質問したら、すべてにおいて明確な答えが返ってきた。あっそ。子供は意外とわかってる。
「母ちゃんの恋バナ聞かせてよ~。失恋話。」なんでそう決めてかかるのか。イコール失恋話と。失礼なやっちゃで。まぁ確かにそうなんやけどね・・・。「ふん、やだね。」この場でさんざ書きまくってるクセに、身内には言い渋る。そんなもんである。あんまりしつこく食い下がるのでついに、「悪いけど母ちゃんは若い頃モテたよ!」と、大見得を切った。「食事には随分誘われたねぇ~。お酒好きやし、明るいし、オモロいし、かわいいやろー」「自分で言うな!」「自分で言わんと誰が言うねんな!!」実のトコロ、私も含めて単身赴任者が多い・・・という状況下だったのですよ。なので単なる食事の友なんざんす。
「父ちゃんの恋バナ、聞いてみたら?」と、話を転換してみた。「うん・・・前にちょっとだけ聞いたことあるな。」「へぇ。」「母さんのことだよ。」むふふ。どんな風に言うとってんな。人のことをしょっちゅうクサす、あのへそ曲がりの毒舌野郎が。「初めてみた時にね、かわいいなって思ったんだって。それで好きになったんだって。」ふ~ん・・・意外だった。私にぞっこんなのは知っていたが、子供にそういう話をしていたというのは想定外だった。ちなみに私は、夫のことをそんな風に話した事はない。彼のここが好き!という積極的支持で、始まった付き合いではなかったのである。とりだてて嫌な所が見当たらなかったのと、一緒にいても緊張することがなく、自然体でいられた・・・そんな関係で続いてきた。ゆるやかな友人関係といった趣であろうか。ただ、最初から親の反対という障害があったので、予定以上に結束してしまった・・・結婚まではやで。
「父ちゃんは、他の女の人を好きになったことがあるのかな?」「そうさねー。たまに行動が怪しい時があるね。」今迄で一番すごかったのはね、夜起きたらいないんすよ。隣に寝ているはずの夫がいない。本人曰く「会社で、やり忘れた用事があった。」(車で20分程度ですねん)はぁ?まぁいいでしょう。しかしやね、夜中にこそっと抜け出すのはやめてよ。本人はこっそりのつもりか知らんが、大抵バレてるのよ。もうカチャリとドアを閉めた時点で目覚めてる。何なんでしょうね~。あの妻の勘は。そんで心配するのよ。暴走族に囲まれてへんやろかとかサ。アセって事故を起こしてへんやろねとかサ。しかも腹立つのはやな、はよ帰ってくるクセに何しとんじゃ。もっとはよ思い出さんかいと。さすがにこの病気は治まったけれど、休日なんか行き先も告げんと、ふーっといなくなることがある。そしてほぼ定刻に帰ってくるクセに、たまにビミョーに遅い時がある。だから、ちょっと怪しい。けど、ん?ん?と思っているうちに、またふつーに戻るので、まっいいか~小遣い少ないし、職場に女性もそうおらんし、心配する程のこっちゃないわなと。うちに限って渡辺淳一ルールは適応せんやろなどと思う所が、浅はかなんだわね~。
ニヤニヤ笑っていると、「秘密を見つけて、こづかいせびろうかな。」などと、息子もよからぬ事を考える。「おっ思い出した!」「何を?」「パソコンやってる時に近づいていくと、画面を隠そうとするんだよ。」ドカーンと大爆笑が巻き起こった。「それ意味が違うと思うわ。別の意味で怪しい。」「何だ~?」「子供に見せてはならないものを、見てたんちゃうのん。」「なーんだ。エロサイトかよ。」「母ちゃんが近づいた時も、慌てて隠しとったで。」何で私に隠すかね。『くノ一忍法帖』も、一緒に鑑賞した仲なのに。
夕食時に、このやり取りを話して聞かせたら、夫は笑って聞いていた。驚いたのは、「母ちゃんは、若い頃モテた」という話をした時に 「そうだね」 と、ごく素直に認めていた事である。否定せんのかい!人の話にすぐ「違う!!」と、ちゃちゃを入れるヤツが。珍しいこともあるもんやね・・・。けど、どんどん小さくなって、エロサイトの話になる頃には、もう消え入りそうやった。しゃーないなぁ。今宵あたり慰めてあげますか・・・と思っていたら、宴会へ出かけやがったよ。聞いてないゾ。やっぱり怪しい!!
’真夜中は別の顔’ 魅惑の人妻より
魅惑の人妻が、昼下がりに何をしているかといえば、本の乱読。常時数冊の本を抱え、その日その時の気分で、こっちの本、あっちの本と渡り歩く。そんな読癖の話を、Cafeのお仲間さんとしていて「おっと、男性に関しては、そう移り気でないつもりです(笑)」 と言ったら、「つもりが怪しい(笑)」。ぐへっ。痛い所を突かれたかな・・・。胸に手を当てて、よーくよーく考えてみたけれど、好きな役者や歌手も学生時代から変わってないし。ただ、嫌いにならない代わりに、どんどん増えていくなぁと思ったので、「メインは変わらず、周囲が増えていきます(笑)」と返したら、「これはなんと、ポジティブな名言ですね」ときた。そうすか?どうですかね・・・
さて『失楽園』。さすが渡辺淳一先生。男女間のごっつー下世話な部分をすくい取り、文学にまで昇華させていらっしゃる。死に至る程の恋愛なんて、どんなに崇高なものかと思っていたら、結構普遍的。そりゃそうだろう。憧れだけでは、熱狂的支持は生まれまい。この気持ちわかる~恋ってそうだよね!という部分があるからこそ、主人公に親近感も湧き、ちょっとだけストーリーと自分の人生がシンクロしたような気にもなって、物語世界へ耽溺できるというもの。上手いんだよ、渡辺先生は。不倫ってお金かかるよねなんて仰る。下々の者の恋愛事情を、よくご存知で。決してお金が有り余った選ばれし男たちだけの文化ではないぞと。その辺の亭主族が、少ない小遣いの中からデート費用を捻出しているのを、スリッとお見通しな訳ね。そこのアナタ、どきっとしない。
そうそう、息子との会話だった。「君がまぁ、そやね40くらいになったらわかる世界かな・・・」息子は10歳である。まだまだ先は長い。が、ちょっと感慨深く「どんな恋をしてるやろうね・・・」と言ってみた。コイツ絶対モテよるぞというのは、親のひいき目であろうか。うちの家系の’人当たりのよさ’と、夫の家系の’調子のよさ’を、兼ね備えているんだもの。最強♪などと考える不埒な親である。
ちょっといたずら心が湧き「なぁ、もし結婚しててやで、他の女の人に恋されたらどうする?」直球をぶつけてみた。「断る。家内がおりますのでって言うよ。」「へっ?」一瞬目がテンに・・・そして、ふふふと笑った。「アンタえらい言葉知っとるねぇ。家内なんてわかるの?」「わかるよ、家内安全だろ?」ズベッ。思わずぷーっと噴出しながら、「それはちょっと違うなぁ。家内安全の家内は家の中ってこと。うちの家内がという場合は、奥さんのことね・・・。なぁ、そしたら母ちゃんは家内安全やろか。」今度は息子の方が、意味深な顔をしてにひひと笑った。「デンジャラスだね~。」「何がデンジャラスよ!」「腹が。」腹かいっ!!はぁ~びっくりした。しかし、なんでデンジャラスなの?どこで覚えてくるの?意味分かってんの?矢継ぎ早に質問したら、すべてにおいて明確な答えが返ってきた。あっそ。子供は意外とわかってる。
「母ちゃんの恋バナ聞かせてよ~。失恋話。」なんでそう決めてかかるのか。イコール失恋話と。失礼なやっちゃで。まぁ確かにそうなんやけどね・・・。「ふん、やだね。」この場でさんざ書きまくってるクセに、身内には言い渋る。そんなもんである。あんまりしつこく食い下がるのでついに、「悪いけど母ちゃんは若い頃モテたよ!」と、大見得を切った。「食事には随分誘われたねぇ~。お酒好きやし、明るいし、オモロいし、かわいいやろー」「自分で言うな!」「自分で言わんと誰が言うねんな!!」実のトコロ、私も含めて単身赴任者が多い・・・という状況下だったのですよ。なので単なる食事の友なんざんす。
「父ちゃんの恋バナ、聞いてみたら?」と、話を転換してみた。「うん・・・前にちょっとだけ聞いたことあるな。」「へぇ。」「母さんのことだよ。」むふふ。どんな風に言うとってんな。人のことをしょっちゅうクサす、あのへそ曲がりの毒舌野郎が。「初めてみた時にね、かわいいなって思ったんだって。それで好きになったんだって。」ふ~ん・・・意外だった。私にぞっこんなのは知っていたが、子供にそういう話をしていたというのは想定外だった。ちなみに私は、夫のことをそんな風に話した事はない。彼のここが好き!という積極的支持で、始まった付き合いではなかったのである。とりだてて嫌な所が見当たらなかったのと、一緒にいても緊張することがなく、自然体でいられた・・・そんな関係で続いてきた。ゆるやかな友人関係といった趣であろうか。ただ、最初から親の反対という障害があったので、予定以上に結束してしまった・・・結婚まではやで。
「父ちゃんは、他の女の人を好きになったことがあるのかな?」「そうさねー。たまに行動が怪しい時があるね。」今迄で一番すごかったのはね、夜起きたらいないんすよ。隣に寝ているはずの夫がいない。本人曰く「会社で、やり忘れた用事があった。」(車で20分程度ですねん)はぁ?まぁいいでしょう。しかしやね、夜中にこそっと抜け出すのはやめてよ。本人はこっそりのつもりか知らんが、大抵バレてるのよ。もうカチャリとドアを閉めた時点で目覚めてる。何なんでしょうね~。あの妻の勘は。そんで心配するのよ。暴走族に囲まれてへんやろかとかサ。アセって事故を起こしてへんやろねとかサ。しかも腹立つのはやな、はよ帰ってくるクセに何しとんじゃ。もっとはよ思い出さんかいと。さすがにこの病気は治まったけれど、休日なんか行き先も告げんと、ふーっといなくなることがある。そしてほぼ定刻に帰ってくるクセに、たまにビミョーに遅い時がある。だから、ちょっと怪しい。けど、ん?ん?と思っているうちに、またふつーに戻るので、まっいいか~小遣い少ないし、職場に女性もそうおらんし、心配する程のこっちゃないわなと。うちに限って渡辺淳一ルールは適応せんやろなどと思う所が、浅はかなんだわね~。
ニヤニヤ笑っていると、「秘密を見つけて、こづかいせびろうかな。」などと、息子もよからぬ事を考える。「おっ思い出した!」「何を?」「パソコンやってる時に近づいていくと、画面を隠そうとするんだよ。」ドカーンと大爆笑が巻き起こった。「それ意味が違うと思うわ。別の意味で怪しい。」「何だ~?」「子供に見せてはならないものを、見てたんちゃうのん。」「なーんだ。エロサイトかよ。」「母ちゃんが近づいた時も、慌てて隠しとったで。」何で私に隠すかね。『くノ一忍法帖』も、一緒に鑑賞した仲なのに。
夕食時に、このやり取りを話して聞かせたら、夫は笑って聞いていた。驚いたのは、「母ちゃんは、若い頃モテた」という話をした時に 「そうだね」 と、ごく素直に認めていた事である。否定せんのかい!人の話にすぐ「違う!!」と、ちゃちゃを入れるヤツが。珍しいこともあるもんやね・・・。けど、どんどん小さくなって、エロサイトの話になる頃には、もう消え入りそうやった。しゃーないなぁ。今宵あたり慰めてあげますか・・・と思っていたら、宴会へ出かけやがったよ。聞いてないゾ。やっぱり怪しい!!
’真夜中は別の顔’ 魅惑の人妻より