朝に顔を洗えるようになってから
午前中の顔を洗う時間だけ
隔離が解けるようになった
別棟から病棟内に洗顔のときだけ入れる
それがなにを意味しているのか
わからなかったが
病棟内の人にこんな人がいると
知らせていたのだろうか
洗顔が終わると隔離室に戻された
しかしこの状態は2・3日で終わる
隔離室から保護室への移動が決まる
部屋を移動するとき
ベッドからムカデが出てきた
あっと思ってみていると
看護師がムカデを踏みつけて殺していた
あなたは虫も殺さないんですね
そういわれた
私はただスリッパだったのと
刺されたらいやだなぁと言う思いだったと思う
保護室の隣の部屋は四六時中独り言を言っている
起きたときから寝る瞬間まで
独り言を話している
それが壁を伝って聞こえてくる
静かにしてくれるようにいったが
聴いちゃぁいない
ここに移動して午前中は保護室から
病棟にいることが許されるようになった
朝食はみなと一緒にとれる
しかし私が措置入院であったためだろうか
みな距離をとっていて疎外感を感じた
昼からは夜の寝るまえまで
隣室の独り言を聞かなくてはならなかった
意識を失いそうになった
そうして悟りが起こりそうになった
悟ってはいけないと
悟りがおきそうになるたびになんとかした
隣の独り言がいった
どの道良くなるねんからな
後で知ったがZ1からZ4というのは
病棟内に自由にいれる時間を段階分けしてあり
最終的に大部屋に移動した時点で
病棟内の自由が最大になるらしい
それまでは保護室におり制限を受ける
自由といっても病棟内に入れるというだけで
病棟の外に出られるということは
退院間際までない
病棟内に自由に入れる間は
将棋をするかテレビを見るか大部屋で休むか
自転車をこぐマシーンに乗るかくらいしかない
卓球台もあったかな
おじいさんがいて将棋をしたら
きみは将棋をひとりでしてるね
相手の駒がどう動いて
どう攻めてくるのかを注意深くみていないと
指摘を受けて
そうなんだよなぁ
自分の駒をどう動かすかしかみてないんだなぁ
どう攻めようっていうことばかり考えてる
相手の攻めに対する守りとか
いろいろ考えてないよなぁ
改めて考え方の癖を確認した
部屋に戻ると相変わらず独り言が聞こえていた
朝を迎えると扉の窓から病棟をのぞいた
病棟内自由になっている人が
朝早くから行動を開始していた
それをうらやましそうにみていた
朝食の時間になってようやく外に出られるのだ
おじいちゃんはすぐにいなくなった
退院したのだろうか
病棟を移動したのだろうか
わからない
独り言は気にならなくなりつつあった
午前中の顔を洗う時間だけ
隔離が解けるようになった
別棟から病棟内に洗顔のときだけ入れる
それがなにを意味しているのか
わからなかったが
病棟内の人にこんな人がいると
知らせていたのだろうか
洗顔が終わると隔離室に戻された
しかしこの状態は2・3日で終わる
隔離室から保護室への移動が決まる
部屋を移動するとき
ベッドからムカデが出てきた
あっと思ってみていると
看護師がムカデを踏みつけて殺していた
あなたは虫も殺さないんですね
そういわれた
私はただスリッパだったのと
刺されたらいやだなぁと言う思いだったと思う
保護室の隣の部屋は四六時中独り言を言っている
起きたときから寝る瞬間まで
独り言を話している
それが壁を伝って聞こえてくる
静かにしてくれるようにいったが
聴いちゃぁいない
ここに移動して午前中は保護室から
病棟にいることが許されるようになった
朝食はみなと一緒にとれる
しかし私が措置入院であったためだろうか
みな距離をとっていて疎外感を感じた
昼からは夜の寝るまえまで
隣室の独り言を聞かなくてはならなかった
意識を失いそうになった
そうして悟りが起こりそうになった
悟ってはいけないと
悟りがおきそうになるたびになんとかした
隣の独り言がいった
どの道良くなるねんからな
後で知ったがZ1からZ4というのは
病棟内に自由にいれる時間を段階分けしてあり
最終的に大部屋に移動した時点で
病棟内の自由が最大になるらしい
それまでは保護室におり制限を受ける
自由といっても病棟内に入れるというだけで
病棟の外に出られるということは
退院間際までない
病棟内に自由に入れる間は
将棋をするかテレビを見るか大部屋で休むか
自転車をこぐマシーンに乗るかくらいしかない
卓球台もあったかな
おじいさんがいて将棋をしたら
きみは将棋をひとりでしてるね
相手の駒がどう動いて
どう攻めてくるのかを注意深くみていないと
指摘を受けて
そうなんだよなぁ
自分の駒をどう動かすかしかみてないんだなぁ
どう攻めようっていうことばかり考えてる
相手の攻めに対する守りとか
いろいろ考えてないよなぁ
改めて考え方の癖を確認した
部屋に戻ると相変わらず独り言が聞こえていた
朝を迎えると扉の窓から病棟をのぞいた
病棟内自由になっている人が
朝早くから行動を開始していた
それをうらやましそうにみていた
朝食の時間になってようやく外に出られるのだ
おじいちゃんはすぐにいなくなった
退院したのだろうか
病棟を移動したのだろうか
わからない
独り言は気にならなくなりつつあった