ステーキ漂流記
11月14日「モダン食堂 東京厨房」ハラミステーキ200g(飯田橋)
今週は週末の予定が変わった。11月28日公開の戦争映画『フューリー』のプロモーションで主演のブラピことブラッド・ピットが来日。その記者会見とジャパンプレミアイベントを取材することになった。
本当急だったが、偶然にも今日の試写も含めてすっぽり予定が当てはまったので「映画野郎」として仕事を受けた。とは言っても記者会見もイベントの取材もこれまで何十回とやってきたから、それ自体は珍しくはないけど、最近仕事が忙しくてこういうのをやってなかったからね。この間の映画のプロモーションイベントの取材も新人のヘルプだったから、ステーキばっかりじゃなくて映画ライターとして仕事してる所も、ね。いや、こういうのって大事だよ。ま、おかげで土曜日に行く予定だったイベントを2件ドタキャンとなってしまった。それでも新宿の深夜のやつは行く予定だけどね。
ともかく、当初の予定では午後3時半からゴダールの新作の試写を見る予定だったが、これも午後3時から飯田橋の角川で『フューリー』の試写に変更。ということで飯田橋である。
飯田橋の角川は映画ライター的には目黒のディズニーや月島のブロードメディアと同じく離れ小島試写室。例えば日比谷の東宝ならちょっと歩けば東映、電車一つで松竹、京橋テアトル、さらに逆方面(新橋)にはワーナーやTCCがある。神谷町ならパラマウントとソニー、六本木ならアスミックエースとシネマート六本木と試写スケジュールを組みやすいが上記3つはどうにも組みにくい。大概、映画一つ分の時間は潰れる。あと五反田のイマジカもあるけど、あそこはあんまり行かないからね。
でも、5年も映画ライターをやってればそれなりに行く。っていうか5年前は飯田橋ではなく紀尾井町だったけどね。そうすると、試写の前に飯とかお茶休憩もしている。だいたいドトールかバーガーキングだったりするが、飯だったらとりあえずここという店が一つあって、それが今回の「モダン食堂 東京厨房」。モダンというだけあってちょっと昭和チックな雰囲気を出しつつも「キッチンジロー」みたいなフェロモンがムンムンのお店。ここならステーキはあるだろう、と思ったらやっぱりある。ハラミステーキとサーロインステーキの二種類でハラミの方は150gから400gのセットまであるが、サーロインは180g1380円の一つのみ。こういう時ってサーロインの方がいい肉を使っていそうだけど、アラサーの眼鏡男子の店員に訊いてみるとハラミの方がいい肉を使っているとか。本当かいな、と思いつつハラミの200gと赤ワインを頼む。
先に赤ワインが来たタイミングでアラフィフのおばちゃん店員にハラミステーキの肉が何産の肉か訊いてみた。すると、明らかに店主っぽいアラ還(アラウンド還暦)の初老のシェフが気まずそうに「オーストラリア産です」と精一杯の笑顔で答える。うん、オーストラリア産っていうのはやっぱり店主的にも気まずく思うか。でも、正直に答えてくれた。まるで「金の斧」みたいなヒトコマだった。
そうこうしている間にハラミステーキが来る。とりあえず、最初からタレはかかってなくお好みで甘口と辛口の二種類で楽しめる。さっそくステーキを一口。気持ちミディアムレアにしてあるので柔らかく食べやすいが、脂身が全くなく、旨味もないので何もつけないと素っ気ない味。だからタレを甘口、辛口交互につける。それでまあまあ、っていうぐらい。
シェフには悪いがこの店ではステーキを特別に頼む必要はない。多分、他の洋食メニューが正解かな。金のステーキでも普通のハラミステーキてもなく、カキフライ定食やエビフライの方が正解かな。
★★