
「タコさ~ん、くっつくー」と言って3歳の娘は楽しそうに触っている。魚も野菜も、食べ物のには興味津々。畑では、自分で野菜を収穫するのが好きだ。釣りもしたいし、船にも乗りたいといい始めた。
積極的に海に連れて行かなかったし、カヌーにも乗せたことも無かった。自分から「やりたい」「行きたい」と言い出すまで待ってた。その時が今シーズンやってきたようだ。
「待つ」ということはなかなか難しくて、いじらしい。でも、その重要性を僕はカヌーや海から学んだ。カヌーは待つこと、逆に前進する瞬間の見極めが学べる面白いアクティビティだと思う。待つことのできない人は、いつかその代償を払い、その瞬間を掴めない人はいつまでも低いところに留まる。そして、それはいけないことだ。

ラーメンにヒジキを入れてみた。生ヒジキ(3時間ほど煮たもの)を軽くごま油で炒めて塩をふっただけ、それをさっとのせる。ただそれだけ。ただこれだけど、これが良いのだ。
自然の中からいただいたものをちょっとだけ食卓へ。畑から、海から、山からの彩を。同じように海から学んだこと、自然から教わったことを生活の中へ。普遍的な真理はフィールドでも家庭でも通じるはずだ。そこに漕ぎ続ける価値があると思う。ただ、そのことに気が付いている人は、少ない。
強い精神は強い肉体から。 西加奈子