洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

単語の意味、カギは文の流れです!⑫ 魚釣りだけじゃありません。"Can I go fishing?"  新課題本 PIE by Sarah Weeksより

2020年01月21日 | 洋書の読み方
みなさん、こんにちは!今回は新課題本、PIE (Sarah Weeks著) より、 go fishing を使った表現と英文読解のコツをご紹介します。

ここから引用です♪と、その前に、このお話のあらすじを少し。

主人公Aliceにはパイ作り名人のおばさん(Aliceのお母さんの姉妹)のPollyおばさん(Aunt Polly)がいました。Aunt PollyとAunt Pollyの作るパイが大好きで、Aliceは小さな頃からAunt Pollyのもとを訪ねて行ってはパイ作りの手伝いをしながらAunt Pollyと色々なことについておしゃべりをして過ごしていました。その、Aunt Polly, 突然若くして亡くなってしまうのですが、Pollyのパイ(特にパイ生地)のレシピを求めて、色々な事件が巻き起こります。今回は、 Aunt Pollyが突然いなくなってしまったその後にAliceが昔を思い出しているシーンからの引用です。
まずは、辞書なしで、前後の流れを大切に、途中に登場する"Can I go fishing?"がどのような意味になるか想像しながらお読みください。

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She recalled a time she'd stopped by the pie shop on her way home from school one day and found her aunt squeezing lemons for a batch of lemon chess pies.

"Can I go fishing?" asked Alice, happily hopping up on the red stool.

Polly finished squeezing the last of the lemons and passed the bowl to Alice. Then she handed her a fork.

"Fish away," she told her.

"Mom says you could be a millionaire if you wanted to be," Alice said as she began to fish out the slippery white lemon seeds with the fork and drop them into the little dish her aunt had placed on the counter beside her.

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さて、いかがでしょうか。
読みながら、 go fishing だから「釣りに行くのね!」と自動的に思って、そのまま進んでしまいそうですが、そうなると、その先の話の意味がよくわからないことになってしまいます。
英語の単語の意味の最終決定権は文脈が握っています。ですので、「釣りかな?」と思っても、もし、『Aliceも急に妙なことを言うな』と思ったら、go fishingを「釣りに出かける」と決めつけてしまわずに、先を読み進めます。すると、続きのシーンで、Aliceが何をしているか?

Aunt Polly から渡されたフォークを使って、レモンの種をすくい上げています!

she began to fish out the slippery white lemon seeds with the fork and drop them into the little dish her aunt had placed on the counter beside her.※読み取るヒントは太字の所 )
と、いうことは、 途中に出てくる”Can I go fishing?”が釣りではないことが見えてきます。

今回の英文、後ろの文章に具体的なヒントがありましたが、Aliceが訪ねて来た時にPollyが何をしていたかが描写されている部分にも実はgo fishing の意味を読みとるカギがあります。

Aliceが到着した時、Pollyは何をしていたか。 → her aunt squeezing lemons for a batch of lemon chess pies

レモンチェスパイを作るために沢山レモンを絞っていました。

そして、ここで思い出していただきたいのが、レモンを絞ったらどんなことが起こるか?
常識の範囲で考えますと、どんなことが起こるでしょうか??

そう、レモンのしぼり汁に種が混ざりますね!

パイにレモンの種が入っていたら、ちょっと食べにくいですから種はあらかじめ取り除いておいた方がいいです。
そこで、Aliceのような小さな子供でもできるお手伝いと言えば、種をすくい出すことですね。
しかも、ちょっとゲームみたいで考えようによっては楽しい作業です。

今回の引用文の途中に登場した"Can I go fishing?" 、文脈に合わせて意味をとると、Aliceは「レモンの種、すくってもいい(取り除いてもいい)?」というようなことを言っていました。

実は、fishには魚という名詞の意味、そして、動詞で使ったときには、「魚を釣る」という意味だけではなくて、「取り出す」という意味もあります。
でも、そんなこと、知らなかったとしても、文脈をしっかり観察すると、これ、もしかして「種を取る」っていう意味になるのかな?と推測が付きます。
そして、果たして、その推測通りの意味で使われていました。

知っている単語を大事に読み進めることは大事です。ですが、今回は、それ以上に大事な、文脈で意味を読み取る方法を紹介しました

ところで、fishという単語、魚釣りのイメージにあるように、『何かを引っ張り出す』というような意味もあります。

例えば、

He fished the key out of his pocket. と言えば、彼がポケットからカギを引っ張り出した様子が伝えられます。

カバンに物がたくさん入っていて、そのカバンの奥底に入っているものを取り出すためにそのカバンをごそごそしている時、その様子を描写するのに”I'm fishing.”と言ったりします。
面白いですね


今回紹介したシーンは19ページに載っています。

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4周年を迎えました!

2020年01月20日 | お知らせ
みなさん、こんにちは!
おかげさまで、1月18日に英会話スクール、 English and Beyond が4周年を迎えました。
これまでなかなかご紹介できずにいましたが、生徒様のレッスンの成果などを少しご紹介する記事を教室のブログに投稿しました。
これからも少しずつご紹介していきたいと思います。ぜひご覧ください

英会話スクール English and Beyond のブログ: 「4周年を迎えました!」

洋書を読みながら、英会話の練習をするレッスンもお勧めです


課題本の一例です♪




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英語で学ぶ栄養学 ~How Not to Die by Michael Greger, MD with GENE STONEより~

2020年01月03日 | 洋書のススメ
新年あけましておめでとうございます。今年も、ブログ「洋書で英会話」並びに英会話スクール「English and Beyond 」をよろしくお願い致します。

2019年は皆さんにとってどのような一年でしたでしょうか。

私たちの教室では、昨年は正しい方向に練習を続けて下さっている生徒さんたちが少しずつそして着実に英語で表現する力そして英語を読む力をつけてきて下さっていることを実感して嬉しい気持ちになる時間がたくさんある一年でした。

そして、その一方で、おととしの猛暑に引き続いて色々な出来事が重なり、体調を崩してしまわれた生徒さんも何人かおられて、改めて健康でいることの難しさ、そして、大事さに気付かされた一年でもありました。

日々色々なことがありますが、今年一年、みなさんが健康に過ごせますようにとの思いを込めて、新年一回目の更新となります今回は、栄養学が学べるこちらの本(How Not to Die by Michael Greger, MD with GENE STONE)より、「野菜食べなきゃ!」と思う英文をご紹介します♪




ここから引用です♪

Potassium(ポタシウム)について:

Take a plant, any plant, and burn it to ash. Throw that ash in a pot of water, boil it, skim off the ashes, and eventually you'll be left with a white residue known as potash("pot ash") Potash has been used for millennia for making everything from soap and glass to fertilizer and bleach. It wasn't until 1807 that an English chemist figured out that this "vegetable alkali" contained an undiscovered element, which he called pot-ash-ium -that is, potassium.


I mention this simply to emphasize the primary source of potassium in your diet - namely, plants. Every cell in your body requires potassium to function, and you need to get it from your diet.

-How Not to Die by Michael Greger, MD with GENE STONE よりー


上記の文章、前半はポタシウム(=カリウム)という栄養素がどのようにして発見されたかが説明されています。
特にここで注目して頂きたいのが、最初の2文で、そこには、ポタッシュと呼ばれるポタシウムの原形のようなものを取り出す方法がとても細かく書かれています。

その手順というのが、まずは、どんな植物でもいいから、とにかく植物を灰になるまで燃やして、そしてその灰を水を張った鍋に入れてそれを沸騰させた後、その灰を取り除いた時に、鍋に残る白いもの、それがポタッシュと呼ばれる‟野菜のアルカリ”で、イギリス人の科学者がそこからポタシウムを発見します。

ポタッシュ(Potash)自体も優れモノで、何千年もの間、石鹸やガラス、そして、肥料や漂白剤といった色々なものの原料として人々の間で使われていましたが、そこから取り出されたポタシウムは、私たちの生活、さらには生命に欠かせない要素で、この本の著者によると、Every cell in your body requires potassium to function. (私たちの体の細胞一つ一つが、きちんと機能するためにポタシウムが必要)だそうです。

そして、そのポタシウム、どこから得る必要があるかというと、"you need to get it from your diet." そう!毎日の食事から!です。

※dietは「食事」を表します。注意:‟痩せる”という意味ではありません。


一言で‟食事”と言っても、漠然としていますが、この本の著者は、食事は食事でも何を食べることが大事か、それもこの紹介した文章の中で伝えています。
(その部分が個人的にとてもいいなぁと思い、今回紹介させて頂いたところでもあります)それが、ポタシウムの説明に続いて書かれている文章、

I mention this simply to emphasize the primary source of potassium in your diet - namely, plants.


*語句*
mention = ~について言う、~について言及する
emphasize= ~を強調する
namely = すなわち

※I mention this の Iは著者自身の事、そして、thisとはポタシウム抽出のプロセスの細かな説明のこと。


つまり、著者が「植物を灰になるまで燃やして、そして、その灰を水を張った鍋に入れて、沸騰させて~」と細かい説明をしていたその理由は、ポタシウムの原料となるのがplant、つまり『植物』であることを強調するためという、そして、ひいては、それだけ植物、つまり『野菜』を食べることは大事だよと私たちに伝えることでした。


簡単に「ポタシウムが身体に必要ですから、野菜を食べて下さい」と一言で済ませそうな文章を、これだけの説明を費やすことで、野菜を食べることの大事さを読者に絶対に伝えたいという思いが伝わってきます。


相手に本当に伝えたいことを伝えるためには一言で終わらないのが自然なのかもしれません



ちなみに、ポタシウムがたくさん含まれている食べ物としては、一般によく言われているバナナよりも、青物野菜、豆類、サツマイモがお勧めだそうです。
("What are some of the truely potassium-rich foods? The healthiest common whole-food sources are probably greens, beans, and sweet potatoes."
-How Not to Die by Michael Greger, MD with GENE STONE よりー)



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相手に伝えるために、自分の知っている英語を使って、自分の知っている範囲で、頑張って説明しようとするところから、コミュニケーションが生まれます。
誰か代わりの人に言ってもらっていたら、それほどもったいないことはないです。
今年は、自分の知っている英語で自分で表現する力、身に付けませんか? 体験レッスン受付中♪年始は1月5日(日)からです


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