洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

ゆっくりハリー・ポッター(6)「起きる」の意味を表す前置詞up

2015年09月28日 | ゆっくりハリーポッター 

みなさん、こんにちは!

 

また少しお久しぶりの更新になってしまいましたが、

今回はゆっくり(すぎる!)ハリー・ポッター 第6弾、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone 

(J.K.ROWLING著)より

「起きる」の意味を表す前置詞のupが入った表現をご紹介します。

 

第二章でHarryが居候(?)している親戚のおじさんのお家の

一人息子、Dudley(ダドリー)の誕生日の朝、

ダドリーのお母さんのPetunia(ペチュニア)が

手伝いをさせる為にHarryを起こしにくるシーンより~

 

Harryが夢をみながらまだぐっすり眠っているところに、

Petuniaおばさんが金切声でHarryに言います。

 

'Up! Get up! Now!'

Harry woke with a start. His aunt rapped on the door again.

'Up!' she screeched. Harry heard her walking towards the kitchen and ・・・

 

仕方なく預かって育てている甥っ子が自分の大切な一人息子のダドリーのお誕生日に

いつまでも寝ている、そんな状況で起こしに来ているので、

第一文目の 'Up! Get up! Now!' は

イライラして、「起きなさい!起きなさいったら!はやく!」と言っているような文章ですが、

ここでさっそく今回ご紹介する upが登場しました。

起きなさい!と言うのに、Up!というだけでいいというのが面白いです。

前置詞のupには

stand up (立ち上がる)

sit up ((上体を起こして)座る)

go up(上にいく)→ 例: go up the stairs で「階段を上がる」

look up (顔をあげて上を見るようなイメージの表現)

などからもイメージできるように、上や、上にあがるようなイメージがあります。

 

そこからさらに想像を広げていくと

この「起きて!」のUp!は体が寝て横になっている状態から上に起こす感じ、

起きあがるイメージを伝える表現になっているように思います。

ここでは「起きた状態」も表していますので、

前置詞というよりは形容詞に似た役割を果たしていますが(^-^)

 

昔見たある映画の中で、主人公か誰かが、

今日は帰りが遅くなるから、「起きて待っていなくていいよ。」というシーンで

"Don't wait up."     ※wait は 「待つ」

と簡単に表されていて感動したことがあります。

 

この「起きている」イメージを表すup

be動詞とセットにして、さらに疑問文にして、

still(まだ)を足して相手に尋ねる文にすると

Are you still up? (まだ起きてる?)

と、時差がある国の友人に向けて夜遅くにメッセージを送る時などに

使える表現になります。

 

ちなみに今回引用したハリー・ポッターのシーンには

起きなさいよ!と言っても、なかなか起きてこないHarryの部屋の前に

しばらくしてまたおばさんが戻って来るところが続いています。

 

その部分の引用がこちら~

His aunt was back outside the door.

(彼のおばさんがドアの前に(外側に)戻ってきた)

'Are you up yet?' she demanded.

(「もう起きてるの?」とおばさんは急かした(要求した)」

'Nearly,' said Harry.

(「もうほとんど起きてるよ」とハリーは言った。)

 

使えます♪

 

ちなみに、「夜更かしする」は

起きた状態(up)を遅く(late)まで続ける(stay) ので

stay up late と表されている、そんな気がします。

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loud? loudly?

2015年09月24日 | 英語表現

今回は少し前にご紹介したWonder ( R.J.Palacio著)の引用文の

補足をお届けします。

 

まず始めにどんな表現だったかの復習を♪

 

自己紹介の時に口ごもってしまったAugustが

先生に「もっと大きい声で」と言われたことを話しているシーン

~今回は先生の言葉の部分から引用します♪~

 

 "Can you speak up, honey?" said Ms. Petosa.

「もう少し大きな声で話せるかしら。」とペトサ先生が言った。

※「~先生」と呼ぶためにteacher が使われることはありませんので

ご注意を!!Mr. Mrs. Ms. が「先生」の意味を表します。

 

"My name is August," I said louder, forcing myself to look up.

(※forcing などの用法については

Is that it? それだけ?(Sushi&Beyondより)を参照してください。)

 

まず、新しく引用した先生の言葉の部分の解説から~

speak up でここでは「大きな声で話す」という意味です。

up だから 反対語はspeak down?と思いたいですが、

speak down は「へりくだって話す」や

speak down to +人 で

「(人)に対して偉ぶって話す」という、

また別の意味になりますのでご注意を!

 

speak up には「自分の意見を話す」という意味もありますが、

ここでは「大きな声で話す」という意味で解釈します。

そうなる理由は

引用文の前の部分の文脈が関わっています。

 

先生のこの言葉の前にはどのような場面があるか

少し遡ってさらに引用してみます。

 

"My name is August," I said, and yeah, 

I kind of mumbled it.

(※kind of は 「どちらかというと」 

mumbleは「口ごもる」というような意味です。

まとめると:

(「僕の名前はオーガストです。」と僕は言った、そして、そう、

ちょっと口ごもりながら言ってしまった。)

 

"What?" said someone.

(「何て(言ったの)?」と誰かが言った)

 

この後にくるのが

先ほど紹介した先生の言葉、

"Can you speak up, honey?" です。

 

ここでもし「自分の意見を言ってちょうだい」と解釈してしまったら・・・

生徒たちが順番に自己紹介をしているシーンなのに、

急に意見の話になったら、文脈から外れてしまって、

何の話かよくわからないことになってしまいますよね!

流れから考えて、

「もうちょっと大きい声で」となるほうが絶対に自然です。

 

知らない単語が気になってその意味を調べる場合にも

前後の文脈は大事です♪ 

 

 

今回は声のボリュームに関する表現で使われている

loudについても少しだけ補足します。

【どのように】話すか、は

動作の説明にあたりますので、副詞が担当します。

loudは一見すると形容詞として捉えてしまいそうになりますが、

副詞としても使うことができる単語ですので、

口語的な使用法ですが、

louderと比較の形にすると「より大きな声で」と

【どんな風に】言ったのかを伝えることができます。

 

もとから副詞の形をしているloudの類語のloudlyは

loudと同じく「大きな声(音)で」という意味を伝える単語です。

この二つの単語、使用法はほとんど同じですが、

話言葉ではカジュアルな表現として loudがよく使われます。 loudlyは丁寧な表現に使われます。

 

ちなみに「小さな声で」という表現も色々ありますが、

よく使われる表現に

in a low voice というフレーズがあります。

しかし、やっかいなことに、

ここで「小さな」を表しているlowには

「低い」という意味もあります。

ということは、in a low voiceで

「低い声で」という意味でも解釈できます。

どちらで解釈するべきか・・・

カギは文脈にあります。

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単語の意味、カギは文の流れです⑤ unusual inventionsより

2015年09月21日 | 洋書の読み方

みなさん、こんにちは!

 

今回はドリルに似た参考書、アメリカの小学生向けワークブック、

Scholatic - 3rd GRADE Workbook の問題文の引用を使って

単語の意味を文脈で取る方法をご紹介します。

 

本文引用、その前に・・・

「~年生」は英語で「~番目のgrade」と言います

3rd(third) grade は 三年生 です。

 

それではここから本文

Unusal inventions

(変わった発明品)についての文章です~

 

For example, one inventor created

a twirling fork to make it easier to

eat spaghetti.

 

下線を引いた単語が入った黄色で色づけした部分は

どのような意味でしょうか。

もう知っているし分かるという方はそのままで大丈夫です、が、

もし知らなかったら、、、

すぐに辞書を引かずに、少し周りを観察して

想像してみてください。

 

まず、この文章が書かれた背景知識から、

invention から、想像して何かしらの発明品であること

そして、ヒントになりそうなキーワードは、

何かしらspaghetti(スパゲティ)が関わる

fork(フォーク)であること

もし、そこまで見ることができたら

後は英語から一瞬離れて人がスパゲティを食べる時に

どのようにフォークを使うかを想像します。

スパゲティをフォークで食べる時フォークは・・・

そう、くるくる回転させてスバげティを巻きつけて食べますね!

そこまで想像できたら後はそれを英文にあてはめて想像します。

発明品なので、それも合わせて考えると、

そうです、自動回転して麺を巻きつけるフォークです!

 

ここまで想像できたら十分ですので、

特に必要ありませんが、

念のためtwirling(twirl)を辞書で調べてみると、

「~をくるくる回す」「振り回す」などの意味がありました。

 

文章を読んでいて知らない単語に出会った時、

すぐに辞書に頼るのはもったいないです。

知らない!というだけで無意識でプチパニックになり

だから読めない!となってしまう状況はよくわかります。

かつての私もそうでしたから。

だけど、そんな時は単語の意味の類推力を鍛えるチャンスです!

背景知識を思い出して、落ち着いて周りを見て

近くに知っている単語がもしあればそこから

想像を広げて、意味を予想して、

辞書を引くのはそれから、にすることをお勧めします。

 

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ahead of を使った表現 (STEVE JOBS氏の自伝より)

2015年09月17日 | 英語表現

こんにちは!

 

今回は、

STEVE JOBS

THE MAN WHO THOUGHT DIFFERENT

~A BIOGRAHY BY KAREN BLUEMENTHAL~より

ahead of を使った表現をご紹介します。

 

NeXT の新作コンピュータの発表が

当初の予定より大幅に遅れたことに対して

記者から質問された時のJobs氏の返事より~

 

It wasn't "late," he said. It was "five years 

ahead of its time."

 

late は 「遅れる」 

※時間の遅い早いを言う時に使います。

ちなみに早いは・・・ earlyです。

※fast と slow は スピードに使います。

 

2つ目の文章に入った

ahead of ~が今回のオススメ表現です。

ahead of ~で 「~の前」 を表します。

its time ここでは 「その時代」というようなニュアンスです

※it's ~と アポストロフィー( ' )付きのits ではありません。

it's は it is の 略語

its は it の所有格です。 

(I でいうところのmyです(^-^))

 

続きの説明が長くなりましたが、

ahead of its time で 「その時代より前だ」

と いうようなことを伝えています。

そしてその前にfive years がついて

どのくらい前かを言っています。

つまり、5年先取りしている、というような意味です。

 

まとめてもう一度見てみます♪

 

It wasn't "late," he said. 

It was "five years ahead of its time."

 

(「遅れたんじゃない」

「むしろ5年時代を先取りしているくらいだ!」)

 

この開き直りよう。

後に本当にそうだったとわかるのかもしれませんが、

さすが天才、言うことが一味違いますね。

 

Jobs氏の自伝は多数出版されていますが、

私はこのKaren Blumenthalさんの書いた文章がとても好きで

何度も読み返し、そして、

レッスンでテキストとしても活用しています。

 

話がそれましたが、

ahead を 使った他の表現も合わせてご紹介します♪

まずは、言わずと知れた(?)有名な(?)表現から

Go ahead. 

「先に行く」にPlease をつけたら

Please go ahead.

『お先にどうぞ』と伝えられます。

 

schedule とセットにして

ahead of schedule で 「予定より早く」ということが伝えられます。

ahead の前に どのくらいかを表す表現を付けるとより具体的な

表現ができます。

例えば、

The project is three weeks ahead of schedule.

とすると、

(そのプロジェクトは予定より3週間早く進んでいる)となります。

 

ちなみに

「予定より遅く」は behind scheduleと言います。

どちらもよく使われますので覚えておくと便利です。

 

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Is that it? それだけ?(Sushi&Byondより)

2015年09月15日 | 英語表現

今回はSushi & Beyond(Michael Booth著) より

この本の著者Michaelが老舗天ぷら屋さんの職人さんに

天ぷらのコツを聞いているシーンにあった、

「それだけ?(それで終わりですか?)」と言う時に

使える表現をご紹介します。

 

衣をつけたエビを油に入れた後のシーンから~

After a few seconds he moved it around in the oil,

 then took it out again.

(数秒して彼はそれを油の中で回して

再び取りだした)

 

'Is that it?" I asked.

(「それだけですか?(それで終わりですか?)」と私は尋ねた。)

 

 

今回ご紹介する表現はこの、Is that it? です。

ここでは疑問文になっていますが、

普通の文に書き換えると

That is it.  (That's it. と短縮して言われることも多いです)

となり、これを直訳すると

【あれ(それ)がそれです】となりますが、

この表現は直訳調の意味よりも、

決まり表現として「それで終わり」という意味で使われることが多いです。

そしてこの表現は

何かを発表したときなどの最後に

「以上です」という時にも使われます。

 

ちょうど昨日続きを読んでいたWonder (R.J. Palacio著)の中に

「以上です」の意味で使われていたThat's it.がありましたので

こちらも合わせてご紹介します。

 

新学年が始まった、最初の授業で

担任の先生の指示により順番に自己紹介をすることになった生徒たち。

ドキドキしながらも、自分の番がきたため自己紹介を始めた

この話の主人公Augustでしたが、

みんなの視線が気になったのと、

人前で話すことに慣れていなかったために

緊張で口ごもってしまった彼に、

先生が「もう少し大きい声で」と言ったシーンの続きより~


"My name is August," I said louder, forcing myself to look up.

"I, um. . . have a sisiter named Via and a dog named Daisy.

And, um. . . that' s it."

 

louderは「より大きく」

【force 人 to 動詞の原形(元の形)】 で 

「人に(無理やり)~させる」という意味です。

look up は「上を見る」ここでは「顔をあげる」とか「前を見る」とかそういうニュアンスになりますね。

I said louder(より大きな声で言った)とこれで終わっても意味が十分通じる文章に

コンマ(,)で続けて~ingの形でさらに文が続く時は

~ingから後の部分は、基本的に「~しながら」と訳します。

 

ここでは

,forcing myself to look upとなっていますので

なんとか前を見るようにしながら話していることが表されています。

 

 

【名詞+named ~ 】で「~と名付けられた(名詞)」

もしくは「~と言う名の・・・」となります。

例えば a girl named Lisa  は「リサと言う名の女の子」

a cat named Mike は「マイクと言う名の猫」

( この文法、A Street Cat Named Bob

~(邦題)ボブという名のストリートキャット~という本のタイトルにも使われていますね)

 

解説が長くなってしまいましたのでもう一度本文の引用を~

 

"My name is August," I said louder, forcing myself to look up.

"I, um. . . have a sisiter named Via and a dog named Daisy.

And, um. . . that' s it."

 

まとめて訳してみます。

(「僕の名前はオーガストです。」と(下を向きたい気持ちを我慢して)

前を見ながらより大きな声で言った。

「僕は、、、えっと、ヴィアと言う名前の姉がいます、そしてデイジーと言う名前の

犬を飼っています。それから、う~ん、、、以上です。」)

というようなことが書かれています。

 

That's it. に似た表現にThat's all. という英語がありますが、

allはすべてを表しますので、「それがそのすべてです」というニュアンスになり、

自己紹介で使うと、itを使った表現とは少し異なるメッセージを伝えます。

(自分にはそれしかない、というような・・・)

ですので、自己紹介の時にはAugustのようにThat's it.を

使うことをお勧めします。

 

ちなみに、始めにご紹介したIs that it?と

Sushi&Beyondの著者Michaelが天ぷら職人さんに尋ねた時の

職人さんの答えは

He nodded. (彼はうなずいた。)でした。

ということは、”それだけ”ということですね。

 

エビの天ぷらをプリプリの状態を保ってカリッとあげるには

ほんの少しだけ揚げるでOKなのですね(^-^)

でも、きっと、そうするためには新鮮なエビである必要もあるのでしょうね。

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