洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

基本単語 real。 でも深いことが言えます ~When You Reach Me by Rebecca Stead より~

2022年10月26日 | 英語表現
皆さん、こんにちは。今回は課題本(※レベルに合わせてご案内しています)の一つ、When You Reach Me (Rebecca Stead著)より、realを使った表現をご紹介します。

When You Reach Meは、シングルマザーのお母さんと二人暮らしの主人公Mirandaの視点で色々な出来事が語られていくスタイルのお話です。

今回ご紹介する表現は、家に初めて泊まりに来た友人のAnnemarieが、Mirandaのお母さんについて、Mirandaと二人きりになった時に言った言葉からの引用です まずは、辞書なしで、それぞれの登場人物が何を言っているか、また、何を思っているかを想像しながらお読み下さい♪

Annemarie とMirandaの会話です。

"Your mom is cool," she(Annemarie) said later, when we were in our beds and her face was resting on Mom's pillow.

"I like her a lot. She's like a real person, you know? And she treats you like a real person too. My dad still acts like I'm a baby."

"I guess."

But who wants to be treated like a real person? I thought. I wanted to be treated like Annemarie and have all my snacks tied up with ribbon.


さて、いかかでしょうか。

初めてのお泊り会の一場面ですので、二人ともがそれぞれのベッドに横になりながら話をしています。

この前に出て来るシーンでMirandaとお母さんのやり取りがあるのですが、それを見ていたAnnemarieは、Mirandaと彼女のお母さんとの関係性が羨ましくなっていました。

その気持ちが
"I like her a lot. She's like a real person, you know? And she treats you like a real person too. My dad still acts like I'm a baby."という発言に表れています。


太字にしたrealの使われ方が今回のお勧めです。
そして、この意味を理解するための手掛かりになるのが、下線を引いた、"My dad still acts like I'm a baby." です。
ここで使われている、like (名詞) または like (that) 主語+動詞 のlikeは”~のように””主語が動詞のように”という意味です。


And she treats you like a real personのところを、あえて訳すとすれば『彼女はあなたを一人の人間として扱ってくれる(話をしてくれる)』のようになるのかなと思いますが、この文章全体の意味は、英語のまま理解したほうが味わい深いシーンになりますので、細かい日本語訳は書きませんが、基本単語の文章ですので、大体の意味は掴んで頂けると思います。

育った環境でそのようになっているけれど、Mirandaとしては、甘えられる子どもでいたいと思う時もあります。そのため、Butから先に綴られているMirandaの気持ちもなかなか切ないなと思います。

大人を表す言葉にa grown-up という表現がありますが、a baby の対比として、She treats you like a grown-up.というのではなく、She treats you like a real person.と表されているのがとてもいいなと思います。


realは基本単語ですが、奥が深いですね!



最後にすべてがつながるとてもよく書けたお話です。
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単語の意味、カギは文の流れです!⑰ sudsとは? ~HOLESの続き~ 

2022年10月22日 | 英語表現
皆さん、こんにちは。前回、HOLES (Louis Sachar著)より、if you call it that という表現について紹介しましたが、今回は、その続き、Stanley took a shower - if you could call it that. と描写されていた、そのshower について詳しく説明されている部分より、いくつか表現をご紹介します。

それでは、さっそく引用から♪

Because of the scarcity of water, each camper was only allowed a four-minute shower. It took Stanley nearly that long to get used to the cold water. There was no knob for hot water. He kept stepping into, then jumping back from, the spray, until the water shut off automatically.

Stanleyが収容されているキャンプは、砂漠の真ん中にあるキャンプのため、水が限られているということで、それぞれのキャンパーのシャワーは4分と決められていました。さらに、そのシャワーにはお湯を出すためのノブはなく、水だけが出てきます。その4分間のシャワーがStanleyにとってどのようなシャワーだったかが書かれているのが、It took Stanley nearly that long to get used to the cold water.の部分です。(that longで”その長さ”=ここではfour minutes)

砂漠のキャンプとはいえ、cold water のシャワーは冷たいです。そのため、Stanleyがそのシャワーに慣れるまで、ほぼ4分かかりました。

Stanleyのシャワーをしている時の様子が描写されている文章が続きの、

He kept stepping into, then jumping back from, the sprayのところです。


コンマが2か所も使われていて、一見ややこしいかもしれませんが、ここは、シャワーの水が冷たい時に、人がどんな動きをするかを想像すると理解しやすくなります。

大抵の場合、まずはシャワーにstep into します。でも、冷たいですから、”冷たっ!!”と思って慌てて飛び出ると思います。その動きを表しているのが、jump back from です。 the sprayというのはシャワーから出て来る水の事です。一つ一つ書いて表すと、He kept stepping into the spray, then jumping back from the spray.となるところですが、the sprayは両方に共通しますので、真ん中のところを省略して表すと先の文のように、He kept stepping into, then jumping back from, the sprayとなります。

keep ~ing で「~し続ける」ですので、シャワーの下に入ったり、冷たっ!と慌てて飛び出たりを繰り返しているうちに、Stanleyのシャワーの時間は終わってしまいました。

確かに、そんなシャワーをシャワーと呼べるのかどうか?

・・・。

シャワーと呼べるような、そんなにいいものではありませんね
ですが、一応、Stanleyが収容されているCamp Green Lakeでは、それがシャワーということになっていましたので、Stanley took a shower -if you could call it that.と書かれていました

本文ではこの後に、He never managed to use his bar of soap, which was just as well, because he wouldn't have had time to rinse off the suds.と続きます。

シャワーの水の下に入ったり飛び出たりを繰り返していましたので、He never managed to use his bar of soap ※manage to do で「何とか(どうにか)~する」neverが付いていますので、「全く石鹸が使えなかった」と。

・which was just as well の意味は?

as well = tooという、よく使われるwellの成句がありますが、果たしてこの場合もそれで良いかどうか?

英文の読解は、文脈が大事です。

ですので、続きを見ると、

because he wouldn't have had time to rinse off the suds.

少し難しそうな単語や時制が入っていますが、ここで一番重要な事は、シャワーの話で、しかも、石鹸の話だということです。

更には、becauseがありますので、理由を伝えています。

そして、he wouldn'tと否定文になっていますので、”時間がない”と言っています。

何をする時間か?

それが”to rinse off the suds” です。

rinse(読み方:リンス)は「流す」という意味です。この単語は常用単語ですので、覚えておくと便利です。

シャンプーとリンスとセットでカタカナで使われて、馴染みのある語かもしれませんが、日本語で使われている意味と英語の意味は大分異なりますので注意が要ります。ちなみに、シャンプーとセットで使うものは英語ではconditioner(コンディショナー)です。

「the suds を流す時間がない」

・the sudsとは?

この単語は、もし知らない場合でも文脈から想像ができます。

石鹸を使った後に流すものと言えば?

そう、『泡』ですね。

suds (=soap suds) はオックスフォード現代英英辞典では次のような定義が書かれていました。

a mass of very small bubbles that forms on top of water that has soap in it  

なるほど~面白いですね!

さて、話を本文に戻して、全然石鹸を使えなかったことがどうだったのか?

それが書かれているのが、which was just as wellのところです。

シャワー水の冷たさに慣れるまで出たり入ったりを繰り返しているうちに割り当てられた時間が終わってしまいましたので、Stanleyは石鹸を結局全然使えませんでした。そのため、泡を流す時間は要りませんでしたが、もし使っていたら、泡を流す時間が必要になります。

ここでもう一度、先ほどの一連の文章を見てみます。

He never managed to use his bar of soap, which was just as well, because he wouldn't have had time to rinse off the suds.

becauseの後はwouldで仮定の話になっていますので、「なぜなら泡を流す時間がなかっただろうから」と言っています。

ということは、全く石鹸を使えなかったことは、結果、which was just as well で、「それはちょうど良かった」となります。

as well = too の意味を知っているのは大事です。

ですが、as wellと並んでいたら、いつでも「~も」と訳して大丈夫かどうかは文脈を見てから判断するほうがいいです。

ちなみに、offは、離したり、離れたり、剥がしたり、剥がれたり...というようなことを表す前置詞です。
ですので、体についた石鹸の泡を流すということを伝える文章で、rinse off the sudsと書かれているのも面白いなと思います



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If you could call it that. (それをそう呼べるなら~)-HOLES by Louis Sacharより-

2022年10月20日 | 英語表現
皆さん、こんにちは。またまた少し久しぶりの更新になりましたが、今回は、レッスンの課題本(レベルに合わせてご案内しています)としてお読み頂いている本、HOLES (Louis Sachar著) より、ちょっと面白い表現をご紹介します。

さっそく引用、その前に、少しこの場面の背景を~

あることをした罪で、灼熱の太陽の下、根性を鍛える為に毎日穴を掘らされるキャンプに送られてきた主人公のStanleyがキャンプに来た初日の描写で、テキサスの砂漠の真ん中にあるキャンプの為、水は貴重で、悪い男の子たちが収容されている施設なので、待遇も設備もあまり良くないということが、遠回し(?)に表現されている一文です。

ここから引用です♪

Stanley took a shower - if you could call it that, ate dinner - if you could call it that, and went to bed - if you could call his smelly and scratchy cot a bed.


特に何も問題のない場所の話でしたら、シンプルに、Stanley took a shower, ate dinner, and went to bed. と進むはずですが、ここでは、Stanley took a showerの後に if you could call it that, と続いています。

if you could call it thatとはどういう意味か?

ifは条件を表します。”call A B” で”AをBと呼ぶ”です。 この二つの要素を合わせて、if you call it that で「それをそう呼べるなら」と言っています。

それとは何か?

ここでは、すぐ前に出てきた、a showerのことです。

続いて、ate dinner - if you call it that . 「彼は夕食を食べたーそれを夕食と呼べるなら」

そして、最後に、and went to bed - if you could call his smelly and scratchy cot a bed.

「そしてベッドで眠りについたーもしhis smelly and scratchy cot をa bedと呼べるなら」と続いています。

smelly : 臭い(いやな匂いのする)
scratchy :かゆい(ちくちくする、かゆくさせる)
cot:簡易ベッド

シャワーも夕食もベッドもなんだか普通とは違う感じですね。
特にベッドが嫌ですね

本文ではこの後に、それぞれ、どのようなシャワーか、どんな夕食かが説明されているパートが続きます。


今回紹介した表現はこちらの21ページに載っています。


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