洋書で英会話

100冊以上読んできた経験と知識をもとに、英語の小説や雑誌、実用書などから、すぐに使える素敵な表現や文法をご紹介します。

ゆっくり・ハリーポッター(28) “いくつあっても~”

2022年04月19日 | ゆっくりハリーポッター 
みなさん、こんにちは。

今回は、ゆっくりとハリーポッターに登場する表現をご紹介している、
ゆっくり(過ぎる!)ハリーポッター(28)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone (ハリーポッターと賢者の石)
by J.K.ROWLING、
第12章 The Mirror of Erised より、面白い英語表現をご紹介します。

さっそくですが、前回、Professor Dumbledoreに、Professor Dumbledore自身がThe Mirror of Erised(自分の理想や見たいものが映る鏡)を覗いたら、何が見えますか?とHarryが尋ねると、「ウールの分厚い靴下を持った自分だよ」という返事が返ってきましたが、 その答えを聞いたHarryはどうしたか。
今回はそのシーンからの引用です♪ (ハリーの言葉から始まります)

・・・・・・・・・・・・

'What do you see when you look in the Mirror?'

'I? I see myself holding a pair of thick, woollen socks.'

Harry stared.

'One can never have enough socks,' said Dumbledore. 'Another Christmas has come and gone and I didn't get a single pair. People will insist on giving me books.'

・・・・・・・・・・・・

”靴下を持っている自分が見える”と言われても、え!?となりますよね。
Harryもきっとそんな気持ちだったと思います。ですが、教授の言うことですから、Harryはどのように反応したか. . .

He stared.


Professor Dumbledoreをじっと見つめました


物や人を”見る”という時、基本単語として押さえておかなければならないのが、see, look, watchですが、小説や映画などを見ていると、”じっと見る”を表す、stare(ステアー)もとてもよく使われます。この単語を使う時の注意点は、lookと同じように、”見る”という意味しか含まれていませんので、”~を見る”という時は、視線を向ける的を表す"at" が必要です。ちなみに、seeとwatchには”~を見る”という意味がありますので、”~を”を付け加えなくても大丈夫です。

Harryにじっと見られて、Dumbledore教授が言った言葉が、今回のお勧め表現です。

'One can never have enough socks,' said Dumbledore.

主語のoneは、ここでは、”人”を表しています。一般的な事柄について話をする際、通常は英語では"you"を主語にして話しますが、少しフォーマルな言い方としてyouの代わりにoneが使われる時があります。

to have enough socksは「十分な靴下を持つ」ですが、そこにnever(決して~ない)が付いて、「十分な靴下を持つことは決してない」となります。
つまり、それはどういうことかと考えると、『靴下はいくつあっても足りない(あればあるほどいい)』というようなことを伝えています。

これに似た表現に、”cannot get enough of ~"という型で、to enjoy something so much that you want more and more of it(ロングマン英英辞典)ということを伝える表現があります。

コーヒー好きの人だったら、I can't get enough of coffee. (いくら飲んでも飲み飽きることはない→いくらでも飲める)
イチゴ好きの人だったら、I can't get enough of strawberries. (いくら食べても食べ飽きることはない→いくらでも食べられる)
ある映画を見るのが好きな人だったら、I can't get enough of this movie.(いくら見ても見飽きない→何度見ても面白い)という風に説明できますね。

反対に、「もう(それは)沢山だ!」という時は、I had enough of it! となります。面白いですね!


さて、話をハリーポッターに戻しますと、'One can never have enough socks,' と言った後、Professor Dumbledoreは続けて次のように言います。

'Another Christmas has come and gone and I didn't get a single pair. People will insist on giving me books.'
(今年もまたクリスマスが終わったけれど、一つも靴下をもらえなかったよ。皆、私に本をあげるといって(靴下が欲しいと言っても)聞いてくれないんだ)

自分の願望が映るという鏡に映る映像が、靴下を持っている自分の姿だなんて、本当でしょうか??

その晩、寝床についたHarryは、ふとDumbledore教授が本当のことを言っていなかったかもしれないこと、そして、自分が尋ねた質問がとても個人的なもので失礼だったかもしれない(It had been quite a personal question.)ことに気が付きます。

確かに、自分の願望 desire(ディザイア)が映る鏡ですから、その人のプライバシーに関わるかもしれませんので、何が見えます?とは気軽には聞くべきではなかったのかもしれませんね。

この流れ、そして、英語の表現、本当によく書けたお話だな~と思います。


今回紹介したシーンは12章の終わりに登場します♪

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ゆっくり・ハリーポッター(27) Look at yourself in the mirror.

2022年04月14日 | ゆっくりハリーポッター 
みなさん、こんにちは。

今回は、ゆっくり(過ぎる!)ハリーポッター (27)、

HARRY POTTER and the Philosopher's Stone 
by J.K.ROWLING

Chapter Twelve
The Mirror of Erised より、鏡に関する表現をご紹介します。


前回、クリスマスプレゼントでもらったCloakを使って、夜中に部屋を抜け出して、不思議な鏡、The Mirror of ErisedのところにHarryがまた行こうとしているのをRonが止めているシーンをご紹介しましたが、今回は、そこから少し進んで、Professor DumbledoreがHarryに、その鏡について説明しているシーンにあった、鏡に関する表現をご紹介します。

それでは、さっそく、引用、その前に、Professor Dumbledoreの話によると、その鏡は、それを見る人が見たい物を映し出す鏡(”It shows us what we want.”)で、世界で一番幸せな人だけが普通の鏡として使用できる鏡である、つまり、鏡を覗いたら、その人のそのままの姿が映ります。(”The happiest man on earth would be able to use the Mirror of Erised like a normal mirror, that is, he would look into it and see himself exactly as he is.””本文より)

ですが、大抵の人は、なかなか叶えられない希望や夢があったりします。そして、Harryの場合は、両親に会いたいという気持ちが強いので、When he looked in the mirror, it showed him his family. で、Ronの場合は、彼の兄のようにリーダー的存在になりたい思いが強いので、When Ron looked in the mirror, it showed Ron himself as Head Boy.でした。

自分が見たいものが見れると言っても、その鏡の前で、現実逃避(?)して、ずっとじっと座っているわけにはいきません。
そのため、Dumbledore先生は、規則を破って、夜中に何度もこっそり部屋から抜け出して鏡を見に来ていたHarryに、"It does not do to dwell on dreams and forget to live, remember that."(夢ばかり見て、自分の生活(本分)を忘れてはいけないよ)と言ってたしなめます。 ※dwell は to live somewhere という意味ですが、onとセットになって dwell on / upon ~ で to think or talk a lot about something , to look at something for a long timeという意味になります。(オックスフォード現代英英辞典)
あることをずっと考えたり、ずっと話したりしているということは、ある意味そこに”住んでいる(留まっている)”ようなものですから、面白い表現だなぁと思います。

さて、ここから、今回のお勧め表現が入った部分の引用です♪ (※Harryの質問からのスタートです)

・・・・・・・・・・・・・

'Sir- Professor Dumbledore? Can I ask you something?'

'Obviously, you've just done so,' Dumbledore smiled. 'You may ask me one more thing, however.'

'What do you see when you look in the Mirror?'

'I? I see myself holding a pair of thick, woollen socks.'

※今回のお勧め表現が入った部分を太字にしています。

・・・・・・・・・・・・・

☆今回のお勧め表現☆

『鏡を見る』look in the mirror

lookを使って「~を見る」という時の基本となる表現は、"look at something" ですが、「鏡を見る」という時、実際に見るのは、鏡自体というよりは、鏡の中に映っている物です。鏡は”その中を見るようなもの”ということで、的を目指すatではなく、中を表すin が使われます。

「鏡に映った自分を見る」は、実際に見る対象となる”自分”が登場しますので、I look at myself in the mirror. となります。
(レッスンで「LOOK」を使った表現を学習済みの生徒の皆さんは、Look at yourself in the mirror.という文章でお馴染みですね!)


Harryは、Professor Dumbledoreに、

"What do you see when you look in the Mirror?" (←下線部、特別な鏡の事ですので、大文字になっています)
(あなたは、その鏡を見た時、何が見えますか。)

と尋ねます。

すると、Professor Dumbledoreは、

'I? I see myself holding a pair of thick, woollen socks.'
(私ですか?私は、分厚いウールの靴下を持った自分だね。)

なんだか拍子抜けするような答えですが、Harryも”え?何ですか、それは??”という反応をします。
この続きは次回ご紹介したいと思います。


ちなみに、今回の引用したシーンの前半にあった、二人のやり取りですが、

'Can I ask you something?'(質問してもいいですか?)と尋ねたHarryにProfessor Dumbledoreが、

'Obviously, you've just done so,'
(もう、そうしたよね。)→つまり、”質問してもいいですか?”という質問をもう既にしたということ。

'You may ask me one more thing, however.'
(でも、もう一つ聞いてもいいですよ) と言っていました。

「質問してもいいですか」がカウントされるなんて
英会話のジョークでたまに見かけるやり取りです

今回紹介したシーンは12章の終わりに登場します♪

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