釣った魚に餌は、と勘違いの男性に「思い出深い家も、産んで育ててくれた親も、今日までの経歴も全て捨て、人生を賭して貴方を支えていこうと決意した女性を何故大事にしない。人の人生を軽々しく扱っちゃあかん。男性は重大な責任がある。人は自分以外の人の人生は歩めん。が、女房との歩みは別」と。
洗脳の様に親から「一流大、一流企業」と言われ続けた青年が就職で初の挫折、で寺へ。「印象派ゴッホの作品に『ひまわり』がある。がその被写体には何の意味も。薔薇でも、百合でも。大事なのは技法だ」「わかった。畑だね」と。「そうだ。畑なんかどこでもいい。その畑で君が何を育てていくかだ」と。
結婚を両家の親に猛反対されている若者が「諦めた方がいいですか」と寺に。「なら止めたら、と言ったら諦めるの。2人顔を揃えてここに何しに来た。親を説得するにはどうしたら、と何故聞かん。そんなところじゃないか、親が反対する理由は。自分達の人生を他に委ね、現実逃避する者に将来はない」と。
檀家娘が「家族問題に対し母親が『私はもう知らん。後は死ぬだけや』と投げ遣りな言い方を。情けない」と涙を。「それはお母さん、少し可哀想かな。若い時に背負えた荷物が、今は背負いたくても背負える気力も体力もないんだよ。そんな風に思わんでやって。家族の幸せを考えない親なんていないよ」と。
20年振り街で知人に。「コックの仕事でアジアの国々を点々と。外からこの国を見ると、何と恵まれた国かと。外国では薬一つ選ぶにも選択肢がない。それしかないから何とか工夫するしか。日本は金さえ出せば何でも。今この国は工夫して活かす必要のない国に。いざ、という時、乗り越えられる力が」と。