「詩吟はいつから始まったの?」という質問を受けるが、
幕末の漢学塾で漢詩や論語を素読する際に、塾生が適当な節をつけて
朗読したことに端を発したと聞いている。
確かに節を付けると、難解な漢文・詩文が身近になり、それぞれ覚えやすかったであろう。
子供の頃見た映画に桂小五郎が京で新選組に襲われた時に鞍馬天狗が白馬に乗って、
さっそうと助けに来る場面に胸躍らせたものである。
確かに思い出すと、その映画では、「鞭声粛々・・・」と吟じていた場面があった様な気がする。
各地の塾でばらばらだった流派を纏めた大正昭和を代表する吟詠家の一人が木村岳風師で、
公益社団法人日本吟道学院の祖である。
満州事変から太平洋戦争までは青年学徒の士気を鼓舞する目的で広く詩吟が奨励された様である。
第3回はここまでです。