JUNSKY blog 2015

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「偽装請負」についての朝日新聞やNHKなどのキャンペーン

2006-08-01 15:53:38 | 雇用・労働
JMIU(全日本金属情報機器労働組合)・博多協議会よりメールを頂いたので、ブログを見てみましたところ、重要な内容が掲載されていましたので、一部抜粋して転載します。
リンクアドレスを書いていますので、アドレスバーにコピーして見てください。

なお、メイン・ページは、http://blog.goo.ne.jp/jmiufk です。クリックするとつながると思います。
抜粋には、文字フォントの色や大きさの強調はありませんが、元のブログ(数回分)ではわかりやすくなっています。

以下、一部抜粋
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7月31日「朝日新聞」一面トップに、イスラエル・レバノン戦争を押しのけて
「偽装請負」 の記事が、一面の半分以上を使って報道されている。
主な見出しは、こうだ

大見出し【偽装請負 大企業に横行】
中見出し【低賃金、安全責任あいまい】【法に抵触、実態は派遣】
小見出し【多くは若者】【死亡事故も】

 そして、これまでは公表を避けてきた企業名を、日本経団連会長を出しているキャノンを筆頭に日立、ニコンを始め列挙している。

 光洋シーリングテクノの名前も見られ、一面の下段の方に、矢部さんを始めJMIUの仲間が偽装請負を告発して、組合を結成して立ち上がっていることも紹介していた。
 さすがに、「JMIU」という固有名詞は使ってはいなかったが、労働者のたたかいをいよいよマスコミも取り上げざるを得なくなってきたようである。

 朝日新聞は、2面の「時時刻刻」でも、派遣法の改悪の変遷と請負・派遣の急増ぶりをグラフで示し、詳しい解説を加えている。

 27面 (いわゆる3面記事)では、偽装請負で働く労働者の「密着レポート」で、生々しい生活実態を伝えている。
ここでも「年収2百万円」が合言葉のように書かれていた。

 この記事が、徳島で開催された「偽装請負を告発するシンポジウム・激励集会」の翌日に報道されたということは、偶然の一致ではないと思う。

 これだけ大きなスペースを使って報道された背景には、徳島の集会の大成功があったからこそ と思う。
 JMIU徳島地本からは、朝日新聞はメーデーの頃から密着取材を始めていたという情報がよせられた。

http://blog.goo.ne.jp/jmiufk/e/baebeac7236827ad91f0bc2bdc6b9755


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 朝日新聞の記事では、偽装請負と派遣の違いについても別にコラムを設け解説している。(下記をクリック)
 これまで、全国紙では唯一「赤旗」だけが報道し、労働組合の機関紙や街頭宣伝での配布ビラなどでしか伝えることができなかった 「偽装請負」や非正規雇用の問題が、ここまで大きく取り上げられる
ようになったのは、昨日も書いたように、徳島地域支部をはじめとする、全国のJMIUの闘いが共感を広げてきたからであると思う。
 今回、朝日新聞で名前が出た多くの職場は、JMIUの組合が、旗を掲げているところであることからも、それは確認できる。

 これを一つの足掛かりに、組合への加入を進める活動を強める必要がある。
朝日新聞を見ただけでは、JMIUについての認識が広がる訳ではないので、この記事を活用しつつ、この情勢を切り拓いてきたのがJMIUであると知らせてゆかなければならないと思う。

http://blog.goo.ne.jp/jmiufk/e/dceec278b61d1ab277918ee0a7fe41ee

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7月31日の朝日新聞朝刊の記事を受けて早速成果が出た。

キヤノン、偽装請負一掃へ
 数百人を正社員に
7月31日の朝日新聞朝刊の記事で「偽装請負」という違法行為を指摘された、日本経団連会長を送り出しているキャノンでは、
その日のうちに偽装請負の派遣労働者 数百人を正社員にすると発表した。

「企業コンプライアンス」(企業は法律を守らなければならないという宣言)を主張している会社だけに、自らの違法行為に目をつむる訳には行かなかったのであろう。
「日本経団連会長を送り出している会社が是正を図った」と言うことは、私たちJMIUの闘いの成果として、大きな意義がある。 

 全国で労働者と労働組合による「コンプライアンス遵守の要求」を強め、これを無視する場合は告発する、という運動をを強めれば、大きく前進できる可能性が開けてきた。
朝日新聞も「全体のごく一部」と指摘しつつも「財界トップ企業の偽装請負解消へ向けた取り組みは、他社にも影響を与えそうだ」と書いているように、「正社員化の流れが広がるかどうかは」今後の労働者の活動に掛かっている。

http://blog.goo.ne.jp/jmiufk/e/1c4f8a3250820cbcf5bd1aa66caf4cff


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8月1日付けの朝日新聞は、前日の「偽装請負」に引続き、世界的企業である松下電器産業の最も売れ筋商品であるプラズマテレビをつくる「松下プラズマディスプレイ(MPDP)」が、違法性の高い「大量出向」を行なっていた事実を報道した。
「プールの排水口に女児が引き込まれて死亡する」という痛ましい記事を抑えて、TOP記事に。
 朝日新聞のこの問題に対する断固たる姿勢が現れているようだ。

請負会社に大量出向
 違法性回避策?

 複雑な脱法行為を行なっているようなので、すぐには理解が難しいが、昨年7月の労働局の指導で「偽装請負」から派遣に変更したが、今年5月から再び請負に戻し、違法性を回避するために、松下社員を下請けのパネル製造会社に出向させて『指導』させている、ということのようだ。
 そこまでしてでも安価な労働をさせるというところに「ルール無き資本主義」の貪欲さが現れている。

http://blog.goo.ne.jp/jmiufk/e/52612d3603d3248f1445f717f31d4963


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一方、日経新聞では、これに先立つ6月12日付けで、
『IT業界のコンプライアンス診断』
と題して、偽装請負が罰金百万円の違法行為であり、
【最近のコンプライアンス(法律遵守)に対する社会全体の動きを見れば、「赤信号みんなで渡れば」という甘い観測をそろそろ捨てる時がきていると思われる。】と指摘している。

http://blog.goo.ne.jp/jmiufk/e/4a68a9e196a6a123cb4542ecb2f982ec


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先日7月23日の「ワーキング・プア」の実態を生々しく伝えたNHKの努力をはじめ、
4月12日の光洋シーリングテクノで偽装派遣と闘う仲間をレポートした「生活ほっとモーニング」など、
労働者の闘いが少しづつではあるが、マスコミを動かし始めている。