JUNSKY blog 2015

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「私たち、日本国憲法の味方です!」(藤原紀香)-3

2006-08-27 19:07:32 | 憲法
写真は藤原紀香さん(ネットより画像を入手)

藤原紀香さんが、自民党から担ぎ出されないように、護憲派の声を送りましょう。

藤原紀香さんが開いている公式ホームページ Norikanesque では、入会者以外のメールも受け付けているようです。

下記のリンクを開くと、メール送信フォームが表示されますので、必要事項をご記入の上、各自要望をお送りください。
Norika Fan Mail

また、「九条の会」の井上ひさしさんや呼びかけ人の方々にもメールを送りましょう。
「九条の会」の公式サイトのリンクは、このブログの左側サイドカラムのブックマークのTOPに入れていますが、便宜のため下記に再録します。

「九条の会」の公式サイト

「九条の会」のメールアドレス :mail@9jounokai.jp 


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「私たち、日本国憲法の味方です!」(藤原紀香)-3

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映画「ユナイテッド93」をみて

2006-08-27 00:37:26 | 映画レビュー
見てきました。

いわゆるネタバレ的なことも書きますが、落ちの付いた映画ではないので許されるでしょう。

ドキュメントムービーと言えるでしょう。
 映画に描かれている『機内の状況』は、全て再現映像ではありますが、乗客や乗員が家族に電話した記録や管制塔の記録などを元に再現しているので、臨場感(というような表現が許されるかどうか解りませんが)があります。
 幸せな旅行が、ハイジャック犯の決起の瞬間に地獄図に変わる。
いつ起こるか解らない状況が恐怖を誘います。

 日本公開が1週間前の8月18日前後ですので、ちょうど英国からアメリカへ向かう新たな同時多発テロが事前に発覚した直後とあって、時期的にもタイムリー(と言って良いのかどうか)でもありました。
 この映画を見てしまうと海外旅行を躊躇したかも知れません。特に米国方面への旅行者には刺激が強いでしょう。

 乗客は、最初はハイジャック犯を怒らせないように、刺激することを避けていますが、言葉の障壁をまさに壁にして、一人またひとりと機内電話や携帯電話で家族に電話し始めます。

 TVニュースを見ていた家族達から電話で、WTCツインタワーとペンタゴンに飛行機が突入したことを知らされ、乗客たちの恐怖は頂点になります。
 そこで、勇気ある一人が、「この飛行機は自爆テロに使われる。彼らと闘おう。人数はこっちが多い」と言い、これを伝言ゲーム式に伝えて行きます。CA(スチュワーデス)に武器になるものを集められるだけ集めてくれと頼むと、CAは熱湯、ワインボトル、消火器、機内食用のナイフやフォークを用意します。
 ナイフやフォークは主な乗客に配り、屈強な男性達がハイジャック犯に立ち向かいます。
 パイロットや副操縦士は既に殺され、操縦できるのは乗客の一人の単発機を昔操縦していた老人のみ。 しかし、彼も操縦を決意します。
 そこから、操縦席奪還の闘いが始まるのですが、機外の状況も含めて極めてリアルに描かれます。
 奮闘むなしく、農地に墜落する様を操縦席から見た位置で映し出し、音も映像も全てが一瞬に消滅して映画は終わります。

 そしてエンディングクレジットが延々と続きます。

 キャストの紹介では、当然乗客乗員は全て別の人が演じているのですが(全員死亡)、管制塔の職員などの配役に“As Himself”という方が少なからず居ました。 この映画の意義に共感して自ら再現映像構成に協力したのでしょう。

 映画の中で、航空局は当然空軍の支援を求めるのですが、責任者がすぐに捉まらないなど、危機管理に重大な欠陥があったことがリアルに描かれていました
 管制塔では何機ハイジャックされたか解らない状況に対し、不振な動きをしている機体をリストアップさせホワイトボードに書かせるのですが、十数機に及ぶ事態に。
 これに対しスクランブル発進に応じることができた空軍機は僅か4機。少し遅れて非武装の2機が追加されただけ。

 アメリカ東海岸全体が危機的状況になっているのに、防空体制は僅かこれだけ。ミサイル防衛システムを声高に日本に売り込んでいるアメリカ政府は自国の首都の防空体制も取れていなかった訳です。

 そして、一機が(これが映画の中心である「ユナイテッド93」なのですが)ワシントンに向かっているという情報に、空軍は大統領に『撃墜』の許可を得ようとするのですが、大統領はエアフォースONE(AF1;大統領専用機)で飛び立ったという事態。英語でも字幕でも「大統領は逃げた」となっていました

 自ら先頭に立って指揮するべき大統領が逃げた!
 そして、その後はアフガニスタンやイラクへの無法な無差別爆撃を『命令した』ブッシュ大統領その人のことです。

 無責任な大統領や、無能な空軍に頼れない乗客たちは、自らの智慧と勇気で反撃を行うのです。反撃に立ち上がるとき「さあ、行こう」と言ってから、しばし無言の時間が経過するのは、一点の躊躇とそれを克服する過程を描いているようで、まさにリアルでした。
 
 映画の時間の経過は、一部を除いて殆どリアルタイムの経過をたどっているようです。93便が離陸するのが、映画開始から約30分後。離陸後ハイジャック実行までさらに30分位、そして墜落の暗転で終幕を迎えるのが100分後。

 映画には、何の解説もナレーションもありません。現実が粛々と進行してゆきます。政府批判もハイジャック犯批判も行われません。
 全て視聴者に委ねられています。

長々とかいてしまいました。最後までお読み頂きありがとうございました。