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電気自動車はCO2削減の救世主たりえるか?

2009-06-13 10:24:22 | TVレビュー
2009年6月13日(土)

NHKが経済番組で三菱自動車の宣伝役を買って出て・・・

 今朝のNHK「経済ビジョンe」で、三菱自動車が近々500万円を切る価格で、主として法人向けに売り出す【電気自動車】を紹介していましたが、むしろ宣伝番組のような扱いでした。

 リコールの隠蔽やデータ改ざんや偽装などの相次ぐ不祥事を起こしたことには、一言さらりと触れただけで、ほとんど三菱自動車が販売する予定の電気自動車を礼賛して売上げに貢献するようなものでした。

 番組に出演した三菱自動車の幹部は「走行中に一切二酸化炭素を排出しません」と自慢していました。
 家庭用電源からの充電ではフル充電までに14時間もかかるということです。

 しかし・・・

 今は、電気自動車が極一部に普及しているだけであるから大きな問題は起こらないでしょうが、10年程度のスパンの近い将来に相当数の電気自動車が普及したとするとどうなるでしょうか?

 それでなくても、今でさえ夏場の冷房需要などによって電力不足が言われているのが実際の処です。
 1日14時間も充電する必要のある負荷が何百万台も普及すると、どれだけの電力需要が発生することでしょうか?
 今の、マスメディアでの『電気自動車=救世主』?論議の中で、この点を指摘している人は見当たりません。

 リチウム電池をはじめ蓄電池技術の発達には素晴らしいものがありますが、だからといって、電気自動車の普及の上昇角度に匹敵するだけの電池の効率向上は難しいでしょう。何故なら、既に蓄電池の効率は相当程度良くなっているのですから。
 どのようなものでも最初の導入時は急角度で向上しますが、一定程度まで進むとそれからの向上は漸増曲線にならざるを得ないのが常識です。
 電気自動車の普及はこれからですから、急速な上昇曲線で普及するでしょうが、蓄電池技術はある種のピークに達してしまっているので、これからの改善は漸増となるでしょう。
 すなわち、電気自動車普及による電気消費量は蓄電池技術の改善では賄えないということになります。
 結局、化石燃料を燃やして発電量を増やすとか原子力発電所を増設するとかとならざるを得ないでしょう。

 これを解決するためには、太陽光や風力、小規模水力など自然エネルギーで充電することですが、14時間もかかるような電力を供給することは今のところ不可能でしょう。
 その上、これらの小規模発電所は、電気自動車を持つ全世帯に普及しないことには意味がありません。

 そういう問題点を考えないで、三菱自動車の宣伝に化してしまったNHKの報道姿勢には疑問を挟まざるを得ません。 

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