参議院で野党が否決した対決法案(悪法)を 衆議院による2/3以上の多数決で再議決するという『伝家の宝刀』とマスコミが称する『憲法上の』手続き(第59条)が、今国会では17回も適用されたのだと言う。(朝日新聞報道)
しかし、この2/3以上の多数決という手法は虚構の議席の上に成り立っているということを言わなければならない。
第一に、この2/3以上の与党(自民党・公明党)の議席は、今ではその政策の誤りが国民生活のありとあらゆる場面で現われ、官僚による違法行為まで生み出している「郵政民営化」というマスコミにバックアップされた『小泉劇場』の詐欺的手法によって得られたものであると言うこと。
第二に、この2/3以上の多数の議席による『オールマイティ』の呪縛に捉えられて、小泉に続く、安倍、福田、麻生まで4代に亘り、解散総選挙をする勇気も無いのに(すなわち2/3を失うことが確実なので)、その議席を自らの力と錯覚して悪法を通し続けている。
第三に、総選挙で国民の信を問うことのないまま、歴代政権が通してきたイラクへの自衛隊派遣を含む対決法案も当然国民の信を得ていないということである。
そういう虚構の内に成り立っている現政権は3ヶ月以内に行われる総選挙で打倒しなければならない。
しかし、これに代わろうとする民主党も憲法改悪・消費税等では、結局自民党と同じような政策を取っている。
日本共産党の志位委員長は演説でこう語っています。
古い枠組みの中での「政権選択」でなく
21世紀の日本の進路の選択が問われる
この選挙は、「自民か、民主か」の「政権選択」の選挙だと、よくいわれます。しかしこの二つの党は、21世紀の日本の「進むべき道」について、国民の前に示す「旗印」があるでしょうか。
自民党は、この日本の進路をどうするか、もはや何の「旗印」も示すことができません。自民党の国会議員の中からは、「わが党には掲げるメッセージが何もない」「旗印がない。あるとすれば白旗だけだ」といった嘆き節が聞こえてくるだけです。
民主党は、「政権交代」を一枚看板にしています。それでは「政権交代」をして何がしたいのか。「官僚をやっつける」といいます。それでは「官僚をやっつけて」、この日本をどうするのか。日本経済をどうするのか。日本外交をどうするのか。「民主党政権」が何をめざし、どういう日本をめざすのかは、さっぱり見えてきません。
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第59条 法律の成立と衆議院の優越
(1)法律案は、この憲法で特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
(2)衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院議員で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
(3)前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
(4)参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律を否決したものとみなすことができる。
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17本の法律生んで…再可決、これで見納め?
朝日新聞 2009年6月20日10時44分
「ねじれ国会」で与野党対決の象徴となった、衆院の3分の2以上の多数による再可決が見納めになりそうだ。延長国会で与野党対決の焦点だった重要3法が19日、再可決で成立したためだ。
05年の「郵政解散」に伴う衆院選で、与党は3分の2を超える議席を獲得。一方、参院では07年の参院選を経て野党が過半数を占め、ねじれ国会になったため、再可決が使われるようになった。
福田政権(当時)が世論の批判をおそれながらもこの手法を使ったのは08年1月。インド洋での給油再開のための補給支援特措法だった。その後、ガソリン税の暫定税率、定額給付金など与野党対決のたびに使われてきた。19日までに計12回再可決し、17本の法律が成立した。
国会の会期は7月28日まで約1カ月を残すのみ。来週、参院で審議入りする臓器移植法改正案は各党が党議拘束をかけないため、参院で否決された場合には衆院で3分の2以上の賛成を得るのは困難とみられている。
政府・与党が準備している貨物検査特別措置法案は、民主党との修正協議ができなければ、衆院を通過しても参院でたなざらしになる可能性も。参院に送られて60日たてば否決されたとみなして再議決できるが、会期が足りないため、もうこのやり方は使えない。
公明党幹部は19日、「今日の再可決は『ラスト再可決』だな。次の選挙は与党が3分の2取れないし、こんな衆参ねじれも起きない」と漏らした。