じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

7月16日野洲 久御山 大阪桐蔭 京都橘

2016-07-16 09:23:07 | 高校サッカー

※守備

野洲:ポゼッションサッカーの相手に前線から積極的にプレスをかける。DF井野君25番、よく守ってました。野洲もポゼッションサッカー、ポゼッションサッカーのチームはハイプレスよりもブロックのほうがいいかなと、個人的には思います。

京都橘:こちらは引いてブロックを形成。フィジカルで勝負するチームには見えなかったので、それでいいとは思います。ただ、それでも、寄せをしっかりすることは必要と思います。

大阪桐蔭:自陣でつないでくる相手にGK稲垣君1が、いくな、我慢しろと、前からプレスではなく引いてブロックを形成させ、自陣に入ってこられた時点で奪いに行く、この判断は正しかったと思います。京都橘はポゼッションサッカーではなく縦に速く激しく攻めたてるサッカー。自陣でのつなぎは相手をおびき寄せる罠に見えました。稲垣君のキックの精度も高かったです。ただ、速くプレーするという点では課題として残ったと思います。日本代表クラスのFWは逃してくれませんでした。この日も左MF福島君9が守備で目立つ。後、ボランチの寺元君29番にFW今岡君14も守備で目立ててました。いずれも相手がパスを出した瞬間に動いて奪取できてました。チームとしての守備は、1失点に抑えたものの、GKと最終ラインが合ってない場面もありましたし、ゴール前で完全に崩されてる場面も目立ち、課題が残ったと思います。インターハイ前までとは違うメンバーのため、チームとしてのサッカーがうまくフィットしないのかもですね。インターハイ予選で履正社にやられた時同様、皆がボールに意識が集中してしまってる隙に逆サイドに大きくふられてピンチを拡大させてしまった場面もありましたし、相手とのボール争奪戦が、常に1対1になってしまってたのも、気になりました。

京都橘:前半は4月に見たときほど前から激しくはきませんでしたが、後半に先制点献上して以降は、4月にみたときよりもさらに激しいプレスを相手に浴びせまくり、これがついに同点ゴールにつながる。u19日本代表FW岩崎君7の前線で激しくボールを奪いに行く姿は、恐ろしささえ感じるくらい、素晴らしかったです。ボールの奪い合いで常に数的優位を作っていたのも印象に残りました。

 

※攻撃

野洲:今期も同校の伝統であるポゼッションサッカーを展開、それでいてゴールに対して向かっていく姿勢の強さが、チーム全体として光り、この日の再逆転勝利につながったと思います。例年同様、徹底的にGKからのつなぎにこだわってました。

久御山:こちらもきれいなポゼッションサッカーを展開、相手のプレスの網をよくかいくぐってましたが、ゴールに向かっていく攻撃がなかなかできず、こちらはポゼッションサッカーの泣き所が出ていたように見えました。右MF梅原君9番の突破力が印象に残りました。こちらは野洲に比べれば状況に応じて時には単純なパントキックでくることも。野洲が前からきてたためと推察してましたが、プレスの網をよくかいくぐってましたため、ポゼッションにこだわっても良かったかもですね。でもやっぱセーフティファーストかな?あくまで結果論ですかね?

大阪桐蔭:まず、FW今岡君14の足さばきと強さが印象に。足の太さとしっかりした筋肉が強さを物語ってる選手ですが今期ここまでさほど目立てなかった2年生が、ここにきて覚醒しつつあるのかもと、この日みるかぎりでは感じました。先制点は攻め込まれてからのカウンター、ロングフィードされたボールにFW神埼君8が追いつき相手の戻りが間に合わない間に左MF福島君9や今岡君が走り込みそこに左サイドから神埼君がクロスを上げて福島君がスルーし今岡君が決めたものでみごとでした。本来はつなぎのサッカーが身上の大阪桐蔭ですが、今日は攻め込まれてからのカウンターが目立ち、ボールを奪ってからの速い攻めに光るものがありました。一方、パスサッカーは相手の前線からなど寄せの激しさの前になかなか機能せず、個々に目を移しても、ボールを奪われるシーンが目立ち、激しさを前面に出してくる相手を向こうにまわした時の攻撃に課題を残したと思います。

京都橘:数年前に全国を席巻した時同様、縦に速く激しく攻め上がる攻撃サッカーは健在だと4月に感じましたが、約3ヶ月経ち、特に後半に先制点献上して以降は、さらに迫力が増して見えました。岩崎君はボール持てば即シュートと無理からでもゴールへの高い意識を貫き、岩崎君だけでなくもう一人のFW塚原君11番の選手のスピードを活かした迫力の突破もまた、見応えありました。塚原君が2列目のポジションにさがったりなど、この2トップが動き回り周りもそれに連動する攻撃は、恐ろしくもさえありました。

 

※野洲:かつて全国を席巻したときは、選手のフィジカルもしっかりしたものがありましたが、今季はそこが課題かと、この日みるかぎりでは感じました。前からプレスにいってますが、ハイプレスで勝負できるほどの体がまだできていないため、寄せが甘くなり、2失点につながって見えました。往年のパスサッカーは健在、しかもゴールへの意識は高い。攻撃のレベルは高いと思います。

 

※久御山:こちらもフィジカルが課題に見えました。引いてブロックを作っても、フィジカルが足りてないため寄せが甘くなり、それが3失点につながっているように見えました。こちらも、全国準優勝した頃のパスサッカーは健在。攻撃には見るべきものがありました。

 

※大阪桐蔭:インターハイ前までとは違うメンバーでやっていたり、本来2列目の選手が最終ラインの一角になっていたり、本来SBの選手がCBやったりとポジションが本来と違う選手も何人かいたせいか、チームとしてのサッカーが攻守に合ってない場面が目立って見えました。例年、同校はインターハイ後にこうした傾向がありますが、今季はインターハイ逃したせいか、その傾向が早めに出て見えました。みるかぎりこの日のメンバーは、3年生5人、2年生4人、1年生2人のスタメンに見えましたが実際は?インターハイ出た年は何故かその後失速する傾向にある同校ですがインターハイ逃した今季はどうか。前回逃したときは、冬の選手権で仰星にPK戦で敗れるも良いサッカーを見せてくれ、プリンスリーグを制しあわやプレミアというところまでいきました。今期も現状、下級生中心にそれまでと違うメンバーを積極起用するなど現状試行錯誤の最中に見え、この日も強敵相手になんとか引き分けるも内容的には1-5くらいで負けててもおかしくありませんでした。この日を最後にまた8月20日まで空きますので、この日久しぶりに観られてよかったです。今後輝けるかどうかは、8月にどうなってるかである程度分かるのではと思います。インターハイ前までの主力ではCB田村君、ボランチ仲田君あたりが出ておらず、田村君はみるかぎりベンチにも入っていない。二人とも本来は主力かと思われるだけに、諸々大事なければと思います。

 

※京都橘:4月よりも縦に速いフィジカルサッカーの激しさが増して見えましたがこの日は暑さのせいか前半はやや抑え気味にも映る。90分間通して持ち味であるハイプレスサッカーを貫いていれば、相手の崩れぷりからしても違う結果を生み出せたかもですが、一方でこの暑さ、スタミナの消耗などで悪い方に出たかもで難しいところですね。決してパスサッカーではない同校のパスサッカーが逆に相手に突かれる要因になっていましたので、そんなことも思いながら見てました。4月に見てその体格が印象に残ったGK矢田川君1,ゴールキックよく飛ばしてました。攻守に終始相手より勝った豊富にも程がある運動量には感心しました。インターハイではきっと勝ち進むことでしょう。

 

以上です。