じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

夏の全国高校野球大阪府予選展望

2017-06-28 14:38:14 | 高校野球

※優勝候補

本命:大阪桐蔭、履正社

対抗:大体大浪商、近大付

大阪桐蔭:守備走塁が決め手のチーム。坂之下、泉口、藤原、根尾など個々のそれらで圧倒する場面が多く出れば出るほど、春夏連覇への挑戦権ゲットへの道が近づく。逆にベンチワークを駆使したそれらが増えれば増えるほど苦しくなる。夏の酷暑の中、そうした野球はチーム全体のスタミナの消耗を加速させるおそれがありますし、どのチームも成熟する夏は、そうした野球への対応力も高くなっていることが考えられるため。

履正社:高校時代の藤浪大谷、昨年の作新の今井などの超高校級の投手がこないかぎりはどこが相手でも4,5点は奪って見せますという秋の打力を安田、若林らを中心に発揮できるかがカギ。それができれば秋の頃のような単独本命になりうるポテンシャルを秘めていますし、できなければ対抗になり下がる危険性も併せ持つ。これがなされたうえで、エース右腕竹田、同じく右腕の田中ら投手陣が点はとられどゲームは壊さぬ踏ん張りを見せることができるかどうか。ここは骨のある打線を誇る相手との戦いをどれだけ避けられるかといったくじ運も大事になってくるかもしれません。

大体大浪商:宮本、田村のW左腕が売りのチームだがカギを握るのは大きくて雰囲気を感じさせる体格をした選手が多い野手陣。春の戦いを見る限り打率を稼げる打線には見えなかったのと先に書いた体格などの特徴から、ここぞの場面での効果的な長打でいかにW左腕の負担を軽減するかが、牛島ー香川のバッテリー以来の38年ぶりの夏へ向けての行く末を左右するかもしれませんね。大阪桐蔭には秋の練習試合で大勝、春季大会で敗れるもエースをたてるなどベストメンバーで臨んだ相手に、エース宮本をラスト1イニングのみの登板にとどめて善戦しており、負のイメージがなさそうなのも強み。

近大付:上記3校は優勝候補に名前が上っている学校だが、ここではプラスこの学校を推したい。一冬越して一回りも二回りもビルトアップして見えた体つきに感じるものがあったため。春は冬の間に鍛え上げて築き上げた体を活かす術のところまでいけてないように見え、それが秋同様、打線に課題を残す結果となったが、打線が覚醒し、注目の2年生左腕大石と右腕千代を支えることができるようになれば、9年ぶりの夏の期待も高まってくるものと思われる。

 

※ここからはゾーンごとに見ていきたいと思います。

北地区

万博:好左腕を擁し秋ベスト8進出。大阪桐蔭とも対戦し21世紀枠に推されるのでは?とも言われた北野が入ったゾーンは他、枚方津田にも注目が集まる。今年はどんな野球を展開してくるのかわかりませんが、例年、スモールベースボール、で時に強豪校を追い詰めることもあるだけに、ともに勝ち進めば3回戦でぶつかることになるこの両校による、公立同士のさわやかな戦いに注目が集まることも考えられる。

箕面東が入ったゾーンは同校を中心に毎年、きっちりとした野球を見せる学校が揃った感があり、混戦も予想される。

大阪桐蔭は序盤のクジには比較的恵まれた。まずは順当にゾーンを勝ち抜けるかと思われます。

太成学院が入ったゾーンは素直に考えれば同校がゾーン勝ち抜けの一番手。だが牧野、豊中、交野など力のある公立が同居し、混戦になることも予想される。

昨夏府予選ベスト4の関西創価は今年も投打にバランスが取れている。だがもし初戦の相手が香里丘になれば、春に近大付属打線を3点に封じ込めたディフェンス力を誇るだけに予断を許さない。大阪学院もこのゾーンに同居し、波乱の展開も予想される。

南港中央、花園:関大一―桜宮は初戦の好カードのひとつではあるが春に上宮太子相手に敗れるもスコアメイクは出来た大阪国際大和田、他の2校も毎年、やる、イメージのある学校なだけに、これらの学校がゾーンを勝ち抜けても不思議ない、予断を許さないゾーンである。

春、上宮、大阪偕星と接戦を演じた大阪、同志社香里が入ったゾーンもその他の学校も含め、どこが出てきても不思議ない混戦ゾーン

履正社も序盤のクジには恵まれた。まずは順当にゾーンを勝ち抜けるかと思われます。

好投手を擁する四条畷は秋に上宮太子相手に善戦。毎年力があり、時に強豪私学を食うこともある高槻北との初戦もまた、注目されるカードである。

豊中、シティ信金スタ(舞洲):春の府大会3位、近畿準Vと躍進した東海大仰星は河地、笹垣の両2年生右腕を中心に投打にバランスが取れており、夏の大阪を戦い抜く陣容はそろっている。だが同じゾーンには公立では屈指の実力を誇る大冠が入り、ともに勝ち進めば3回戦で激突。予断を許さないクジとなった。

春に箕面東との点取りゲームを制し、関西創価とも接戦を演じた茨木工科にも注目、2年前の夏に観戦した際もなかなか質の高い野球をしており、それがしっかり受け継がれているものと推察される。

今季ここまで公式戦全試合で4点以上を奪っている箕面学園の攻撃力は脅威。今大会の引っ掻き回し役としての期待がかかりますし、投手次第では優勝候補に浮上する可能性も秘める。初戦の相手は早稲田摂陵、この勝者が好投手がいるらしい槻の木との対戦となるこのゾーンも、注目の一つと言える。

今季公立の中では最も甲子園の可能性を感じさせる汎愛は武仲、羽田野の左右の両輪に野手陣も力があり、投打にバランスが取れており、夏の大阪を戦い抜く陣容はそろっている。序盤のクジには恵まれただけに、まずは確実にゾーンを突破し、強豪との戦いに備えたい。

ここまで3期連続して大阪桐蔭と対戦中の関大北陽、同じゾーンには金光大阪が入り、ともに勝ち進めば3回戦で戦うことになる両校だが金光大阪の初戦の相手は秋ベスト8で21世紀枠候補にもなった池田、公立校らしく工夫を凝らした攻撃が持ち味で、強豪私学相手に勝利する可能性も十分に秘める。

強豪私学の一つである大産大附であるが今季はここまでパッとしない。昨年度21世紀枠候補にもなりかけた大教大池田などと同居したゾーンで、まずはゾーン勝ち抜けを狙いたい。

 

南地区

住之江:春、2年続けて大阪桐蔭と投手戦を演じた上宮と今春近大付と点の取り合いを演じた清教学園が初戦で激突。注目のカードの一つである。上宮は昨春大阪桐蔭打線を封じた左腕巻、今春大阪桐蔭打線を封じたサイド右腕人見の2枚看板が売り。

大阪偕星は秋は大阪桐蔭と接戦を演じるも春は同校に大敗。眠れる獅子が目を覚ますのか否かにも注目が集まる。

南港中央、花園:投打に注目選手を擁する興国は東大阪大柏原と同じゾーンに。ここをスコアメイクして勝ち上がることができれば、優勝候補に浮上する可能性も秘める。

秋4位の初芝立命館も投打にバランスが取れた戦力を誇る。初戦の相手は八尾、さらには春に箕面学園と点の奪い合いを演じた三国丘も同じゾーンに入る。

上宮太子は秋の大阪を制し夏も府予選4位と安定した戦績をここまで残している。だが同じゾーンには例年きっちりした野球を展開するイメージのある学校がそろい予断を許さない。打線が秋のようなしぶとさを発揮できればスムーズにゾーン勝ち抜けできそうだが、春のように打線が湿りがちだと波乱の展開もありうる。センバツまであと一歩と迫りながら地域性の壁に泣いた悔しさを晴らせるか否かは、打線の復活と本格派右腕森田以外の投手の働きがカギとなってくるであろう。

久宝寺、シティ、信金スタ(舞洲):優勝候補の大体大浪商は序盤のクジには比較的恵まれた。まずはゾーン突破は果たせそう。

本誌優勝候補推薦校の近大付は、その評価が本物か否かを計るにふさわしいクジを引いたといえる。初戦の相手は大商大堺、さらには同じゾーンにここ数年強豪私学への道を着々と歩んでいる大阪学芸も同じゾーンに入る。このゾーンをしっかりとスコアメイクして勝ち上がることができるようであれば、いよいよもって期待感も膨らむということかと思われます。