朝日新聞を読む
元日の朝日新聞一面を読んで思った。民主主義がソクラテスを殺した。こんなことがよみがえった。今、また民主主義が先進資本主義国を代表するアメリカを殺そうとしている。民主政治が最も進んでいるイギリスが民主主義によって殺されそうになっている。そのような危機感が朝日新聞を埋めていた。同時にこの記事には新しい年への展望がない。ポピュリズム、デマゴギーに流されていく世相を嘆き、手をこまねいているだけである。新聞の使命を忘れた論評である。
ソクラテスを殺した民主主義はデマゴギーだった。アメリカの民主主義を殺そうとしているのはポピュリズムだと朝日新聞記者は主張している。アメリカに蔓延したポピュリズムが新アメリカ大統領トランプを出現させた。イギリスのポピュリズムがEUからイギリスを離脱させた。
ポピュリズムはデマゴギーだ。大衆に迎合した結果が、トランプの出現であり。イギリスのEU からの離脱という結果を招いたのだと主張している。ポピュリズムは大衆に追従することであり、大衆に迎合することだ。ポピュリズムによって民主主義は崩壊していくと危機感を述べたつもりになっているようだ。
沖縄、高江では、オスプレイのヘリパッド建設を止めてくれと、高江の住民を中心に沖縄県民が基本的人権の尊重を求めている。ここにはまさに民主主義実現を求める営みがあるが朝日新聞は報道しない。オスプレイが名護市安部(あぶ)の海岸付近に墜落した。この事実を政府が「不時着」と言うと朝日新聞も墜落を「不時着」と表現し、報道した。これが民主主義なのか。オスプレイは運転が可能だったため、海水に不時着したのか、それとも運転が不可能となったため海岸付近の岩礁に墜落したのか。オスプレイは運転ができなくなったため、海岸付近の岩礁に墜落した。朝日新聞がオスプレイの墜落を「不時着」と報道したことは政府発表に迎合したプロパガンダをしたのだ。
政府広報機関であることを朝日新聞は紙面をもって表明した。政府広報新聞がポピュリズムを批判する。これは自分が自分を批判し、笑うことでしかないだろう。朝日新聞自身がポピュリズム、デマゴギー宣伝の機関となっているのだ。
メディアがデマゴギーをプロパガンダするようになると独裁政治が出現する。民主主義を破壊する独裁主義、ファシズム、ナチズムが生まれる。このような経験を人類はしてきた。ドイツの民主主義、ポピュリズムがヒトラーを生んだ。合法的な手続きによって民主的に独裁者ヒトラーが誕生した。このような言説が流布している。この言説には嘘がある。謀略事件、国会放火事件を起こし、ドイツ共産党の仕業だと報道し、言論、報道の自由を奪う緊急大統領令を発布し、選挙し、その結果ナチ党が多数を占めた。その上で突撃隊に包囲された中で全権委任法は成立した。全権委任法(授権法)は自由な状態の中で成立した法案ではない。ヒトラーは民主的に選出された首相ではない。緊急事態状況を作り出し、その中で民主的な状況のない中でナチスの独裁が実現した。
朝日新聞は政府におもねることなく、沖縄の現実の事実を事実として報道してもらいたい。またポピュリズムに迎合することなく、新聞の使命を自覚してもらいたいものだ。