2月の初めに,少し前に撮影してフェイスブックに投稿したアパートの住所位置を教えてという依頼があって,「あっ,あそこね。すぐに分かるから,次の自転車の散輪の時にそこに行って確認しよう」と,気軽に了解の返事をしました。この古い無人のアパートです。
探索の1日目に,目当ての場所に行くと,そこは老人会のゲートボールの広場でした。「記憶と違う!」と,その周辺を渦巻き状に範囲を広げながら探索。でもそのアパートには出会えず,また次回に探すことにしました。
雨の日もあり,間を置いて探索は3回しました。それとは別にインターネットのグーグルマップの航空写真やストレートビューでも,目当てのあたりを何度も拡大して調べました。ストレートビューでは,やり過ぎで車酔い状態にもなりました。
その度にここ3年間の石神井を中心とする周辺の記憶の地図は,ジグソーパズルのように切れ目が入り,バラバラになっていきました。
可能性のある場所は狭い範囲内なので,これだけ探しても見つからないと,まるで動いて逃げ回っているようなアパートのイメージです。軽いパニックとなり,いつもの散輪より時間を増やして走り回りました。
「この道の分岐を右じゃないよな」などと,意識すればする程,何度も通った道に戻ります。そして,ついに諦めました。「アパートのことを忘れた頃にまた出会うだろう」と。
それから一か月後,昨日の朝,ついにその通りになりました。その存在をすっかり忘れていて,自転車で吉祥寺方面から荻窪方面へ,そして石神井へ戻るコースで,このアパートに!
ああっ,久しぶりの達成感! 逃げ回っていた獲物を捕まえたようで,気持ちがすっきりしました。帰宅後,この住所を打ち込んだグーグルマップのストレートビューでも確認し,満足の余韻を味わえました。
今回のうまく探せなかった原因は,私の自転車の散輪の走り方にあります。「できるだけ前と同じ道は走らない。自転車でまだ通ったことのない道を選んで走る」という目的地のない,道の分岐点でその都度方向を変えての走行なので,記憶の地図がうまく整理されていないためです。でも,だから,飽きないで毎朝走ることができるのだ!