8月
サンゴバナ
オシロイバナ
タチアオイ
サルスベリ
デュランタ
大葉
8月の暑さは酷かった。
7時から30度で、曇天は4日、その間だけ草取りをした。
昆虫シリーズに入れられなかった蜂の話。
1)サンゴバナの緑の葉の上に、丸い蜂が蹲っていた。
近付いて見ると、後ろ足2本の付け根に、花粉を通常の2〜3倍くっつけ重くて
動けないのだった。余りに面白く、何度も見ていたら、撮るのを忘れていた。
題名は〈ト、飛ベナイ〉
2)淡い黄色のタチアオイの花の中央に、丸い蜂が、長々と寝そべっていた。
確か仰向き状態で、後ろ足を揃え、ぐーんと伸ばして、のびていた。
見た事もないポーズだったので、又撮るのを忘れ
弛緩か、硬直かに見えたので(死んでいるのかな)と
花を揺すったら、飛んで行った。
題名は〈花ニ、モタレテ〉
多分21〜22才の頃の事だと思うが、
当時私は下手な絵を描き始めた頃で、歌を歌っている友人が、ある日
(ダ・カーポという歌手がいるが、コンサートをするので
そのポスターを描いてくれないか)と言った。
確か、ポスターとチケットを作ったと思う。
(下手だから、出来ない)と断ったが(あなたの描くものは面白いから)と言われ
動揺し、その頃友人だった夫に文字を担当して貰おうと、出掛けた。
ダ・カーポの男性の兄が、マネージャーでその人から、依頼を受けた。
それから5〜10年後、ダ・カーポが、NHKで歌っていて驚いた。
私と夫は、ずっと、ダ・カーポのポスターを作ったと思っていた。
夫が探したら、(無名な5人の歌手)というポスターだった。
ひょっとしたら、ダ・カーポの最初のコンサートだったのかもしれない。
恐れ多い事である。
私は、絵は10年で、止めてしまった。
詩を書き出したのは、40過ぎである。
「弟!」と呼ぶと
弟が生まれる
「母!」と呼ぶと
母が生まれる
「大型犬!」
大型犬が生まれる
「神!」
神が生まれる
「そして人形の家!」
わたしたちは、皆人形の家にいる
人形サイズで
犬は寝ころび
弟・母・神・わたしで
紅茶を飲んでいる
寛いでいるはずなのに
次第に様子が変になる
弟・母・大型犬・神が
わたしのほうを見て
(おっかさん)
わたしを
(おっかさん)と言いたそうに見て
いる
「解散!」
ほたほたと
弟・母・大型犬・神が消えていき
実物大の家に
実物大のわたしが独り、
蹲っている
〈きれいに始末した〉
秋の虫が
しきりに鳴いている
R2.8.23
先に行って待っているからと逝った人がいる
父は逝った時 首を傾げ
誰かに会えたように目を開き微笑んでいた
待っていると
逝った人々は今どんな姿でいるのだろう
何才でいるのだろう
死の苦しみから開放された人は
白い衣を着て
明るい光の中
草地の野花をつみ
誰かに手向けようと歩いている気がする
花を渡された人も
白い衣を着て
明るい光の中
共にはるか遠くに歩いている気がする
音楽のように歩を重ね
年齢を忘れ
時を忘れ
又 花をつみ
ここへ来る人に手向けようと、
白い衣が円陣を組む
組む時が花をつむ時
大空に衣が散っていく
各々の懐かしい人々に
花を手渡すため
限りなくやさしく
光を纏いながら
R2.7.22