辛い時,気持ちが落ち込んだ時,悲しい時,私はこれをそっと取り出す。
20年以上前の,ある匿名の中学1年生の4月の国語のテスト結果。
野原はうたう
☆教科書の四編の詩をまねて,詩を作ってみよう。
(作者名も考えること。)
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【問題1】
「ねがいごと」編→題は同じで,出だしの言葉を四回繰り返し,
「・・・」とし,「きょうも」の後も自分で考える
〈問題1の詩〉
ねがいごと (おじさん はるか)
よばないで
よばないで
よばないで
よばないで
・・・
きょうも
おやじと
よばれたの
〈教師の評価 ×印〉
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【問題2】
「おれはかまきり」編→「おれは○○」に好きな生き物を
あてはめ,自分のイメージを語って,詩を作る。「ひかっているぜ」
「きまっているぜ」を連の最後に使おう。
〈問題2の詩〉
おれはすしやのおやじ (おやじ りゅうじ)
おうあきだぜ
おれはこのひをまってたぜ
もっとよってこい
おれのすしをにぎるすがた
どこどきするほど
ひかっているぜ
おう売れるぜ
おれはがんばるぜ
もえるひとみで
注文をたのむあのおやじ
わくわくするほど
きにいったぜ
〈教師の評価 ×印〉
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【問題3】
「あきのひ」編→秋以外の季節で考え,「春・夏・冬」で
考えてみる。「〜た」という過去形を使い,「くるくる」の
所も,工夫してみよう。
〈問題3の詩〉
夏のひ (あせ みちこ)
むうん・・・としめきったかぜが
とおりすぎました
わたしはあせを
ふきとりました
ふりかえると
みたこともないおやじが目の前
でにやっとしていました
〈教師の評価 ×印〉
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【問題4】
「いのち」編→「わしのしんぞうは(=わたしの大切なものは)」の
フレーズを使う。最後の二つの文「だから〜いきていくのである」
「だから〜よいのである」もそのまま使う。
〈問題4の詩〉
いのち (中年 だいさく)
わしのしんぞうはうごいている
えいえんにつづく
こどうがわしの手につたわるのである
ふところでどきどき・・・
とてもあきてしまったのである
だからわしは
いっかい
とめてみたのである
だからわしは
なぜか
死んでしまったのである
〈教師の評価 ×印〉
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〈総合評価〉
“C”
〈教師のテスト用紙への添え書き〉
野原に関する動植物で詩を作るのですよ。
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この匿名の人物は,今では私よりずっと仕事で頑張っています。
懐かしいなぁ。このテストもふざけていたのではなかったと思う……。
教訓:自分なりに精一杯期待に添うように努力しても,全く評価されない
ことはよくある。