朝、港を出るときには、冷たい雨がパラパラと降っていた。
もしかしたら、上空では雪なのかも知れない。
「もしかしたら、早めの帰港になるかも知れませんね」
「そうですね。この天気なら仕方ないでしょう」
お客様の塩田さんと、天気を心配しながら船を出した。
裸バエの横に出る前、猪崎鼻の岩場に打ち付ける白波が気になった。
案の定、沖波止を回ったときには、沖から高いウネリが入っていた。
「うわっ、波がある。これは沖に出るのは厳しい」
塩田さんが、いち早く判断された。
「内場に行きますね」
大島の南側のポイントに、船を走らせる。
当然のことだが、ここにも北東からのウネリが入ってくる。
沈み瀬の上では、そのウネリが大きく盛り上がってくる。

周囲には、一隻の船も見あたらない。
波を見ながら、水深50メートルのポイントに船を止める。
「ここから流してみましょう」
ベイトも幅広く映っている。
流し始めて暫くすると、塩田さんにアタリが来た。

最初の引きは強かったが、後は余り引く事もなく上がってくる。

型の良いアカハタだ。
最近は、真鯛のアタリが少ないが、根魚はそれなりに当たってくる。
2匹目のアカハタも直ぐに来た。
アカハタは、群れが固まっていることが良くある。


北東からのウネリに、船は上下動する。
しかし、仕掛け自体は真下に落ちていく。
「潮が動いていない」
知り合いの漁師さんから、教えて貰った情報では「底潮が濁っているから、魚の食いが悪い」との事だった。
底潮が濁っているのが影響しているのなら、この寒波による時化で底から捲り返してくれないだろうか。
そして、新しい潮が通してくれれば、釣果が上向くかも知れない。
潮の色は良いし、期待感を持ちたい。
大島の内場に出てくる船が、少しずつ増えてきた。
私たちも、少しでも潮が動いていそうな場所を探して移動するが、苦戦続きだ。
途中に何度か「当たった」と塩田さんの声がするが、上手く針掛かりしない。
その内、風が北から北西、そして真西へと変わってきた。
雲の流れも、寒波を運んでくる雨雲が、流れてきたようだ。
「船長、潮は動かないし、今日は帰りましょうか」
「そうですね。今日は諦めて、次回に向けて頑張りましょうか」
いつもは凄い粘りの塩田さんだが、動かない潮と、午後からの予想される寒波による時化を前に、帰港する事にした。
「また、頑張りましょう」
もしかしたら、上空では雪なのかも知れない。
「もしかしたら、早めの帰港になるかも知れませんね」
「そうですね。この天気なら仕方ないでしょう」
お客様の塩田さんと、天気を心配しながら船を出した。
裸バエの横に出る前、猪崎鼻の岩場に打ち付ける白波が気になった。
案の定、沖波止を回ったときには、沖から高いウネリが入っていた。
「うわっ、波がある。これは沖に出るのは厳しい」
塩田さんが、いち早く判断された。
「内場に行きますね」
大島の南側のポイントに、船を走らせる。
当然のことだが、ここにも北東からのウネリが入ってくる。
沈み瀬の上では、そのウネリが大きく盛り上がってくる。

周囲には、一隻の船も見あたらない。
波を見ながら、水深50メートルのポイントに船を止める。
「ここから流してみましょう」
ベイトも幅広く映っている。
流し始めて暫くすると、塩田さんにアタリが来た。

最初の引きは強かったが、後は余り引く事もなく上がってくる。

型の良いアカハタだ。
最近は、真鯛のアタリが少ないが、根魚はそれなりに当たってくる。
2匹目のアカハタも直ぐに来た。
アカハタは、群れが固まっていることが良くある。


北東からのウネリに、船は上下動する。
しかし、仕掛け自体は真下に落ちていく。
「潮が動いていない」
知り合いの漁師さんから、教えて貰った情報では「底潮が濁っているから、魚の食いが悪い」との事だった。
底潮が濁っているのが影響しているのなら、この寒波による時化で底から捲り返してくれないだろうか。
そして、新しい潮が通してくれれば、釣果が上向くかも知れない。
潮の色は良いし、期待感を持ちたい。
大島の内場に出てくる船が、少しずつ増えてきた。
私たちも、少しでも潮が動いていそうな場所を探して移動するが、苦戦続きだ。
途中に何度か「当たった」と塩田さんの声がするが、上手く針掛かりしない。
その内、風が北から北西、そして真西へと変わってきた。
雲の流れも、寒波を運んでくる雨雲が、流れてきたようだ。
「船長、潮は動かないし、今日は帰りましょうか」
「そうですね。今日は諦めて、次回に向けて頑張りましょうか」
いつもは凄い粘りの塩田さんだが、動かない潮と、午後からの予想される寒波による時化を前に、帰港する事にした。
「また、頑張りましょう」