
朝の湾岸道路では、北東の風が可成り強く吹いていた。
海は見渡す限りが、白波だらけだった。
昨日は「朝間詰めだけで勝負」と、船を出してみた。
しかし、今日は8時過ぎには、風が強く吹き始めていた。
「出なくて良かった…」と、口では言うが、本当は出てみたかった。
船着き場に行くと、朝早くに船を出している仲間が帰ってきた。
「どうやった」
「風が強くて、まともに釣りが出来ませんでした」
「なんか釣れた」
「タチウオと鰺、アカヤガラのでかいやつが来ました」
やはり、風に釣りを邪魔されたみたいだ。
別な港では、鰹船やマグロ船がロープを張って、台風対策を進めているようだ。
他港から避難してきたプレジャーボートは、船が何隻も係留されている狭い堀川の中をスピードを落とさず、波を蹴立てて走っていく奴が居る。
「ありゃ大堂津の船やが」と、それを見ていた仲間達。
以前に、私も船の上で転びそうになったことがある。
船が大きく揺れて、非常に危険なのが分からないみたいだ。
「常識の無い奴だ」と、仲間達も怒っている。
避難するのは皆同じなのだから、他の船に迷惑を掛けないように気を付けて欲しいモノだ。

夕方の海は、可成りウネリが出てきていた。
船着き場には、何人かの仲間達が集まっていた。
「対岸からロープを張ろうか」
「明日まで様子を見ましょう」
「午後から、作業をしましょうか」
未だ、堀川の上流に避難していない船もある。
明日も、朝から天気予報と睨めっこかな。