裸バエから、沖には出られなかった。
「朝間詰め、風が弱い予報になっています」
と、船を進めたが、海上では既に北東の風が強く吹いていた。
お客様に「内場に行きます」と伝えて、船首を内場に向ける。
北東の風の時の、内場は波静か。
予想外だったのが、ベイト反応の多さ。
海底から20メートルくらいの高さで、ベイト反応が出ている。
梅垣さんが、竿だしして探る。
「何かが触るのですけどね」
針に乗ってこない。
船上から見える水島周りも、気になって居る。
「ちょっと、行ってみましょうか」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/ac/9419fc6dd6e375e821dedb5bb2402ec3.jpg)
水島の近くまで行くと、目線を越えるウネリが寄せてくる。
水島の1瀬の高場、2瀬の高場以外は、ウネリが越している。
3瀬の馬の鞍は、表からの大波が被さっている。
ウネリの高さに、恐怖に近いものを覚える。
「戻りましょう」
内場に戻って竿を出すが、アタリが出ない。
「このベイト反応で、何で当たらないかな…」
ベイトの正体が知りたいのだが、針に掛からない。
2時間ほど、頑張ってみたが、諦める事にした。
「また、出直しましょう」
帰りの途中では、北東の風が起こすウネリが寄せてくる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/14/f9b0632fb1491cc2fb8339955786c950.jpg)
明日は、出られるだろうか。