海上で雷が鳴り出すと、本当に怖い。
これまで、雷鳴が聞こえて、慌てて避難した事がある。
雷に対して「尻尾を巻いて逃げ帰る」くらいに怖い。
今日も「雷が来ます。帰ります」と、避難は即決した。
雨が降ってくると覚悟して、船を出す。
風も天気予報では、強く吹かないだろうと思われるが…。
「今日は、浅場を中心に攻めていきます」
釣り初めて直ぐだった。
「海中に青く光る物はなんですか」
船釣り初挑戦の鬼塚さんが、何かに気づいた。
「鰯などの鱗が流れてきていますね」
何処かで、ナブラが出来ているみたいなのだが…。
船の直ぐ近くで、ナブラが立った。
魚種はハッキリと、確認できない。
鬼塚さんと黒木さんに、ダブルヒット。


黒木さんのアタリは、良型のイサキ。
鬼塚さんのアタリは、上がってこない大物。
鬼塚さんが焦っているのを見かねて、塩田さんが助っ人に入る。
それでも、底走りして止まる気配がない。
最後は、瀬に入られて、切られてしまった。
初船釣りで、いきなりの超大物にやられてしまった。
気持ちを切り替えて、仕掛け作り。
朝早い内は、鰺、イサキがポツポツとヒットしてきた。
黒木さんに、又してもイサキがヒット。

ウッカリカサゴも、ヒットしてきた。

鬼塚さんの、船での初釣果は真鰺。


真鰺が、ダブルで上がってきた。
魚探に出てくる反応は、真鰺や鯖子の群れのようだ。
船首で竿を出している塩田さんに、強いアタリが来た。

「来ましたね」と、問いかける。
「来ましたよ」と、笑顔で返事が返ってくる。
「真鯛の2キロ位のだと、思いますよ」
最近、釣りに行けない期間が有っただけに、やり取りは慎重。

2キロクラスの、綺麗な真鯛。
「久し振りに、真鯛が食べられる」
塩田さんの笑顔を、ラインでも仲間が祝福している。
塩田さんの笑顔が、輝いている。
冒頭の写真も、黒木さんと一緒に笑顔で真鯛を掲げる。
次の流しでは、塩田さんにシイラがヒット。

この時期にシイラが出るのは、早い気がしないでもないが、笑顔で祝福。
風が北東に変わり、ウネリが立ち始めた。
スマホで天気を調べると、雷を伴った雨雲が近づいているとの事。
「余り、長くはやれません。頑張りますよ」
ベイト反応を見つけて、船を流す。
塩田さんに、強くて重量感のあるアタリが来た。


「ブリです」
「ゆっくり、楽しんでください」
「絶対、取りますよ」
少しだけ、船で間を詰める。
「見えました。ブリです」
黒木さんが、見事にタモ入れ成功。

92センチの、お腹がパンパンのブリ。
黒木さん、鬼塚さんも「おめでとう御座います」と、祝福。
この前に、鬼塚さんにもブリと思われるアタリが来たのだが、一気に切られてしまった。
「口惜しいです…」
その悔しさを、塩田さんが少しでも晴らして頂いた。
しかし、釣りもここまで。
海上から見る山が、雨で見えなくなってきた。
「雷が来ます。帰ります」
帰りのスピードを上げて、帰港した。
港に帰り着いた時と、雷が鳴り始めた時が同時だった。