朝方に、雨が強くなる予報だった。
「雨を避けて、出船を遅らせませんか」
佐藤さんからの提案を受けて、集合時間を8時とした。
その時間も、パラパラと雨は降っていたが、激しくなる気配は無い。
貴重な朝間詰めを逃がす事になっても、潮変わりのベイトに期待する。
海上は“梅雨凪”の言葉が、ピッタリ填る位の凪。
船の走りも、実に快調だ。
ポイントに入り、ベイト反応を確認するが、思ったほどの立ち上がりではない。
潮の色は、青みがあって良い感じに見える。
しかし、下潮の動きが良くなかった様だ。
ベイト反応が出て来ても、なかなかアタリに繋がらない。

佐藤さんのアヤメカサゴ。

簑原さんの真鰺と、アタリは散発。
狙いのイサキなどの、アタリが出てこない。
「気分転換に、アカハタやりますか」
一時、北東の風が強まる時間帯があったが、その後は穏やかになっている。
一流し目から、アカハタのアタリは出てきた。




佐藤さんにヒットするアカハタが、少しずつサイズアップしている。
25センチ以下は、放流。



簑原さんにヒットするアカハタは、型が揃っている。
アカハタの口から、捕食していたエビが出てきた。

暫く、アカハタでお土産確保。
潮が変化すると期待して、夕間詰めに勝負を掛ける。
最初のアタリは、簑原さんに来た。

40センチ前後の真鰺が、連発。
針はずれも有るが、鰺の口は弱い。

佐藤さんのジグにも、鰺がヒットしている。
雲行きが、段々怪しくなってきた。
「雨が来なければ良いけど…」
天気の心配をしていると、佐藤さんに強いアタリが来た。


青物の走りだ。
「ブリですね」
「鮫じゃなければ、嬉しいです」
慎重に、ゆっくりとやり取りする。
「見えました。ブリです」
タモに収まったのは、78センチの若いブリ。

納竿前のブリのヒットに、ガッチリと握手して祝福。
山手に雨が降り始めているのが、見えてきた。
「引き上げましょうか」
ブリを締めとして、引き上げた。