そのアタリは、突然「ドン」と来た。
鬼塚さん2度目の船釣り。
アタリと同時に、強烈な走り。
ラインが音を立てて、引き出される。
塩田さん、黒木さんの先輩方から「頑張れ」と、声援が飛ぶ。
曇り空で、すっきりしない空模様。
それでも、風が大人しい分、海は凪になっている。
ポイントを目指して、船を走らせる。
ポイント周囲には、先着の船が何隻かいた。
他の船の、邪魔にならない処に入る。
思わず魚探に映し出された大きなベイト反応に「行きますよ」と、声が出る。
本日、最初のアタリを捕らえたのは、鬼塚さん。
良型のイサキが、続けてヒットしてきた。
「今日は、出足が良いですね」
イサキを掲げる笑顔が、輝く。
船首で、竿だししている塩田さんにも、アタリが来た。
良型のイサキ、真鰺がヒットしてきた。
「今年初のイサキが嬉しいですね」
塩田さんの釣りのペースが、少しずつ戻ってきている。
ベイト反応が、連続して出ている事もあり、船を流す距離を伸ばす。
「来ました」
鬼塚さんの、竿が大きく曲がった。
ドラグ音が鳴り、ラインが勢いよく引き出される。
塩田さん、黒木さんが竿を上げて、声援を送っている。
「凄い引きです」
前回のリベンジと、意気込んできている分「逃がすものか」と、気持ちが伝わってくる。
やり取りの最中、ドラグ調整して釣りやすい体制を整えていく。
「こっちに来て、ゆっくりと頑張って」
塩田さんが船の真ん中に、鬼塚さんをリードしていく。
「見えました。ブリです」
無事に、タモに収まった。
90センチの、丸々としたブリが鬼塚さんの手中に収まった。
「やりましたね」と、ガッチリと祝福の握手。
塩田さん、黒木さんからも祝福の握手。
「手に、重量感が残っています」
鬼塚さんの嬉しそうな笑顔に、船中が笑顔になる。
鬼塚さんの、好調は続く。
ポイントを変えると、アタリが来た。
「絶好調だね」と、声が飛ぶ。
上がってきたのは、良型のハガツオ。
「これは、美味しい魚だよ」
先輩の黒木さんが、ハガツオのおいしさを伝えている。
鬼塚さんに、良型の真鰺もヒットしてきた。
鬼塚さんの好調に、応援に回っていた黒木さんに、アタリが来た。
「やっと来た」
笑顔で、やり取りを楽しむ黒木さん。
何が上がって来るのか、楽しみに待つ。
上がってきたのは、良型のイトヨリダイ。
「刺身が良いかな、煮付けが良いかな」
釣果は、美味しく頂く。
釣りの楽しみだ。
しかし、この後、潮の動きが悪くなってきた。
「下潮が動いていない感じです」
移動しながら、鰺のアタリを捕らえていくが…。
満潮の潮止まりを機に、納竿とした。