クサイチゴが咲いていた。平野の森へと続く小道を歩いているとき、路傍でこの落葉小低木に出会ったのである。 そう、クサと名乗っているが、実は、木本なのである。所属は、バラ科キイチゴ属となる。まぁ、本州から九州の山野で、ふつうに目にすることの出来るキイチゴだ。 ご覧の通り、花もなかなかのものだが、その実だって捨てたもんじゃない、って話だ。 いつもペットボトルを携え、ウォーキングに興じるという方がいる。 普通じゃないか、水分補給は大事だからね、って、それはそうなのだが、この方の脳裡には、それだけじゃない別の理由もあったようで・・・。 「散歩してるとね、いろいろな実やら、野草やらに出会うやろ。それっ、摘んで食べてみるんよ。 とは言うものの、路傍で出会ぉたやつやさかい、ばっちいやろ。せやさかい、水持ち歩いてねん。」 そう、捨てたもんじゃないと記述したのは、この御人からの又聞きなのである。 ただね、一度だけ、真似して口に放り込んだことがある。え~~~とっ、決してまずくはないが、あえて食わなくてもいいような気がした。 北側の小さな出入り口から平野の森へと分け入る。 入ってすぐ、キケマンに出会った。 ケシ科キケマン属の越年草で、ビビットなイエローコーデが否が応でも人の目を惹く。 この装いには、どんな意味が込められているのだろう。 📷2022年3月21日:この色に誘われて、いま、ここに立っている!
あるTV番組で、森と林の違いについて語り合っていた。大雑把に言うと、次のような意見が支配的であった。 「森と林の違いはその規模ではなく、自然のまま、手が入らない状態が森、人の手が加わったものが林」 どうだろう? 本当に大雑把だな。そこで、森林・林業学習館(https://www.shinrin-ringyou.com/)さんの扉を叩いてみた。すると、次のような説明が付されていた。 「森は木が鬱蒼(うっそう)と茂って、盛り上がっている「様相」を表し、林は、同じような樹木(樹種や樹齢、樹高などが同じような樹木)が集まっている「場所」を表している」 果たして、この平野の森は、森なのであろうか、林なのであろうか。 そんな事を考えながら歩いていたら、ウグイスカグラに通せんぼされた。 📷2022年3月21日:なんとまぁ、色鮮やかな鶯であることよ。
こんなに愛らしい花に道を塞がれるなんて嬉しい限りだが、もう少し先にジジババが待っている。今日あたり、すでに花開いているであろうに、一早く確認しに行かねば。 📷2022年3月21日:今年も会えたね! 控え目なその美しさが見る人を魅了する。
ご存知の通り、ラン科シュンラン属(シンビジウム属)のシュンラン(春蘭)だ。 この花、翁媼とは言いながら、シャイなのかな。横を向いて素知らぬ風。 いや、いや、そうでもなさそうだ。正面から撮り直そうと思ったら、ひょいともうお一方もフレームイン。華やぎのあるジジババの揃い踏みとなった次第。 📷2022年3月21日:今春は株も大きくなり、花つきもいいようだ。
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