丹頂が翔ぶ。 狭小な、猫の額の岩陰で生を受けた丹頂が、この暖かな陽気に目覚め、天空を目指す。 タンチョウソウ、ユキノシタ科タンチョウソウ(ムクデニア)属の多年草だ。 この時期、その根茎から立ち上がる花茎がツンと伸びてくる。あれよ、あれよという間にだ。 積算温度が頂点に達する。 頭頂に散らばるつぶらな真白き花が咲き乱れる。 そう、集散花序っていうのかな、そんな花茎が何本も立ち上がると、それはそれは見応えのある点景がそこに現出する。 いや、いや、ズームして、その一つ、一つを眺めてみても、なかなか美麗な姿を確認することが出来るよ。 📷2022年3月27日:遠くからだって、寄ってもらったって、どう、そこそこ見られる花だってこと、ご理解いただけたであろうか。
そう言えば、玄関脇で息づくニワウメも開花が進んでいる。 派手さはないが、見ていて飽きず、ほっとする花姿が心を和ませてくれる。そんな花だと思う。 📷2022年3月28日:玄関先で迎える人に春を告げるニワウメの姿。
坪庭の一隅でヒメウズに蹂躙されつつあったタツタソウ(メギ科タツタソウ属)であったが、庵主の懸命なアシストで一息ついたようだ 📷2022年3月30日:これで、いく分かでも、全身に日が届くようになったようだ。
ごく僅かだがつぼみがあることは確認できていた。 翌日、突然だったが、小さな花がほころんだ。色、形、とても印象的な花だよね。そして、とても小さい。 📷2022年3月31日:まさか、今日、ほころぶとは思いもしなかった。20度超え、恐るべし!
こうして、猫の額の春が時を刻んでいく。 |