まだ、花などないことは分かっていた。それでも、久々に所沢にある「食の駅」を訪れる前に、ちょこっと覗いてみた。
6日朝にかけて降った雪が、まだいたるところに残っていた。花などないと思っていたが、クリスマスローズが咲いていた。早咲きなんだね。
真っ青な空に、毘沙門堂の銅板葺屋根が浮かんで見える。本物の春がこの社に舞い降りれば、この小径の両側に山野草が咲き乱れる。
いま、毘沙門堂へと通じる小径には、真っ白な祈りの花がたくさん咲いていた。
また、ロウバイの小さな黄色い花に交じって、数限りない願いの花も咲いていた。
ここには、人々の祈願の数だけ、真っ白なペーパーフラワーが咲き乱れている。
毎年、クマガイソウが咲く辺りに、小さな、そう、60~70㎝ほどの地蔵菩薩が佇んでいた。
「地蔵菩薩」とは何か? Web上の用語解説サービスとして知られる「コトバンク」の「デジタル版 日本人名大辞典+Plus」には、次のような解説が付されている。
「大地のように広大な慈悲で生あるものすべてをすくうという菩薩。」
おみくじを木に結ぶという慣習は、神仏とご縁を結ぶということの思いから発したという説がある(もちろん、木の生命力にあやかりたいとか、諸説ある。)。
真っ白なペーパーフラワーに託された祈りや願いは、慈愛に満ちた円満柔和なお地蔵さんがきっと聞き届けてくれることだろう。