「今度は私の番よ!」と、はやくもヒロインの座を襲うキクザキイチゲが一輪。
まだ、やっと開きかけたばかりだというのに、ついと、その面を陽光に向けようとしている。
地に伏していたフクジュソウの芽が、目に見えぬほどの緩慢な動きであるが、徐々に、徐々に、地上部に姿を現してきている。
苞が、花被片が、そして、羽状複葉となるであろう葉の様子までもが明らかとなってきた。
坪庭は家屋の東側に位置し、午前中までしか直射日光が当たらない。だからという訳ではないのだろうが、総じてここにはほんの少し季節が遅れてやってくるようだ。
ニリンソウの萌芽は、例年、2月の下旬ころから始まる。今年は、どうも10日ほど早いようだ。
よく見ると、コロンとした花芽まで抱いている。小さな萌芽が、大きな期待を周囲に振り撒いている。
地上部が枯れることなく年を越したブルーの西洋オダマキ、その中心から新たな芽が萌してきている。
改めて、ネットで検索してみると、やはり、「常緑」との記述が目に付く。
フウリンオダマキなども育てたことがあるのだが、花後に地上部は消滅していたように思う。これは、育成した者がへたっぴーだったからなのか 💦
同種の赤は、いつの間にか姿を消してしまった。これは、☆彡になってしまったということか? いまでも、その鮮烈な赤が目に浮かぶ。
ご存じの通り、アシタバはセリ科シシウド属の多年性草本である。
もう、7~8年猫も額に仮住まいしている。暖地では常緑とされているようだが、当地では冬の訪れとともに地上部は消滅する。だが、春先、気付くと色鮮やかなグリーンの葉を茂らせてくれる。
滋養強壮によいとされているので、初めのうちは珍しがって天麩羅にしたり、お浸しにしたりして食膳を飾っていたが、ここのところ、とんとご無沙汰している。
なんと、春の季語だという。ということは、旬は春ということなのか? 一年中繁っているようで、夏も終わり頃ともなると1mを越すほどに成長する。晩夏から早秋にかけて、枝の先端にシシウド属特有の複散形花序を付ける。
アゲハチョウの仲間も好物なようで、ちょっと目を離すと驚くほどの芋虫がたかっているのを目にする。同じ時を生きる蝶たちへ、ほんの少しお裾分けのつもりで、見て見ぬ振りをしている。食べ放題なのである。