昨日までの陽気とは打って変わって気温は10度を下回り、目に捉えることができぬほどの細雨が断続的に地表を濡らしている。
音もなく降る雨は、潤い溢れる慈しみの滴となって萌え出た草々の葉に留まっている。
二年草とされるトウゴクサバノオ(東国鯖の尾)も、昨年芽生えた葉を絶やすことなく年を越し、葉のいたるところにきらりと輝く滴を受け止めていた。
茎や葉が地表部にせり出して来て、ようよう咲く気になったらしい地植えのフクジュソウも、たくさんの滴を纏わされてちょっと迷惑顔。
昨日の陽気にほどけ始めたクリスマスローズだが、急降下した気温に臆するかと思えば、ほんの少しだけれども開花が進捗したようだ。
昨年花後に地植えにしたパテンス(カザグルマ)八重系 ユキオコシにも、冬芽が解け、葉がちらほらと萌してきたようだ。
あの頃は、新聞屋が拡販のために配布する拡材がいろいろと届けられたものだ。六か月ごとの契約更新の時には、24本入りの缶ピール1ケース、ドーンと置いていくのさえ珍しいことではなかった。
A新聞では、球根をよく置いて行ったものである。その球根がいまでも猫の額の各所で息づいている。このラッパスイセンも、花を付けたり、付けなかったりはするが、時機を違えず必ず芽を出してくれている。さて、今年は花を付けてくれるのだろうか。
そう、昨日、今日で、猫の額の草々の様子がかなり変わってきている。
ほら、クリスマスローズもだいぶほどけてきたみたいなのだけれど、どうも、かなりシャイな性格らしく、おずおずとしていまだその素顔は見せてくれないようだ。
2月11日に投稿したチョウセンヨメナの変種とされている草本にも、花芽がそれとわかるほどに膨らんできた。
花はね、それこそノコンギクを彷彿とさせる。でも、ご覧の通り、春に咲くのだ。だから、チョウセンヨメナの変種とした方がいいのかもしれないね。
ノコンギク、チョウセンヨメナ、いずれも猫の額の一隅で仮住まいしている。いずれにも似て、いずれにも似ていないという印象なのだ。
なんと言っても、常緑なのである。だからなのか、茎は木質化しており、花期が終わった姿を見ていると、その辺の雑木のようでさえある。
📸2024年2月19日:スミレが面を上げ始める。
( 画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰)📸2024年3月19日:前を向いて春を見据える。
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黒葉スミレも、春の囁きに唆されて、次々に花茎を立ち上げ始めた。
俯きがちな小さなつぼみたちは、他と競い合うように、花びらを一枚、また一枚と開き始めている。
今日は二十四節気の「雨水」である。初候「土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)」から始まり、次候「霞始靆(かすみ はじめて たなびく)」、末候
「草木萌動(そうもく めばえ いずる)」と続く。あたたかな雨が大地を潤し、霞が棚引き、草木が萌え出す頃ってわけだ。
どれも、これも、ほんの小さな変化に過ぎないけれど、その小さな変化を一つひとつピーシングしていくと、春という名のパッチワークが仕上がっていく。
昨年頂戴したのだが、草丈ばかりが伸びに伸びてどうしたものかと悩んだ末に、先端部分を2~3ちょん切り挿し芽にしてみた。
本体はあまり大きな変化はないものの、無事に年を越し、穏やかな一日を選んで鉢増しをした。
嬉しいことに、その根元には2本ほどの新芽が萌していた。今年は、花を見ることができるかもしれないね。
そう、そう、挿し芽にしたやつだけど、その後、坪庭に地植えにしておいたのだが、大きくもならず、さりとて枯れもせず新たな年を迎えた。
さて、また来る春は、多士済々の草花に囲まれてといきたいものだが、果たして・・・・・・。
📸2018年2月11日:初めてのクリスマスローズ。
( 画像のクリックで大きな画像を表示。{戻る}ボタンで元のページに復帰)📸2023年3月18日:とても大株に育ったのだよ。
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2018年早春、智光山公園・都市緑化植物園にて「クリスマスローズ展」が催されていた。展示即売という側面もあり、そこで初めて手にしたのが、このダブルのクリスマスローズだったのである。
最初は鉢で育てていたが、その後、坪庭に地植えした。上記の通り、驚くほど大株に育ったので株分けし、一つはお向かいのお宅へ里子に出し、もう一つは南側の小庭へ移植した。
2023年、たくさんの花茎を伸ばしていたので、今年は裏年かななどと思っていたが、杞憂だったようである。
今年も、クリスマスローズの卵たちが順調に育っている。
さて、この株はなんだったっけかな。初代のクリスマスローズとは違うように思う。
昨年購入した株かもしれない。花びらにブロッチスポット(面ではなく、ドット模様に近いからスポットが正しいのかな)が入った奴だ。ダメだね、ちゃんと名札を付けておかなきゃ。
こちらは、昨年、近くの農産物直売所で求めた濃い紫のダブル・・・、だと思う。
こうして見ると、あらかた地植えにしてしまっていた。そう、世話が楽なんだよね、地植えの方が。でも、写真を撮るとなると、格段に自由度が下がる。そこが難点だね。
そう、そう、今日も周辺をブラ散歩した。
こちらは、平野の森に棲息するヤブコウジ。あれっ、かねてから自生していたかな?
それにしても、背後に見えているビニールのキープアウトロープとは味気ないものだね。「入るな!」というより、「取らないでね!」という注意喚起かな。
「今度は私の番よ!」と、はやくもヒロインの座を襲うキクザキイチゲが一輪。
まだ、やっと開きかけたばかりだというのに、ついと、その面を陽光に向けようとしている。
地に伏していたフクジュソウの芽が、目に見えぬほどの緩慢な動きであるが、徐々に、徐々に、地上部に姿を現してきている。
苞が、花被片が、そして、羽状複葉となるであろう葉の様子までもが明らかとなってきた。
坪庭は家屋の東側に位置し、午前中までしか直射日光が当たらない。だからという訳ではないのだろうが、総じてここにはほんの少し季節が遅れてやってくるようだ。
ニリンソウの萌芽は、例年、2月の下旬ころから始まる。今年は、どうも10日ほど早いようだ。
よく見ると、コロンとした花芽まで抱いている。小さな萌芽が、大きな期待を周囲に振り撒いている。
地上部が枯れることなく年を越したブルーの西洋オダマキ、その中心から新たな芽が萌してきている。
改めて、ネットで検索してみると、やはり、「常緑」との記述が目に付く。
フウリンオダマキなども育てたことがあるのだが、花後に地上部は消滅していたように思う。これは、育成した者がへたっぴーだったからなのか 💦
同種の赤は、いつの間にか姿を消してしまった。これは、☆彡になってしまったということか? いまでも、その鮮烈な赤が目に浮かぶ。
ご存じの通り、アシタバはセリ科シシウド属の多年性草本である。
もう、7~8年猫も額に仮住まいしている。暖地では常緑とされているようだが、当地では冬の訪れとともに地上部は消滅する。だが、春先、気付くと色鮮やかなグリーンの葉を茂らせてくれる。
滋養強壮によいとされているので、初めのうちは珍しがって天麩羅にしたり、お浸しにしたりして食膳を飾っていたが、ここのところ、とんとご無沙汰している。
なんと、春の季語だという。ということは、旬は春ということなのか? 一年中繁っているようで、夏も終わり頃ともなると1mを越すほどに成長する。晩夏から早秋にかけて、枝の先端にシシウド属特有の複散形花序を付ける。
アゲハチョウの仲間も好物なようで、ちょっと目を離すと驚くほどの芋虫がたかっているのを目にする。同じ時を生きる蝶たちへ、ほんの少しお裾分けのつもりで、見て見ぬ振りをしている。食べ放題なのである。