◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●デイリー句会投句箱/5月21日~31日●

2015-05-31 09:06:59 | Weblog

※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。

※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)

◆俳句日記/高橋正子◆は、下記のアドレスです。
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今日の秀句/5月21日-31日

2015-05-31 09:04:30 | Weblog
[5月31日]
★連日の日差しをはやす雨蛙/小口泰與
連日の夏日となった五月。雨がほしいのだろう。雨蛙がしきりに日差しをはやしている。(高橋正子)

[5月30日]
★薫風や思わぬとこへ来ておりぬ/小口泰與
かぐわしい風に誘われて、ついつい歩いてしまった。気づいてみれば、「思わぬところ」に来ている。「思わぬところ」は、場所のことでもあり、深く読めば、今の境遇のこととも読める。(高橋正子)

★遠出してタンポポ低くまた低く/迫田和代
「低くまた低く」と咲くタンポポに、はるか遠くまで来たという実感がある。低く、野に張り付くように咲くタンポポを足元にして、広やかな中に、また遠いところいることに、さびしさがある。(高橋正子)

★ほたるぶくろ朝の空気に膨らんで/古田敬二
ほたるぶくろのふっくらした花には、空気が満たされている。朝の空気が涼しそうで、詩ごころが湧く。(高橋正子)

[5月29日]
★擦り切れし絵筆いく本花は葉に/内山富佐子
擦り切れた絵筆から、水彩画や日本画のイメージが湧く。葉桜になったころ、水の冷たさから解き放されたころ、無性に絵が描きたくなるのではないだろうか。長年絵を描いてきた絵筆への愛着もひとしお。(高橋正子)

★卯の花のほろほろと落つ句碑の道/祝恵子
卯の花の白い花がほろほろと散っている道だからこそ、句碑が似合う。少し陰りのある道に咲く卯の花、北窓の文学と呼ばれる俳句。通じるものがある。(高橋正子)

[5月28日]
★青葉風雲の輪郭あきらかに/川名ますみ
なにもが生き生きと生命を謳歌している季節。青葉を風が吹き、雲さえも輪郭をくっきりとさせている。(高橋正子)

[5月27日]
★昇り藤見しより朝の遠まわり/小口泰與
昇り藤は、藤の花房を逆さにしたような姿をして、ルピナスとも呼ばれる。丈のある花で昇り藤の咲くころは、朝の散歩も楽しみだ。つい遠まわりをしたくなる。ちなみにフランクリンもルピナスが好きで、散歩のときは、ポケットに種を入れて、歩くところに撒いたそうだ。(高橋正子)

[5月26日]
★厨房に入るべし新じゃがいもを剥く/古田敬二
「男子厨房に入らず」を固辞する人は今はいないだろうが、新じゃがいもは、特に男料理にふさわしい材料と思う。「男子大いに厨房に入るべし」とご自分で育てたじゃがいもの皮を剥く敬二さんだ。(高橋正子)

[5月25日]
★不揃いの玉ねぎ土のまま吊るす/古田敬二
畑で収穫した作物は、不揃いが自然。また、自然とはそういうものだろうと思うが、畑から抜いて土のついたままの玉葱を吊るして保存する。それが、生き生きとしてありのままだ。(高橋正子)

★パンジーの残花摘みたりガラス器に/河野啓一
五月も末に。長く花を楽しませてくれたパンジーも茎が伸び、花の力も弱ってくる。しかし、健気にもまだ咲いている花があって、それを摘み取ってガラス器に飾ってみるとブーケのようにかわいい。花の最後の最後までを慈しみ楽しむ作者。(高橋正子)

[5月24日]
★学生の手話の車内や風薫る/桑本栄太郎
風薫るなか、学生の手話も弾んでいるのだろう。活発な手の動きが輝いて見える。風薫るよい季節なればこそ。(高橋正子)

[5月23日]
★草笛や心をこめた響きあり/迫田和代
草笛で吹く歌は、自分の心に大切にしている歌なのであろうから、鋭い音色のなかにも哀愁の響きがある。「心をこめた響き」となる。(高橋正子)

[5月22日]
★鳥取より来て甘夏を売りにけり/多田有花
甘夏は、産地の農家でなくても、栽培されているのだろう。見目が悪い方が甘いといわれる甘夏だ。関西に近い鳥取であるが山陰、鳥取の農家の作ともなれば、正直においしいと思われる。(高橋正子)

[5月21日]
★登校の子等の声透く若葉風/小口泰與
若葉を揺らす風の中を登校する子供たちの声は、「透く」という感覚がぴったり。明るく、無邪気な声が透明感をもって聞こえてくる。(高橋正子)

★筋肉のひかり夏服から伸びる/川名ますみ
夏服の袖から出た腕が目に眩しく映る。それが「筋肉のひかり」だ。「夏服から伸びる」の表現から、むしろ女性のしなやかな腕を想像する。(高橋正子)
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5月21日~31日

2015-05-31 09:03:04 | Weblog

5月31日(2名)

●小口泰與
柿若葉笑顔えがおの登校児★★★
連日の日差しをはやす雨蛙★★★★
連日の夏日となった五月。雨がほしいのだろう。雨蛙がしきりに日差しをはやしている。(高橋正子)

園児らの笑顔や丘の薫る風★★★

●桑本栄太郎
別室の妻のカラオケ青嵐★★★
隅植えの媼ひとりの植田かな★★★
風入れて祈る会堂五月尽★★★★

5月30日(5名)

●小口泰與
蜘蛛の囲へ連なる雨の滴かな★★★
今年竹浅間噴煙素直なり★★★

薫風や思わぬとこへ来ておりぬ★★★★
かぐわしい風に誘われて、ついつい歩いてしまった。気づいてみれば、「思わぬところ」に来ている。「思わぬところ」は、場所のことでもあり、深く読めば、今の境遇のこととも読める。(高橋正子)

●迫田和代
素晴らしい新緑の色空に映え★★★
夏めいて淡い服から白い足★★★

遠出してタンポポ低くまた低く★★★★
「低くまた低く」と咲くタンポポに、はるか遠くまで来たという実感がある。低く、野に張り付くように咲くタンポポを足元にして、広やかな中に、また遠いところいることに、さびしさがある。(高橋正子)

●桑本栄太郎
カーテンのレースみどりや五月尽★★★
首筋の汗にじみ居り長電話★★★
坂道に沿うて通るや青葉風★★★★

●古田敬二
紫陽花のまず一色を今朝見せて★★★
畝作る遠くにヨシキリ鳴くを聞き★★★

ほたるぶくろ朝の空気に膨らんで★★★★
ほたるぶくろのふっくらした花には、空気が満たされている。朝の空気が涼しそうで、詩ごころが湧く。(高橋正子)

●川名ますみ
青時雨お壕の隅に鷺一羽★★★
鉢植の葉桜に挿す細き支柱★★★
命日も百合そちこちに白よ黄よ★★★★

5月29日(6名)

●内山富佐子
青葉風背中を反らす応援団★★★
めまとひの帯や祖国の進む道★★★

擦り切れし絵筆いく本花は葉に★★★★
擦り切れた絵筆から、水彩画や日本画のイメージが湧く。葉桜になったころ、水の冷たさから解き放されたころ、無性に絵が描きたくなるのではないだろうか。長年絵を描いた絵筆への愛着もひとしお。(高橋正子)

●小口泰與
ほかほかの筍飯や長電話★★★
若嫁の三和土に干せり夏蕨★★★★
花茄子や日を育める浅間山★★★

●古田敬二
桑の実を食めば懐かし少年期★★★★
指先を染めて桑の実もぎにけり★★★
助手席に桑の実妻への手土産に★★★

●桑本栄太郎
朱の葉色ありて垣根や車輪梅★★★★
月見草風の木蔭の路地裏に★★★
ひるがえる白き葉裏や青嵐★★★

●祝恵子
卯の花や芭蕉もいたかこの道に★★★
羽ばたいて川鵜こちらを向く水辺★★★

卯の花のほろほろと落つ句碑の道★★★★
卯の花の白い花がほろほろと散っている道だからこそ、句碑が似合う。少し陰りのある道に咲く卯の花、北窓の文学と呼ばれる俳句。通じるものがある。(高橋正子)

●高橋信之
はこねうつぎの楽しく咲いている午後よ★★★
つんと空突き上げている茅花★★★★
やまぼうしの花の十字が宙に浮く★★★

5月28日(4名)

●小口泰與
山里の捨て田に緋鯉生きていし★★★
雲の峰湖刻々と色を変え★★★★
また一人音も立てずに山女釣★★★

●桑本栄太郎
カミモール揺れて風ゆく夏日かな★★★
節々の白く粉噴き今年竹★★★★
ダイアナもミチコもありぬ薔薇の園★★★

●川名ますみ
青葉風雲の輪郭あきらかに★★★★
なにもが生き生きと生命を謳歌している季節。青葉を風が吹き、雲さえも輪郭をくっきりとさせている。(高橋正子)

アマリリス古き鉢より花茎伸ぶ★★★
午過ぎて自転車ばかり青葉闇★★★

●高橋信之
せせらぎ隔て燕子花の紫濃し★★★★
森にいて二人静と語り合う★★★
高きより高き所の朴の花見る★★★


5月27日(5名)

●小口泰與
青芦や雨の河原を行く子犬★★★

昇り藤見しより朝の遠まわり★★★★
昇り藤は、藤の花房を逆さにしたような姿をして、ルピナスとも呼ばれる。丈のある花で昇り藤の咲くころは、朝の散歩も楽しみだ。つい遠まわりをしたくなる。ちなみにフランクリンもルピナスが好きで、散歩のときは、ポケットに種を入れて、歩くところに撒いたそうだ。(高橋正子)

花山葵水に水押す朝ぼらけ★★★

●河野啓一
さわやかな厨の香り実山椒★★★★
朝日受け深紅に燃えるさつきかな★★★
家系図を辿る連綿蜘蛛の糸★★★

●多田有花
初夏の陽が諭吉生まれし地に溢れ★★★
夏の宵高層ビルに灯が点る★★★
揚羽蝶の影が横切る森の道★★★★

●祝恵子
夏雨に抜くラデッシュの色の濃く★★★★
紫陽花よ早く色出せ雨に出せ★★★
夏鉢の冬瓜の苗一つ増え★★★

●桑本栄太郎
はるかまで重なりいたる青嶺かな★★★★
陸橋を歩めば軋む夏日かな★★★
ドラゴンの雲の育つや夏の嶺★★★

5月26日(4名)

●古田敬二
厨房に入るべし新じゃがいもを剥く★★★★
「男子厨房に入らず」を固辞する人は今はいないだろうが、新じゃがいもは、特に男料理にふさわしい材料と思う。「男子大いに厨房に入るべし」とご自分で育てたじゃがいもの皮を剥く敬二さんだ。(高橋正子)

行々子昨日と同じ葦の奥★★★
畝見えず茂りて咲けり薯の花★★★

●小口泰與
糠漬のまわって来たり夏の句座★★★
芍薬の名残の花を花器へ挿し★★★
白ばらへ声を上げたる女学生★★★★

●河野啓一
咲き乱るやんちゃ坊主のアマリリス★★★★
緑陰を辿れば白きカモミール★★★
風薫るグランド今日から交流戦★★★

●桑本栄太郎
万緑や山ふところの十字架に★★★★
山法師挙兵の時はまだ早く★★★
風薫る木蔭にすわりアコーデオン★★★

5月25日(5名)

●小口泰與
夕さりの長き裾野や雲の峰★★★
老鶯や水を被りし丸太橋★★★
丹精のばらにきれいと声かかる★★★★

●迫田和代
漬物の茗荷の香り夏の朝★★★★
なんとなく心が躍る夏の海★★★
夕風や頭「かしら」を下げる白いバラ★★★

●古田敬二
ドクダミの香り流して庭に干す★★★
不揃いの玉ねぎ土のまま吊るす★★★★
畑で収穫した作物は、不揃いが自然。また、自然とはそういうものだろうと思うが、畑から抜いて土のついたままの玉葱を吊るして保存する。それが、生き生きとしてありのままだ。(高橋正子)

畑いっぱい広がる緑と薯の花★★★

●桑本栄太郎
草矢打つ丈にほど良きすすきかな★★★★
濃く淡く山の遙かへ夏の嶺★★★
見入る吾ありて青梅頬を染む★★★

●河野啓一
薔薇と吾並びまぶしき朝日かな★★★
パンジーの残花摘みたりガラス器に★★★★
五月も末に。長く花を楽しませてくれたパンジーも茎が伸び、花の力も弱ってくる。しかし、健気にもまだ咲いている花があって、それを摘み取ってガラス器に飾ってみるとブーケのようにかわいい。花の最後の最後までを慈しみ楽しむ作者。(高橋正子)

緑陰に白く可憐なカモミール★★★

5月24日(4名)

●小口泰與
大渕の渦や炎帝呑まんとす★★★
渓流に打ち交じりたる鹿の子鳥★★★
ピッケルを打ち込む崖や岩雲雀★★★★

●古田敬二
茎切れば新玉ねぎの露こぼす★★★
トランクに新玉ねぎの香の満てり★★★★
男料理新玉ねぎは甘きもの★★★

●佃 康水
任引きし夫花束の薔薇真っ赤★★★
山水を曳きし堂裏苔茂る★★★
張りし囲を蜘蛛の揺すりて輝ける★★★★

●桑本栄太郎
学生の手話の車内や風薫る★★★★
風薫るなか、学生の手話も弾んでいるのだろう。活発な手の動きが輝いて見える。風薫るよい季節なればこそ。(高橋正子)

さざ波の螺旋に光り夏の潮★★★
風薫るクレーン屋上にて動く★★★

5月23日(6名)

●小口泰與
老鶯や白樺の丘蒼き空★★★★
郭公や水面に響く木木の影★★★
郭公や水面を流る雲一朶★★★

●迫田和代
草笛や心をこめた響きあり★★★★
草笛で吹く歌は、自分の心に大切にしている歌なのであろうから、鋭い音色のなかにも哀愁の響きがある。「心をこめた響き」となる。(高橋正子)

壇ノ浦平家の終わりの先帝祭★★★
川土手の新緑の道萌える道★★★

●祝恵子
乳母車バラのアーチをくぐりゆく★★★★
それぞれに用具持ちゆく溝浚★★★
胡瓜の花付けて胡瓜の実の一つ★★★

●古田敬二
遠くにも白見ゆ朴の花なれば★★★★
十薬の一片光る夜半の雨★★★
呈上す新玉ねぎのレシピ添え★★★

●桑本栄太郎
半ズボンの茶髪もありぬ芸大生★★★
快速を乗り換え鈍行青葉闇★★★★
万緑の山肌削るユンボかな★★★

●多田有花
河骨の下ゆっくりと錦鯉★★★
山寺の庫裏で新茶をいただきぬ★★★★
人寄れば夏鴨すーっと離れゆく★★★

5月22日(4名)

●小口泰與
万緑や碓氷峠に雲一朶★★★★
見晴るかす佐久の植田や鳶の笛★★★
そよ風や青葉若葉の駒出池★★★

●多田有花
鳥取より来て甘夏を売りにけり★★★★
甘夏は、産地の農家でなくても、栽培されているのだろう。見目が悪い方が甘いといわれる甘夏だ。関西に近い鳥取であるが山陰、鳥取の農家の作ともなれば、正直においしいと思われる。(高橋正子)

天清和沖青く澄む播磨灘★★★
卯の花や午前十時の風の中★★★

●桑本栄太郎
<神戸六甲アイランド埠頭>
夏潮のゆらぎ螺旋に光りけり★★★
ケーソンの遙か遠くや夏かすみ★★★
夏潮の空へと滑るモノレール★★★★

●古田敬二
夏木立どの木も天へ尖がりて★★★
ヒマラヤスギの高き尖りの若葉光★★★
ハルニレの若葉明るく透き通る★★★★

5月21日(4名)

●多田有花
竹皮を脱いで城址へ続く道★★★★
快晴の城址にありし楢若葉★★★
挨拶を交わす新緑の山道★★★

●小口泰與
登校の子等の声透く若葉風★★★★
若葉を揺らす風の中を登校する子供たちの声は、「透く」という感覚がぴったり。明るく、無邪気な声が透明感をもって聞こえてくる。(高橋正子)

新緑の色めく淵の朝かな★★★
打ち返す波や岸辺は夏の色★★★

●桑本栄太郎
鴨川の川床(ゆか)に唐傘整いぬ★★★
蓮池の蓮の葉分けてつがいかな★★★★
つる薔薇のアーチ真紅の門扉かな★★★

●川名ますみ
筋肉のひかり夏服から伸びる★★★★
夏服の袖から出た腕が目に眩しく映る。それが「筋肉のひかり」だ。「夏服から伸びる」の表現から、むしろ女性のしなやかな腕を想像する。(高橋正子)

ミントチョコ舌にとかして夏初め★★★
つややかな筋肉動く夏服に★★★
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