◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●自由な投句箱/4月21日~30日●

2016-04-21 09:47:22 | Weblog

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
コメント (56)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の秀句/4月21日~30日

2016-04-21 09:46:54 | Weblog

[4月30日]

★子の年を振り返り居て鯉幟/河野啓一
鯉幟が泳いでいるのを見て、人はいろいろ思うだろう。あの家には男の子が生まれたのだな。何人子供がいるのだろうか、など。啓一さんは、ご自分に男の子が生まれたころを思い出し、その子の今の歳を振り返った。短くはない歳月だ。(高橋正子)

[4月29日]

★葱ぼうず身じろぎもせず春送る/河野啓一
葱ぼうずとなった葱は愚直なほど直立。身じろぎもしない。そして春を見送っている。ユーモアとどこかペーソスがある。(高橋正子)

[4月28日]

★たんぽぽや日は榛名嶺へ近寄らず/小口泰與
「日は榛名嶺へ近寄らず」の表現から、太陽が榛名山よりもはるか高く昇っている真昼間を思う。その裾野にたんぽぽが輝いて咲いているのどかな、時を止めたような風景。(高橋正子)

[4月27日]

★花終わり天守の空の夕雲雀/河野啓一
天守を彩っていた桜が終わり、春もいよいよ酣。天守の空に雲雀が囀り、夕方の空が静かにも大いに楽しくなった。(高橋正子)

[4月26日]

★八時十五分の鐘や棕櫚の花/谷口博望 (満天星)
八時十五分は、広島に原爆が投下された時刻だが、今も八時十五分に鐘が鳴らされているのだろうか。棕櫚はヤシ科の常緑高木。初夏の空高くに、黄白色の肉穂花序の花を垂れる。美しい花ではないが、空に鳴り響く鐘の音と共に、時代を忍ばせる雰囲気がある。(高橋正子)

★鉄線の花も莟も空を向く/川名ますみ
鉄線の莟は、空を目指しているように思える。平らな花は空の中の花であろうとする。濃紫の鉄線は、春の空に似合う色であり、作者が投影された花であるように思う。(高橋正子)

[4月25日]

★山藤や木々に絡まり空へ揺れ/佃 康水
藤は、蔓を伸ばし花をつける。絡まる支柱がいるが、山藤はそばの木々に絡まり、力強く空へ向かい伸び花を付ける。意外にもたくましい藤の花は、目にさわやかで快い。(高橋正子)

[4月24日]

★竹の秋田川の水の豊かなる/小口泰與
竹は春に葉を降らす。田植えが始まるころ、田川には水が奔放に走り、水の豊かさを知る。それが竹の秋の季節だ。(高橋正子)

[4月23日]

★すかんぽの赤き穂の伸ぶ雨催い/桑本栄太郎
「スイバ」のことを「すかんぽ」と呼ぶ地方もある。スイバの赤い穂が野原に目立つころは、雨催いの天気が続く。曇り、時ににわか雨、曇りのち雨、などの天気予報も毎日のようだ。穀雨のころの季節がよく詠まれている。(高橋正子)

[4月22日]

★乳母車の通りゆく日や躑躅燃ゆ/桑本栄太郎
躑躅があかあかと燃え咲くところを乳母車が通り過ぎる。燃える躑躅の強さ、乳母車のやさしさ。その二つが生命の強さとやさしさを象徴している。(高橋正子)

[4月21日]

★火の国の地震を憂うや朧の夜/佃 康水
このたびの熊本の地震は一週間以上も続く、これまで経験のない地震。こんな地震災害がある夜でも、朧月が美しくかかっている。それを感じる心が、被災者や被災地を憂う心をなお深くしている。難しい題材だが、自然な詠みに心情がくみ取れる。(高橋正子)
 
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月21日~30日

2016-04-21 09:45:49 | Weblog

4月30日(5名)

●谷口博望(満天星)
くれなゐの花とは言へず榛の花★★★
あちら向く瑠璃色深き翡翠かな★★★★
青鷺の長き口嘴遠眼鏡★★★

●迫田和代
春風と伴に競いて山歩き★★★
目をみはる鮮やか色新緑の★★★★
しゃぼん玉吹いてる心は空にあり★★★

●小口泰與
産土の浅間山雪解や農具市★★★★
ゆさゆさと千本桜雨の中★★★
初雷やいまだ目覚めぬ葡萄の木★★★

●桑本栄太郎
藁屋根の軒の深きや燕来る★★★★
曇りても眼に染む窓の若葉かな★★★
暮れなずむ西空赤く四月尽★★★

●河野啓一
子の年を振り返り居て鯉幟★★★★
鯉幟が泳いでいるのを見て、人はいろいろ思うだろう。あの家には男の子が生まれたのだな。何人子供がいるのだろうか、など。啓一さんは、ご自分に男の子が生まれたころを思い出し、その子の今の歳を振り返った。短くはない歳月だ。(高橋正子)

窓開けて涼風入れてドライブに★★★
藤棚に人影も見ず昼下がり★★★

4月29日(4名)

●谷口博望(満天星)
春惜しむ鴨の帰りし被爆川★★★
若葉風つがう椋鳥道連れに★★★
くれなゐの翼果飛び立つ若楓★★★★

●小口泰與
さえずりや雲に従う湖の色★★★★
山風や火の見櫓の烏の巣★★★
花楓二羽の雀の声高し★★★

●河野啓一
葱ぼうず身じろぎもせず春送る★★★★
葱ぼうずとなった葱は愚直なほど直立。身じろぎもしない。そして春を見送っている。ユーモアとどこかペーソスがある。(高橋正子)

陽光を青葉に貯めて柿若葉★★★
庭隅の紫蘭を摘んで活けてみる★★★

●桑本栄太郎
登校の児童一列花みづき★★★★
蕗を茹で灰汁(あく)か香りか匂い立つ★★★
学び舎の午後のチャイムや葱坊主★★★

4月28日(3名)

●谷口博望 (満天星)
銀杏咲き原爆像に日がこぼれ★★★★
マロニエ咲いて平和通りのど真ん中★★★
蝮より河童に見える蝮蛇草★★★

●小口泰與
たんぽぽや日は榛名嶺へ近寄らず★★★★
「日は榛名嶺へ近寄らず」の表現から、太陽が榛名山よりもはるか高く昇っている真昼間を思う。その裾野にたんぽぽが輝いて咲いているのどかな、時を止めたような風景。(高橋正子)

山頂や風に交りし花見鳥★★★
桃花菜小布施の里の繚乱と★★★

●桑本栄太郎
雨垂れの音を聞きつつ春惜しむ★★★★
惜別の音となりたる春の雨★★★
曇りても眼に染む窓の若葉かな★★★

4月27日(4名)

●谷口博望 (満天星)
ジャスミンの異国の匂い懐かしき★★★★
萎れたる展示のあとの牡丹かな★★★
道行の一人静は子を孕み★★★

●河野啓一
天守閣花終わりたる夕雲雀(原句)
花終わり天守の空の夕雲雀★★★★(正子添削)
天守を彩っていた桜が終わり、春もいよいよ酣。天守の空に雲雀が囀り、夕方の空が静かにも大いに楽しくなった。(高橋正子)

鴉追い子雀にやるパンの屑★★★
芦原に響くや淀の揚雲雀★★★

●小口泰與
雨後の庭白磁の如き落花かな★★★
畦塗や川沿い走る足尾線★★★
木の芽漬山家の壁の弓と槍★★★★

●桑本栄太郎
木斛の花や雨降る日もすがら★★★
緋と燃ゆる雨の霧島つつじかな★★★★
雲破れ日射し来にけり菜種梅雨★★★

4月26日(6名)

●谷口博望 (満天星)
八時十五分の鐘や棕櫚の花★★★★
八時十五分は、広島に原爆が投下された時刻だが、今も八時十五分に鐘が鳴らされているのだろうか。棕櫚はヤシ科の常緑高木。初夏の空高くに、黄白色の肉穂花序の花を垂れる。美しい花ではないが、空に鳴り響く鐘の音と共に、時代を忍ばせる雰囲気がある。(高橋正子)

遠くより離れて見たり朴の花★★★
花海桐患者行き交ふホスピタル★★★

●小口泰與
さらさらと坂駆け下る落花かな★★★
古草や榛名山(はるな)の入日はなやぎぬ★★★
若草や田川ぐいっと流れ来る★★★★

●河野啓一
家ごとの深き春見て戻り来る★★★
紅かなめ陽を反したる春ともし★★★
陽を集め水を集めて松葉独活★★★★

●桑本栄太郎
淀川の橋のあまたや春入日★★★★
みどり濃き河川公園芝青む★★★
緋と燃ゆる駅の霧島つつじかな★★★

●廣田洋一
海べりのビル霞みをるアルジェの朝★★★★
霞む海日を浴びて波光りけり★★★
海べりの道走りぬけ朝霞★★★

●川名ますみ
鉄線の花も莟も空を向く★★★★
鉄線の莟は、空を目指しているように思える。平らな花は空の中の花であろうとする。濃紫の鉄線は、春の空に似合う色であり、作者が投影された花であるように思う。(高橋正子)

莟より鉄線の花びらの端★★★
鉄線のつぼみの割れて濃紫★★★

4月25日(8名)

●廣田洋一
道の端ひと際高く薊咲く(原句)
道端にひと際高く花薊★★★(正子添削)

薊咲く工事現場の憂ひ顔(原句)
薊咲く工事現場を憂うかに★★★(正子添削)

タンポポの種ゆつくりと飛んでをり★★★★

●谷口博望 (満天星)
リュック背に鶯聞いて森に入る★★★★
ジャスミンや異国のホテル懐かしき★★★
花銀杏恋の成就は風まかせ★★★

●小口泰與
蒼天を映す水面や花林檎★★★★
ほろほろと桜散る朝鳥の声★★★
花楓新家の嫁の初々し★★★

●小川和子
道明寺菓子の香ほのと八重桜★★★
花吹雪舞うを行き交う人と愛づ★★★
まさしくも大地の匂う草を引く★★★★

●桑本栄太郎
乙訓の丘に夕日や花大根★★★
高槻の車窓過ぎゆくれんげ草★★★★
<熊本地震追悼句>
心せよ火の国雨のつつじ咲く★★★

●河野啓一
湖見ゆる丘の畑の梨の花★★★
朝風に揃いてそよぐ鯉幟★★★★
シャボン玉はかなき虹の美しき★★★

●佃 康水
菩提寺の牡丹や色を競い合い★★★ 
土塊を咥え反転つばくらめ★★★

山藤や木々に絡まり空へ揺れ★★★★
藤は、蔓を伸ばし花をつける。絡まる支柱がいるが、山藤はそばの木々に絡まり、力強く空へ向かい伸び花を付ける。意外にもたくましい藤の花は、目にさわやかで快い。(高橋正子)

●古田敬二
山の色映す田の面や初蛙★★★
美濃の山映す田の面や初蛙★★★★
青空の木の芽めがけて山斜面★★★

4月24日(4名)

●小口泰與
竹の秋田川の水の豊かなる★★★★
竹は春に葉を降らす。田植えが始まるころ、田川には水が奔放に走り、水の豊かさを知る。それが竹の秋の季節だ。(高橋正子)

朝礼や花吹雪舞う分教場★★★
みとりごの泣声は歌桃の花★★★

●谷口博望 (満天星)
ハンカチの花やいつかの夢の空★★★★
花筵弁当開く母と子と★★★
一木の花となるかに藤の花★★★

●河野啓一
キンセンカなお盛りなり春深き★★★★
チューリップ散り終え春を惜しみけり★★★
馬酔木また来る春を待つばかり★★★

●桑本栄太郎
時おりは母の恋しき春の雲★★★★
じゅりじゅりと歓喜の歌や燕来る★★★
大根の花や憂いの雨催い★★★

4月23日(6名)

●谷口博望(満天星)
遠足の女教師は子を叱り★★★
野遊びの金髪少年目立ちけり★★★
遠眼鏡見てて楽しき春小げら★★★★

●小口泰與
畑人へ鋭声発せし雉子かな★★★★
あけぼのの轍あふるる落花かな★★★
境内の足跡も無き花吹雪★★★

●迫田和代
白い雲ゆったり流れる春の空★★★
生まれた仔馬柔らそうに春の草★★★
葉桜の土手道ひかる緑色★★★★

●河野啓一
さわやかな緑の芽吹き朝の庭★★★
ゆたけくて玄関飾る君子蘭★★★
葉桜や若葉の風とともに伸び★★★★

●桑本栄太郎
すかんぽの赤き穂の伸ぶ雨催い★★★★
「スイバ」のことを「すかんぽ」と呼ぶ地方もある。スイバの赤い穂が野原に目立つころは、雨催いの天気が続く。曇り、時ににわか雨、曇りのち雨、などの天気予報も毎日のようだ。穀雨のころの季節がよく詠まれている。(高橋正子)

棚下にすわり眠気や虻の昼★★★
御衣黄の花の終いや紅乗せて★★★

●多田有花
深き頂を通り過ぎる風★★★
青き島浮かべ晩春播磨灘★★★
八重桜絶え間なく散る正午かな★★★★

4月22日(6名)

●河野啓一
チャイム鳴る届く朝の筍が
チャイム鳴り朝の筍届けらる★★★★(正子添削)
仔雀と親雀かなベランダに★★★
スイートピーそっと入れたる乳母車★★★

●谷口博望(満天星)
楪の若葉に花の咲きにけり★★★
竹の子の天をもにぎるきおいあり★★★★
緑立つアメリカ楓に昼の月★★★

●小口泰與
たんぽぽの開くや今朝の鳥の声★★★★
あけぼののあえかに雨の赤八汐★★★
山桜愛車に犬と妻を乗せ★★★

●桑本栄太郎
乳母車の通りゆく日や躑躅燃ゆ★★★★
躑躅があかあかと燃え咲くところを乳母車が通り過ぎる。燃える躑躅の強さ、乳母車のやさしさ。その二つが生命の強さとやさしさを象徴している。(高橋正子)

あおぞらの葉蔭にありぬ花楓★★★
御衣黄の花の終わりや紅乗せて★★★

●川名ますみ
白きまま葉を載せており八重桜★★★
麻服の皺まっすぐに母立ちぬ★★★
若芝にパンダの親子背を汚し★★★★

●古田敬二
一直線丘の上なる初燕★★★★
一直線鳥影引いて初燕★★★
自由という弧を描きつつ燕飛ぶ★★★

4月21日(7名)

●満天星
石楠花の葉は羽根となり宙を飛ぶ★★★
フルートの優しき音色花梨咲く★★★★
花咲きしアベマキの木に川鵜啼く★★★

●古田敬二
人待てば窓外春光美人過ぐ★★★★
大玻璃戸春の陽受けて美人行く★★★
美人過ぐ窓外春の陽受けて★★★

●小口泰與
ピィーと鳴く鳥の数多や朝桜★★★★
淡雪や子猫の肉球ぽにょぽにょと★★★
遅桜棚田へ水のごうごうと★★★

●廣田洋一
藤一樹塀の外まで房垂らす★★★★
参道を吹き抜く風に藤の花★★★
日を浴びて紫匂ふ藤の棚★★★

●佃 康水
火の国の地震を憂うや朧の夜★★★★
このたびの熊本の地震は一週間以上も続く、これまで経験のない地震。こんな地震災害がある夜でも、朧月が美しくかかっている。それを感じる心が、被災者や被災地を憂う心をなお深くしている。難しい題材だが、自然な詠みに心情がくみ取れる。(高橋正子)

蛇の目傘貰う大輪緋の牡丹★★★
トロ箱の苗運ばるる穀雨かな★★★

●桑本栄太郎
花みづき団地の窓をかざりけり★★★
生垣を越えて実の付くゆすらうめ★★★
わらわらと風の木蔭や花は葉に★★★★

●河野啓一
北摂の地は耀きてつつじ咲く★★★
藤の花今日は家内の誕生日★★★★
雨呑みて尾のしだるるや鯉幟★★★
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする