◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●自由な投句箱/12月11日~20日●

2016-12-12 11:22:50 | Weblog

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
コメント (46)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週の秀句/12月11日~20日

2016-12-12 11:20:34 | Weblog

[12月20日]

★散りきって明るくなりぬ枯木山/多田有花
葉が散り、枯木となった冬の山には、真上から日がよく届く。明るく、ほっこりと暖かい。枯木山は、枯の清潔さがあって、明るい。これも枯れの魅力。(高橋正子)

[12月19日]

★小春日の線路交叉の車窓かな/桑本栄太郎
小春日和、車窓から眺めると交叉している線路が日を反射している。この線路に反射する日は、夏よりも冬の方が印象的だ。うらうらとした日差しと、枯れのなかの線路が際立つ。(高橋正子)

[12月18日]

★富士山の雪の耀きビルを越ゆ/川名ますみ
日々の同じ風景を見ても、作者の感動は日々違うものがある。作者の内面の感動に魅かれた。(高橋信之)

★一夜明け初冠雪の際やかに/佃 康水
日常の身辺を詠んだ写生句だが、句の姿がいい。下五の「際やかに」がいい。そこに作者の詩情が込められているのだ。(高橋信之)

★朝日差す雪の浅間や禽の声/小口泰與
上五の「朝日」、中七の「雪」、そして下五の「禽」のそれぞれに自然のいい風景を表わす言葉があって、一句が美しい詩となった。いい俳句だ。(高橋信之)

[12月17日]

★桃色の無邪気弾ける檀の実/谷口博望(満天星)
檀の実は、熟れて弾けると白っぽい桃色とつやつやした朱色を見せる。寒い季節、「まゆみ」という音も、実の様子も可愛らしい。ほかに例えようのない桃色が「無邪気」だと思えたのだろう。(高橋正子)

[12月16日]

★冬晴の仏人墓地へ献花あり/谷口博望(満天星)
私の少年時代の思い出に露人がいる。私は大阪生まれだが、その時の記憶はなく、物心がついたころは、中国大陸の大連に居た。そこは、曽ては露人が居た。中国には、諸国に侵略されていた時代があって、日本が侵略した時代もあった。(高橋信之)

[12月15日]

★子らを待つ部屋の明るき白障子/佃 康水
障子を張り替えて明るくなった部屋。正月に帰省する子供たち家族を心待ちに、障子の明るさを楽しんでいる。(高橋正子)

[12月14日]

★くっきりと緑の九輪冬木立/谷口博望(満天星)
九輪は青銅などの金属などで造られているので緑色に。空にくっきり見て取れる。葉を落としたり、緑を深くした冬木立は、余計なものがない。すっきりとした凛とした景色だ。(高橋正子)

[12月13日]

★吾が肩に軽く挨拶木の葉降る/廣田洋一
「木の葉」は、落葉や枯葉よりも、一枚の葉の印象がつよい。木の葉が降って、軽く肩に降れる。誰かから軽く肩を叩かれたような感じだ。その誰かが、「木の葉」であるのが楽しい。(高橋正子)

[12月12日]

★水色の空の果てより寒波来る/桑本栄太郎
寒波は果たしてどこから来るか。天気図を見れば明らかなのだが、実際、空を仰ぐと「水色の空の果て」から来ると、感じられる。詩とはこういうことであろうと、思う。(高橋正子)

[12月11日]

★寒禽の下枝に歌う一頻り/桑本栄太郎
寒々とした景色に小鳥が歌ってくれるのは、とくに楽しい。それも木の下枝の、手の届きそうなところで。寒禽とのほどよい、一頻り歌ってくれる距離が快い。(高橋正子)
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月11日~20日

2016-12-12 11:06:38 | Weblog
12月20日(5名)

●廣田洋一
引越しの準備を急ぐ年の暮★★★
白き壁際立たせける紅葉かな★★★★
恙無く出張終えし年惜しむ★★★

●小口泰與
冬ばらの此処のみ日矢の当りける★★★
冬ばらの黄にとどまる異邦人★★★
冬ばらの高さ揃えて剪りにける(原句)
冬ばらの高さ揃えて剪りにけり★★★★(正子添削)

●多田有花
ひとかかえの冬の野菜をいただきぬ★★★
散りきって明るくなりぬ枯木山★★★★
葉が散り、枯木となった冬の山には、真上から日がよく届く。明るく、ほっこりと暖かい。枯木山は、枯の清潔さがあって、明るい。これも枯れの魅力。(高橋正子)

落葉焚く香よ懐かしき日々よ★★★

●桑本栄太郎
<六甲アイランド>
海越えの高き橋梁冬の潮★★★★
冬凪の埠頭に舫うタグボート★★★
きらきらと運河茜や冬入日★★★

●谷口博望 (満天星)
二階より皇帝ダリア首を振る★★★
緋鳥鴨鳴けば寂しき被爆川★★★★
かいつぶり独りさすらふ夕間暮れ★★★

12月19日(4名)

●廣田洋一
朝焼けの雲中天に冬の空★★★★
風邪引きていそいそ作る玉子酒★★★
咽喉の奥真つ赤になりて風邪宿る★★★

●小口泰與
凍晴や一目瞭然赤城山★★★★
枯れ枯れて川風激し尾花かな★★★
短日の田居に我が影ただひとり★★★

●多田有花
短日の陽の傾きを見つ下山(原句)
短日の陽の傾きを見つつ下山★★★(正子添削)
「つ」について古語辞典でお確かめください。「しながら」の意味では「つつ」です。

落葉山眺めつ入りぬ露天風呂(原句)
落葉山眺めつつ入りぬ露店風呂★★★★(正子添削)
来年も楽しく山へ忘年会★★★

●桑本栄太郎
小春日の線路交叉の車窓かな★★★★
小春日和、車窓から眺めると交叉している線路が日を反射している。この線路に反射する日は、夏よりも冬の方が印象的だ。うらうらとした日差しと、枯れのなかの線路が際立つ。(高橋正子)

大阪駅冬の入日のビルの壁★★★
ちりちりと赤き六甲山眠る★★★

12月18日(5名)

●廣田洋一
大鍋のおでん炊きたる給料前★★★★
おでん煮る人数分の卵かな★★★
コンビニのおでんで済ます昼食かな★★★

●多田有花
よく晴れて山に向かいし冬半ば★★★
兵の栄枯盛衰落葉敷く★★★★
淡路島冬陽輝く中にあり★★★

●小口泰與
朝日差す雪の浅間や禽の声★★★★
上五の「朝日」、中七の「雪」、そして下五の「禽」のそれぞれに自然のいい風景を表わす言葉があって、一句が美しい詩となった。いい俳句だ。(高橋信之)

たそがれの小舟舫える枯野かな★★★
眼うらに雪の浅間のあるばかり★★★

●佃 康水
一夜明け初冠雪の際やかに★★★★
日常の身辺を詠んだ写生句だが、句の姿がいい。下五の「際やかに」がいい。そこに作者の詩情が込められているのだ。(高橋信之)

この和菓子作りて待つと賀状書く★★★
山茶花の散り敷く路を葬送す★★★

●桑本栄太郎
バスに乗る山陰街道しぐれ空★★★
時雨るるや朝のコーヒー駅の中★★★
天王山の背ナに入日や山眠る★★★★

●川名ますみ
裸木に僅か残りし葉に朝日★★★
コンビニのおでんへ男子立ち漕ぎに★★★
富士山の雪の耀きビルを越ゆ★★★★
日々の同じ風景を見ても、作者の感動は日々違うものがある。作者の内面の感動に魅かれた。(高橋信之)

12月17日(5名)

●廣田洋一
冬空に次々飛べる鶴マーク★★★
パリ空港冷たき風の吹き込めり★★★
真つ白な山川続く旅の空★★★★

●多田有花
大根を亀の子たわしで洗いあげ★★★★
旅人を見送るポインセチアかな★★★
わが耳の冷たさ覆うイアーマフ★★★

●小口泰與
次次に蹴りたる落葉またふわり★★★★
白鳥や光にゆるる利根川(とね)明り★★★
利根川や深き皺ある干大根★★★

●桑本栄太郎
落葉松の落葉散り敷く舗道かな★★★★
朝よりの山陰街道しぐれ来る★★★
木守りと言うに数多の野柿かな★★★

●谷口博望(満天星)
桃色の無邪気弾ける檀の実★★★★
檀の実は、熟れて弾けると白っぽい桃色とつやつやした朱色を見せる。寒い季節、「まゆみ」という音も、実の様子も可愛らしい。ほかに例えようのない桃色が「無邪気」だと思えたのだろう。(高橋正子)

曼珠沙華ピンクに咲きし十二月★★★
裸木に影絵の如く鴉かな★★★

12月16日(5名)

●小口泰與
冬紅葉武蔵の国の平林寺★★★
禅寺の竹垣に映ゆ冬紅葉★★★★
吹きつのる山風尖り霜柱★★★

●多田有花
雨一日過ぎて木枯しの朝に★★★★
前山の木々木枯しに身をよじる★★★
初雪や遠嶺の姿くっきりと★★★

●河野啓一
小春日の空を仰げば師の笑顔★★★
重ね厚きトルコギキョウのさわやかさ★★★
あかあかとポインセチアは医院の門に★★★★

●桑本栄太郎
木枯や煩悩すべて吹き飛ばす★★★
哀しそうな色したたりぬ木守柿★★★
満天星の残る紅葉や雨の緋に★★★★

●谷口博望(満天星)
冬晴の仏人墓地へ献花あり★★★★
私の少年時代の思い出に露人がいる。私は大阪生まれだが、その時の記憶はなく、物心がついたころは、中国大陸の大連に居た。そこは、曽ては露人が居た。中国には、諸国に侵略されていた時代があって、日本が侵略した時代もあった。(高橋信之)

 夕暮の灯寂し冬の凪★★★
寒鴉百合の木の実は花のごと★★★

12月15日(5名)

●小口泰與
瓔珞を乗せる草の葉霜の朝★★★
空風や山は一朶の雲も無し★★★★
川風の時をきざめり帰り花★★★

●多田有花
雲間より冬陽地上に降り注ぐ★★★
冬夕陽沈める先に小豆島★★★★
短日の山下りくれば街の灯が★★★

●佃 康水
嬰寝まる窓に瞬く聖樹の灯★★★
山茶花や今朝散る色の瑞々し★★★

子らを待つ部屋の明るき白障子★★★★
障子を張り替えて明るくなった部屋。正月に帰省する子供たち家族を心待ちに、障子の明るさを楽しんでいる。(高橋正子)

●廣田洋一
冬の庭赤く照らせる万年青の実★★★
サクサクと大根切りて飯用意★★★★
沢庵漬け石を乗せるは祖母の役★★★

●桑本栄太郎
茜さす冬雲光る入日かな★★★
音階の天の息吹か虎落笛★★★
水底に彩の緋色や落葉敷く★★★★

12月14日(5名)

●多田有花
山下りてのちの乾杯忘年会★★★★
口中に蕩けるおでん大根食ぶ★★★
はふはふとほおばる熱き牡蠣フライ★★★

●廣田洋一
やかん提げ凍りし車溶かしけり★★★★
池凍りリンク開放待ち遠し★★★
凍滝や凍りし水の伸び上がる★★★

●小口泰與
遠山の白極まりて落葉時★★★
二人して落葉蹴りたるランドセル★★★★
ざくざくと大地踏みけり軒氷柱★★★

●桑本栄太郎
水道の水の手に切れ寒波来る★★★
階段にエレベーターに落葉敷く★★★★
干し物の出し入れ激し雪気かな★★★

●谷口博望(満天星)
樟を色艶やかに蔦紅葉★★★
くっきりと緑の九輪冬木立★★★★
九輪は青銅などの金属などで造られているので緑色に。空にくっきり見て取れる。葉を落としたり、緑を深くした冬木立は、余計なものがない。すっきりとした凛とした景色だ。(高橋正子)

ぎこちなく冬空を飛ぶ川鵜かな★★★

12月13日(5名)

●谷口博望(満天星)
冴える月鴉くろぐろ舞ふ暮色★★★
雪ばんばサインカーブのごと飛びぬ★★★
銀杏を数えるうちに青信号★★★★

●多田有花
<金剛山登山三句>
冬晴れの大阪湾を見晴るかす★★★★
氷点の頂に立ちみな笑顔★★★
巨大杉見上げて立てり冬の山★★★

●小口泰與
鳶の笛空奪いあう枯木立★★★★
初雪や犬の足跡点てんと★★★
冬草や暁の鉄路の音響き★★★

●廣田洋一
吾が肩に軽く挨拶木の葉降る★★★★
「木の葉」は、落葉や枯葉よりも、一枚の葉の印象がつよい。木の葉が降って、軽く肩に降れる。誰かから軽く肩を叩かれたような感じだ。その誰かが、「木の葉」であるのが楽しい。(高橋正子)

あでやかに川底染める木の葉かな★★★
木の葉散る駆け回る子ら追ひかけて★★★

●桑本栄太郎
ちりちりと山膚赤く寒波来る★★★★
音階は天の息吹か虎落笛★★★
狐火や夜の水車の音もなく★★★

12月12日(5名)

●谷口博望(満天星)
対岸はひときわ目立つ楓紅葉★★★★
ゆらゆらと鴨の水尾引く夕間暮れ★★★
にょきにょきと目玉出したる花八つ手★★★

●多田有花
<空路横浜へ三句>
冬の雲並びし下に海の青★★★
橋渡り冬の港が見えてくる★★★
極月や出航準備の日本丸★★★★

●小口泰與
降り積もる雪や松の木風の中★★★★
うない髪そろい笑顔の冬休★★★
愛好のうわさを頼り冬紅葉★★★

●廣田洋一
年の瀬や海外出張忙しなし★★★
読みかけの本流し読み年暮るる★★★★
予定表見ながら急ぐ年用意★★★

●桑本栄太郎
冬虹のはるか雲間や青き空★★★

水色の空の果てより寒波来る★★★★
寒波は果たしてどこから来るか。天気図を見れば明らかなのだが、実際、空を仰ぐと「水色の空の果て」から来ると、感じられる。詩とはこういうことであろうと、思う。(高橋正子)

ほつほつと肩に額にしぐれ来る★★★

12月11日(3名)

●小口泰與
大沼の器にはべる子鴨かな★★★
山風の山茶花軒をうずめ咲く★★★★
梵鐘を打つや水面の冬紅葉★★★

●桑本栄太郎
寒禽の下枝に歌う一頻り★★★★
寒々とした景色に小鳥が歌ってくれるのは、とくに楽しい。それも木の下枝の、手の届きそうなところで。寒禽とのほどよい、一頻り歌ってくれる距離が快い。(高橋正子)

山茶花の宿となりたる団地かな★★★
遥かまで水色空やしぐれ虹★★★

●廣田洋一
水脈残し群れを離れる鴨番★★★★
冬の星電池を届けるこうのとり★★★
癌検査予約を入れて去年今年★★★

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする