◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/4月1日~10日

2018-04-02 10:08:29 | Weblog

生き生きと、みずみずしい俳句を期待しています。

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


◆俳句添削教室◆
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今日の秀句/4月1日~10日

2018-04-02 10:07:49 | Weblog

4月15日(1句)

★地下を出る東西線や風光る/多田有花
東西線は東京メトロの東京・中野から千葉・西船橋の東西を走る路線。地下から地上の線路に出たときの明るさは、なにげなく嬉しいものだ。外の景色を見れば、明るい。都会の中で、「風光る」を強く感じる時だ。(高橋正子)

4月14日(2句)

★舞いもつる蝶や山風吹きにける/小口泰與
山風の荒さを蝶の舞に見た。「舞いもつる」蝶の翅が破れはしないかと思うほどの山風。虚子の句に「山風の蝶を荒しと思はずや」がある。時に蝶は激しく舞うものだ。(高橋正子)

★初蛙森の沼地に響きおり/多田有花
初蛙の声を聞くと、心がより自然へと向き、活力が湧く気持ちになる。情景がよい。(高橋正子)

4月13日(2句)

★うぐいすや朝の散歩の距離伸ばす/小口泰與
うぐいすの長閑な声。朝の散歩もつい遠くまで歩いてしまう。心も体ものびのびとなる。(高橋正子)

★風光る萌えしばかりの葉もひかる/川名ますみ
「風光る」は見えるかぎりの世界一面。萌えたばかりの葉も日に風に輝いている。すべてに風光る季節だ。(高橋正子)

4月12日(1句)

★山あいの町いちめんの桜かな/多田有花
山あいの小さな町。町はいちめんの桜に埋め尽くされた、桜花爛漫の満ちて静かな風景を見せている。(高橋正子)

4月11日(1句)

★元の華やぐ色や春ストール/廣田洋一
洋服の胸元にきれいな色のスカーフやストールをもってくると、華やかな雰囲気が漂う。擦れ違いざまに、そのきれいな色に、はっと春を感じさせられるのだ。(高橋正子)

4月10日(1句)

★隣席の真白き紙に桜餅/廣田洋一
例えば、句会などで、隣り合わせの席に座る。桜餅がまず隣の人の白い紙に置かれ、配れていく。白い紙と桜餅の淡い桜色、塩漬けした葉のうすうすとした茶色。上品に白い紙とよく似合うのだ。この美がいい。(高橋正子)

4月9日(2句)

★おおかたの花散りしあと花冷えに/多田有花
花がさいているころのひんやりとした寒さを花冷えという。花がほとんど散ったころに、花冷えがする。言葉と実際の齟齬(そご)。今年の早い桜にこういう事態にもなったのだ。(高橋正子)

★門燈に紫透けり木蓮は/廣田洋一
庭の門燈に触れるように木蓮が咲いている。門燈に紫がほのかに透けているのだ。ガレのランプのような紫色に魅かれる。(高橋正子)




4月8日(1句)

★山寺の静けさに花の散るばかり/多田有花
桜が散る季節になった。静かな山寺も散る花にいっそう静かになり、春が惜しまれる。来る夏へと変わる静かな時である。(高橋正子)

4月7日(1句)

★風車風通し良き角の店/廣田洋一
建物の角はどちらから吹く風もよく通る。風車を売る店が角にあって、通りを吹く風に風車がよく回るのだ。売られている風車が色とりどりに回る。楽しい光景だ。(高橋正子)

4月6日(1句)

★靴紐を峠にむすぶ名草の芽/小口泰與
峠まで歩いて来たのか。緩んだ靴紐を結びなおすと、足元には知れた草の芽。これから生長する草の芽に春たけなわの季節が思われる。良い季節。どんどん歩いて行けそうだ。(高橋正子)

4月5日(1句)

★清明のサランラップをぴんと張る/廣田洋一
サランラップを使うのは、台所のごくごく日常のこと。清明を迎えて、ぴんと張り伸ばしたサランラップが透き通って、空気の明るいすがすがしさを見せていると思った。よい生活句。(高橋正子)

4月4日(1句)

★本堂の扉を満開の花へ/多田有花
春の日の寺の本堂は外の明るさのせいもあって、ほの暗い。その本堂の重い扉を開けると満開の花が目にはいった。花の瑞々しさ、ゆたかさ、清潔さなどが一度に身に迫るような感じだった。(高橋正子)

4月3日(1句)

★散り初むる花街道を路線バス/桑本栄太郎
路線バスが走るいつもの道。絢爛とした花街道の桜がちらちらと散り始め、行く春を窓越しに知ることになった。(高橋正子)

4月2日(1句)

万愚節その日生まれの孫五歳/桑本栄太郎
万愚節に生まれた命の存在の真実。エイプリルフールではあるまいかという命に対する思い。五歳の誕生日を健やかに迎えた喜びは貴重。(高橋正子)

4月1日(1句)

★楓の芽煙の如く出で空に/多田有花
楓の芽はごくごく小さく萌え出る。「煙の如く」と思えるのは、無数の芽の出始め。やがて美しい若楓の季節を迎える。「煙の如く」と捉えたのが新しい。(高橋正子)
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4月1日~10日

2018-04-02 10:04:29 | Weblog

4月10日(3名)

多田有花
<御祓山登山三句>
登りゆく三葉つつじの回廊を★★★★
林間にみづめ桜の白き影★★★
頂に残雪の氷ノ山間近★★★

廣田洋一
隣席の真白き紙に桜餅★★★★
例えば、句会などで、隣り合わせの席に座る。桜餅がまず隣の人の白い紙に置かれ、配れていく。白い紙と桜餅の淡い桜色、塩漬けした葉のうすうすとした茶色。上品に白い紙とよく似合うのだ。この美がいい。(高橋正子)

道明寺共に買ひたる桜餅★★★
独り居の昆布茶の香り桜餅★★★

小口泰與
利休忌や磁器となる土ならぬ土★★★★
眼つむりて雪解の川を呼び覚ます★★★
花の下女の子のおかき呉れたまえ★★★

4月9日(3名)

小口泰與
山桜鳥にめざとき童かな★★★★
絵をめずる妻や朝の白躑躅★★★
青柳の広瀬川へとしだれけり★★★

多田有花
椿落つ音の響きし静かな午後★★★
ひとり座し桜大樹と向き合えり★★★
おおかたの花散りしあと花冷えに★★★★
花がさいているころのひんやりとした寒さを花冷えという。花がほとんど散ったころに、花冷えがする。言葉と実際の齟齬(そご)。今年の早い桜にこういう事態にもなったのだ。(高橋正子)

廣田洋一
伸びあがり手を広げましょう紫木蓮★★★
紫木蓮畝を立てたる黒き土★★★
門燈に紫透ける木蓮かな(原句)
門燈に紫透けり木蓮は★★★★(正子添削)
下五の落ち着きが悪いので、添削しました。
庭の門燈に触れるように木蓮が咲いている。門燈に紫がほのかに透けているのだ。ガレのランプのような紫色に魅かれる。(高橋正子)

4月8日(3名)

小口泰與
往年の写真出るや春の宵★★★
茜雲無為に榛名へ鼓草★★★
青空へ雲雀ひかれり川みつる(原句)
「ひかれり」「みつる」とあり、主題が二つになっています。二物衝撃という手法の取り合わせはテレビ等で流行っていますが、取り合わすものの間には不即不離の関係がなければいけません。
青空へ雲雀ひかれり川満々(正子添削例)

廣田洋一
ここは赤あそこは黄色春深し★★★
春の野や早咲きの花とりどりに★★★★
もう咲きし白き躑躅の紅模様★★★

多田有花
山寺の静けさに花の散るばかり★★★★
桜が散る季節になった。静かな山寺も散る花にいっそう静かになり、春が惜しまれる。来る夏へと変わる静かな時である。(高橋正子)

頂を囲み躑躅の垣となる★★★
前山の桜の色の失せにけり★★★

4月7日(3名)

多田有花
花散らす風雨を思う城の日に★★★★
重きほど花つけている藪椿★★★
池の面は散る花びらに覆われる★★★

小口泰與
嬬恋の瀬瀬を越え行く帰雁かな★★★
観音の花みそなわす朝かな★★★★
蕗味噌を白身魚へ酒ふくむ★★★

廣田洋一
風車風通し良き角の店★★★★
建物の角はどちらから吹く風もよく通る。風車を売る店が角にあって、通りを吹く風に風車がよく回るのだ。売られている風車が色とりどりに回る。楽しい光景だ。(高橋正子)

児の目覚め誰かが吹かむ風車★★★
風車一吹きして子に渡す★★★

4月6日(3名)

多田有花
桜から芽吹きの色に変わる山★★★
天空から舞う花びらを両手で受ける★★★
桜大樹沸き立つ如く空へ★★★★

小口泰與
靴紐を峠にむすぶ名草の芽★★★★
峠まで歩いて来たのか。緩んだ靴紐を結びなおすと、足元には知れた草の芽。これから生長する草の芽に春たけなわの季節が思われる。良い季節。どんどん歩いて行けそうだ。(高橋正子)

山と川むつむ上州百千鳥★★★
一叢の土筆へ駆ける園児達★★★

廣田洋一
チューリップ花弁一つ外れけり★★★
蒲公英や夫婦のごとく道の端★★★
たんぽぽに明るくなりぬ道の端★★★★

4月5日(3名)

小口泰與
一羽来て三羽飛び散る枝垂梅★★★
我老いぬカメラ背負いて花の朝★★★
白光の利根の流れや雪解風★★★★

廣田洋一
清明のサランラップをぴんと張る★★★★
サランラップを使うのは、台所のごくごく日常のこと。清明を迎えて、ぴんと張り伸ばしたサランラップが透き通って、空気の明るいすがすがしさを見せていると思った。よい生活句。(高橋正子)

朝風呂の湯気の薄かり清明の日★★★
清明や緑の覆ふ捨畑★★★

多田有花
大島桜正午の日輪やや暑く★★★
湧き起こる桜吹雪を浴び走る★★★★
川べりの夜桜見つつ帰宅する★★★

4月4日(4名)

小口泰與
星と星交差の光り朧かな★★★★
餌台を取り合う鳥や春の朝★★★
あけぼのの鳥語かしまし落椿★★★

廣田洋一
空見上げ川を覗きて花疲れ★★★
昆布茶淹れほつと一息花疲★★★
帽子脱ぎ一片散らす花疲れ★★★★

多田有花
頂上へ桜吹雪を浴びつ行く★★★
いずこにも花びらの舞う山路かな★★★
本堂の扉を満開の花へ★★★★
春の日の寺の本堂は外の明るさのせいもあって、ほの暗い。その本堂の重い扉を開けると満開の花が目にはいった。花の瑞々しさ、ゆたかさ、清潔さなどが一度に身に迫るような感じだった。(高橋正子)

4月3日(4名)

廣田洋一
西の空ほのかに赤き春の暮★★★
鍬の跡くつきり残り春の暮★★★★
何となく海を見つめる春の暮★★★

多田有花
青鷺が何かを狙う花の下★★★
南の陽受け続々と躑躅かな★★★
山路いま三葉躑躅の色に染め★★★★

小口泰與
春暁や富士と見まがう榛名富士★★★
酔うままに見やる青磁や春の闇★★★
名にし負う箕郷の郷の梅の花★★★★

桑本栄太郎
行く人の後に道有り連翹忌★★★
大正の母の着物か紫木蓮★★★
散り初むる花街道や路線バス(原句)
散り初むる花街道を路線バス★★★★(正子添削)
路線バスが走るいつもの道。絢爛とした花街道の桜がちらちらと散り始め、行く春を窓越しに知ることになった。(高橋正子)

4月2日(4名)

多田有花
開き初む染井吉野に甍かな★★★★
開山堂に淡き紅色姫こぶし★★★
いずこにも花見の人の繰り出しぬ★★★

小口泰與
葦焼くや白鳥北へ帰りける★★★
岩燕利根の源流見てみたし★★★★
酒は今見ぬちをめぐる朧かな★★★

廣田洋一
木霊をば抜き取り飛ばす柳絮かな★★★
池の水白く光りて柳絮飛ぶ★★★
柳絮飛ぶ三重塔の高き丘★★★★

桑本栄太郎
万愚節その日生まれの孫五歳★★★★
万愚節に生まれた命の存在の真実。エイプリルフールではあるまいかという命に対する思い。五歳の誕生日を健やかに迎えた喜びは貴重。(高橋正子)

鴨川の土手にカップル花の昼★★★
昇降機降りて咲き居り庭さくら★★★

4月1日(3名)

小口泰與
同胞の通夜の座敷や木の芽和★★★★
雨後の木の瑞瑞しきや雉の声★★★
みどり子に添い寝の小犬花の昼★★★

廣田洋一
葉の出でて青みがかりし桜かな★★★
風無くも静心なき桜かな★★★
一片づつ光放ちて桜散る★★★★

多田有花
楓の芽煙の如く出で空に★★★★
楓の芽はごくごく小さく萌え出る。「煙の如く」と思えるのは、無数の芽の出始め。やがて美しい若楓の季節を迎える。「煙の如く」と捉えたのが新しい。(高橋正子)

風吹けば梅花吹雪と成りて散る★★★
手水舎の水音枝垂れ桜かな★★★
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