◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/3月11日~20日

2019-03-12 21:38:58 | Weblog

※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


◆俳句添削教室◆
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◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02

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今日の秀句/3月11日~20日

2019-03-12 21:38:18 | Weblog

3月20日(1句)

★種芋を植えし畝の曲がりおり/古田敬二
畝が曲がっている。畝に植えられたものが想像できる。小さな種ではなく、芋なのだ。だから、曲がってもそれが自然と思える。(高橋正子)

3月19日(2句)

★陽を受けてただひたすらに白き梅/多田有花
陽を受けた梅は、ただ日を返してひたすらに、自分の白さに専念している。ひたすらだが、あっさりとしている。(高橋正子)

★春の潮老いの歩幅のリズムかな/古田敬二
春の潮が打ち寄せる。波打ち際を散歩しているのか、老いた身が歩く歩幅ちょうどあったリズムなのだ。
打ち寄せる潮と一体になったような、なにか楽しさがある。(高橋正子)

3月18日(2句)

★春林や丸太小屋よりジャズ流る/小口泰與
丸太小屋、ログハウスというのか、春の林のなかから、ジャズが聞こえる。ジャズと丸太小屋。その人の趣味が知れる。生活を楽しんでいる人だな、と思う。(高橋正子)

★柔らかき草に落ちたり薮つばき/桑本栄太郎
椿が落ちたところが、柔らかい草の上。赤い藪椿が、またそこに新しく咲いたようだ。(高橋正子)

3月17日(2句)

★祖父からの万年筆や櫻の芽/小口泰與
櫻の芽と万年筆から思い出すのは、私世代では、高校や大学の入学祝で送られた万年筆である。作者も何らかのお祝いに祖父から贈られたものであろうかと思う。「父」でなく「祖父」というのが、代々その家に暮らす人の温かみが感じられて、万年筆の艶がしっとりしてくる。(高橋正子)

★山茱萸の満開伊吹遠景に/古田敬二
山茱萸が自生しているところからの眺めだろうか。満開の山茱萸のきれいな黄色が、遠くの伊吹嶺に映えて美しい景色を見せてくれている。いい景色を見ると心が洗われる。(高橋正子)

3月16日(2句)

★好日のいよよ濃きかな黄水仙/小口泰與
この句での「好日」は、「晴れて気持ちの良い平穏な日」と解釈したい。そんな日は、黄水仙がますます色濃く、晴れやかに思える。(高橋正子)

★早々と一輪光る桜かな/廣田洋一
早々と咲きだした桜。一輪だけに、そのみずみずしさ、初初しさは「光る」と言いたい花だ。小さなものを愛おしむ気持ちがやさしい。(高橋正子)

3月15日(2句)

★暖かし花芽の少し色付きて/廣田洋一
花の芽に少し色がついて、開くのが楽しみになってくる日だ。「暖かし」をつくづく思うことである。(高橋正子)

★春耕の土の香りやトラクター/桑本栄太郎
トラクターが鋤き起こしてゆく土からは、「土の香り」が立ち上がる。春の耕しに土も生き生きとしてきた。(高橋正子)

3月14日(2句)

★山裾の古刹の庭にふきのとう/多田有花
早春の山裾の古刹。ふきのとうが出て、古びたなかに、心落ち着く心やすさと感じる。親しきふきのとうだ。(高橋正子)

★登りきりそこから続く白木蓮/古田敬二
山を登り切った。そこからは見事な白木蓮の道が続いている。その白い花の美しさに圧倒される。(高橋正子)

3月13日(2句)

★ブランコの風を纏いぬ子供達/桑本栄太郎
ブランコを高く漕ぎあげると、風が生れて子供達に纏わる。洋服が体にピタッとくっつき、髪の毛が吹き上がる。ブランコで遊ぶたのしそうな子供たちの風景。(高橋正子)

★花は八重鈴なりに咲く椿かな/廣田洋一
「花は八重なんですよ。」「それが、鈴なりに咲いている椿なんですよ。」という俳句。椿の情趣も花の種類によってさまざま。この句は、豪華な八重椿。(高橋正子)

3月12日(1句)

★小さくも雛の在りし場寂しけり/廣田洋一
小さな雛を飾っていたのだが、雛を納めると、その場所が、さびしくなる。飾ってる間は雛のお顔と何気なく顔を合わせていたのかもしれない。雛の衣装の色も消えてしまった。(高橋正子)

3月11日(1句)

★木蓮やアンテナの向き皆おなじ/小口泰與
木蓮の咲くころ太陽はそれほど眩しくなく、つい、空を見る。屋根の高さほどの木蓮を見ると、どの家のアンテナも同じ向きを向いて、規則正しさが面白い。(高橋正子)

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3月11日~20日

2019-03-12 21:34:52 | Weblog

3月20日(5名)

小口泰與
淡月や若き二人の観覧車★★★
分校の宿直室や竹の秋★★★★
雛菊や白球追える小学生★★★

多田有花
囀りの日ごと増えゆく山路かな★★★
よく晴れし彼岸の入りの山歩く★★★
さくらんぼのなる木だよと初花に★★★

廣田洋一
太き息吐くごと咲きし喇叭水仙★★★★
喇叭水仙ブラスバンドの近づけり★★★
喇叭水仙重たき花を括られる★★★

桑本栄太郎
きらきらと綺羅の水面や風光る★★★
倒木の透けて見えをり春の池★★★
春風や急き立てらるる散歩犬★★★★

古田敬二
沈丁花馨はどこから来るのやら★★★
種芋を植えし畝の曲がりおり★★★★
木蓮の蕾太りて夕暮れる★★★★

3月19日(5名)

多田有花
雉鳴くを聞きつつ朝の干し物を★★★
陽を受けてただひたすらに白き梅★★★★
初蝶や日当たりのよき頂に★★★

古田敬二
芽吹き待つ大樹の下書を読む老独り★★★
寄りあいて春蘭蕾咲くを待つ★★★
春の潮老いの歩幅のリズムかな★★★★

廣田洋一
古き巣の近くに群れる百千鳥★★★
幼子も共に声上げ百千鳥★★★★
百千鳥川の流れは変わらずに★★★

小口泰與
ばらの芽の血流の色雨の中★★★
白梅や昇る朝日と鳥の声★★★★
激つ瀬の岸辺に鳥や桑芽吹く★★★

桑本栄太郎
開け放つ白壁民家や里の春★★★★
水入りのボトル並びぬ春の庭★★★
春動く時に名句の生れけり★★★

3月18日(5名)

多田有花
春浅き尼寺にクリスマスローズ★★★
馬酔木咲く豪雨禍伝える碑の横に★★★
春霰去れば沖合いくっきりと★★★

小口泰與
落葉松の芽吹く山道風の道★★★
万蕾と雫や雨のしだれ梅★★★
春林や丸太小屋よりジャズ流る★★★★

古田敬二
空映す爆弾跡の春の水★★★
鳥動きひとひらひらり梅の花★★★
天の雲早く流れて冴え返る★★★★

廣田洋一
空の色未だ吸ひ足らぬ犬ふぐり★★★
何者か一つ零せり犬ふぐり★★★
犬ふぐり道を外れて坐してをり★★★

桑本栄太郎
ゆつたりと風に柳の春意かな★★★
柔らかき草に落ちたり薮つばき★★★★
街道の弁柄門や風光る★★★

3月17日(5名)

廣田洋一
春光や名も知らぬ草目覚めさせ★★★
せせらぎや春光絡めきらめきぬ★★★★
春光を口開けて呑む鯉の群れ★★★

小口泰與
万蕾の梅や朝の雨しずく★★★
あえかなるあかきばらのめあさのあめ★★★★
祖父からの万年筆や櫻の芽★★★★

多田有花
滝ひとすじ春寒のなかへ落ちてくる★★★★
豪雨禍のまだ生々し春の山★★★
春山の頂に座す文殊かな★★★

桑本栄太郎
畦青む車窓つづくよ阪急線★★★★
眼の覚めるような畦なり犬ふぐり★★★
北山の嶺の見えざり春の雨★★★

古田敬二
山茱萸の満開伊吹遠景に★★★★
山茱萸の満開伊吹夕暮れる★★★
山茱萸の八十路の我にある力★★★

3月16日(5名)

小口泰與
語り部の女将や宿の夜の梅★★★
好日のいよよ濃きかな黄水仙★★★★
火の山は靄の中なり梅真白★★★

廣田洋一
早々と一輪光る桜かな★★★★
紫の花を積み上げ風信子★★★★
春暁や星の瞬き二つ三つ★★★

多田有花
白梅といえど蕾は紅を持つ★★★★
舞妓さんが土俵見つめる浪花場所★★★
春嵐終日ダイヤ乱れたり★★★

桑本栄太郎
薺咲く白き田面や休耕田★★★
さざ波の田水となりぬ春の風★★★★
池の面の風に波打つ木の芽かな★★★

3月15日(5名)

古田敬二
啓蟄やジャム瓶蓋の固きこと★★★
啓蟄や虫の動きの目覚めけり★★★
啓蟄に島中猫の動きだす★★★

多田有花
いぬふぐり地上の星はそこにあり★★★
老夫婦梅を見上げつお弁当★★★
梅林の上に残りし飛行機雲★★★★

小口泰與
山茱萸の万朶の花と雨雫★★★★
段畑の風の鳶の輪麦青む★★★
万蕾の梅や雀のとまり木よ★★★

廣田洋一
採れたての分葱を配る文化センター★★★
お土産の煎餅かじり暖かし★★★
暖かし花芽の少し色付きて★★★★

桑本栄太郎
バザーなる看板幹に落椿★★★
青ざめて木蓮楚々と開きけり★★★
春耕の土の香りやトラクター★★★★

3月14日(5名)

小口泰與
一斉に山茱萸咲くや風の谷★★★
沈丁や朝刊とりに門扉まで★★★★
成り行きのままに生きたし柳の芽★★★

廣田洋一
同じ模様鉢を覆ひしパンジーかな★★★
新しきタカラジェンヌやすみれ咲く★★★
パンジーや猫にも見ゆる貌のあり★★★

古田敬二
三月や朝の陽ざしの高くなる★★★
登りきるそこから始まる木蓮道★★★

登りきるそこから続く白木蓮(原句)
切れは、そこで切ってしまうのでなく、次の句と不即不離の関係をつくります。「登り切る」では、切れすぎです。
登りきりそこから続く白木蓮★★★★(正子添削)

多田有花
銭湯にひとり浸かりし春の夜★★★
山裾の古刹の庭にふきのとう★★★★
のどけしや地蔵そろいのよだれかけ★★★

桑本栄太郎
池の辺の風に波打つ木の芽吹く★★★

春北風やゲートボールの着込み居り(原句)
春北風やゲートボールの人ら着込み★★★(正子添削)

山茱萸の枝の張り出す川辺かな★★★★

3月13日(4名)

古田敬二
思い出の母と山畑麦を踏む★★★
母と踏む小さき山の麦畑★★★★
春光の届く水底魚影光る★★★

小口泰與
紅梅や天へゆったり観覧車★★★★
大鏧を打つや境内落椿★★★
おもむろに振り向く我に落椿★★★

桑本栄太郎
ブランコの風を纏いぬ子供達★★★★
春風や大根ぬつと背伸びせり★★★
土手上の畑の一面花菜風★★★

廣田洋一
八重の花鈴なりに咲く椿かな(原句)
花は八重鈴なりに咲く椿かな★★★★(正子添削)
水温む釣人来たる池の端★★★
池を出で身寄りを探す蛙かな★★★

3月12日(4名)

小口泰與
街の蝶はや遁走の構えかな★★★
蜂の巣を燃やすおさなの奇声かな★★★
釣人へまつわる虻や日の高き★★★★

多田有花
春の川渡れば熊本駅に着く★★★
うららかやバス待つ人と歓談す★★★
熊本の名物もらう春日和★★★

廣田洋一
雛納め見慣れし人の去りしごと★★★
小さくも雛の在りし場寂しけり★★★★
顔を撫で着物を払ひ雛納★★★

桑本栄太郎
鈴なりの房となりたり馬酔木咲く★★★
堰水の楽となり居り春の川★★★★
浮雲の嶺のおちこち春日さす★★★

3月11日(3名)

小口泰與 
ほつほつと大地割たるつくつくし★★★
木蓮やアンテナの向き皆おなじ★★★★
初蝶と連れそう子等の帰り道★★★

多田有花
肥後椿咲く路地抜けて川に出る★★★★
白川の河原に群れし春の鴨★★★
川沿いの道ゆっくりと春の朝★★★

廣田洋一
3月11日半旗に向かひ合掌せり★★★
津波から掘り出されたる内裏雛★★★★
3月やあの人の声聞く海辺★★★

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