◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/6月1日~10日

2020-06-02 07:15:40 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

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今日の秀句/6月1日~10日

2020-06-02 07:14:48 | Weblog
6月10日(3句)

★緑陰や丸太小屋よりジャズ流れ/小口泰與
丸太小屋は、北アメリカの西部開拓の象徴のようなものだが、日本にも伝わって丸太小屋を楽しむ人たちがいる。その人たちはやはり開拓時代の文化にあこがれるのか、ジャズが好きで、緑陰の丸太小屋でジャズを流して、ゆとりある生活を楽しんでいる。(高橋正子)

★冷麦や一箸ごとに鳴る氷/廣田洋一
俳句でこそ詠みたいシーン。氷水に浮かべた冷麦を箸で掬うとそのたびに氷がふれて涼しそうな音を立てる。氷の音もごちそうに。(高橋正子)

★真夜中の月こうこうと植田を渡る/多田有花
真夜中の月は空高くのぼり、植田をこうこうと渡ってゆく。植田の月は、すばらしく美しい。(高橋正子)

6月9日(2句)

★噴煙の伸び行く先の青葉かな/小口泰與
日々眺めている浅間山の噴煙は、今日は青葉の方へ伸びていった。生き生きとした青葉と噴煙の伸びる様子が力強くて夏らしい。(高橋正子)

★皮脱ぎし竹のすらりと瑞々し/多田有花
皮を脱いだ竹がすらりと天にのびている姿は、見ていて気持ちがいい。「瑞々しい」と感じるのは、その若竹の色としなやかな戦ぎのせいだろう。(高橋正子)

6月8日(3句)

★紫陽花の香にむせたるや茶を喫す/廣田洋一
紫陽花の花がたくさん咲いている傍にいるのか。紫陽花は、近くにいると、力強い青くさい匂いがする。お茶を飲もうとすると、むせるような匂いだ。紫陽花を視覚だけでなく、嗅覚でとらえた句で、梅雨時のうっとしさを感じるリアルさがある。(高橋正子)

★集落の水音高く植田へと/多田有花
「集落」というは把握の仕方で、植田の水音が集中して高らかに聞こえる。単純化されたとらえ方がいい。(高橋正子)

★つつましき小花くりやに花南天/桑本栄太郎
くりやの窓などに小さな花を置いて楽しむことは、私もよくする。なんの花でも、一輪あれば台所仕事がたのしくなる。花南天の花がつつましく活けられて、いい暮らしがしのばれる。(高橋正子)

6月7日(2句)

★早苗田に棟映りて真昼なる/多田有花
うす緑の早苗を溺らすほど水が張られて、薄紫の花の棟を映している。「真昼なる」で、静かな明るさがたしかなものとなった。(高橋正子)

★サングラス掛けて歩めば影の濃く/桑本栄太郎
サングラスを掛けると、景色はうす暗くなるのだが、単に、うす暗くなるのではなく、
影となっているところは、濃いと、意外な発見。サングラス姿が粋になる。(高橋正子)

6月6日(1句)

★あめんぼの堰に至りて慌てけり/桑本栄太郎
水の流れも気にせず、あめんぼが気持ちよく泳いでいたが、堰のところにきて、席を落ちそうになり、そのはずではなかったと、慌てて脚を動かす。水の生き物ながら、その様子がおかしい。(高橋正子)

6月5日(2句)

★青胡桃利根上流の石の間に/小口泰與
利根川の上流には胡桃の木があって、風などで落ちた青胡桃が石の間に流れることもなく、挟まっている。青胡桃の小さな運命をそこに見た。(高橋正子)

★ショーウィンドウ薄暑の街を映しおり/多田有花
薄暑の街には、ショーウィンドウが強くなりはじめた日差し返している。日差しを強く反射して、街ゆく人や車、向こう側のビルなど映して、もうひとつ街を作っている。こんな景色に初夏の明るさが見える。(高橋正子)

6月4日(1句)

★青空に染まらぬ黄金麦の秋/廣田洋一
麦が熟れると畑は黄金色になる。熟れ麦の黄金色は、けっして青空を染めることはなく、截然と青と黄金を際立たせている。麦の熟れる季節のからっとした明るさがいい。
(高橋正子)

6月3日(1句)

★駅前に鐘を鳴らして氷菓売/廣田洋一
アイスキャンデーを売って移動する人をあまり見かけなくなったが、駅前で、チリンチリンを鐘を鳴らしてアイスキャンデーを売っている。これぞ夏の風物詩という光景だ。
(高橋正子)

6月2日(1句)

★木洩れ日の高き梢や青銀杏/桑本栄太郎
日を透かす銀杏の木に青い実がついている。緑の葉の中の青銀杏は、目に涼やかで気持ちのよいものだ。(高橋正子)

6月1日(1句)

★あめんぼうはや水捉ふ棚田かな/小口泰與
棚田に水が入れば、すぐに水の生き物たちが動き始める。あめんぼうも早速、水を捉えて、泳ぎ始めた。「捉える」にあめんぼうの手始めの慎重さがあって面白い。(高橋正子)
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6月1日~10日

2020-06-02 07:13:05 | Weblog
6月10日(4名)

小口泰與
万緑や湖より下る温泉(ゆ)の街へ★★★

緑陰や丸太小屋よりジャズ流れ★★★★
丸太小屋は、北アメリカの西部開拓の象徴のようなものだが、日本にも伝わって丸太小屋を楽しむ人たちがいる。その人たちはやはり開拓時代の文化にあこがれるのか、ジャズが好きで、緑陰の丸太小屋でジャズを流して、ゆとりある生活を楽しんでいる。(高橋正子)

里山の渓流沿いや桐の花★★★

廣田洋一
冷麦の赤を取り合ふ兄妹★★★
冷麦や薬味刻むに大わらは★★★

冷麦や一箸ごとに鳴る氷★★★★
俳句でこそ詠みたいシーン。氷水に浮かべた冷麦を箸で掬うとそのたびに氷がふれて涼しそうな音を立てる。氷の音もごちそうに。(高橋正子)

多田有花
夕風に夏鶯の声続く★★★
真夜中の月こうこうと植田を渡る★★★★
真夜中の月は空高くのぼり、植田をこうこうと渡ってゆく。植田の月は、すばらしく美しい。(高橋正子)

入梅にぱらつくほどの雨があり★★★

桑本栄太郎
かさこそと病葉道や泰山木★★★
アマリリス咲いて園児ら登園す★★★
時の日や近江神社の漏刻祭★★★★

6月9日(4名)

小口泰與
夕さりの禽に狙わる杏子かな★★★
若葉風素振り百回繰り返し★★★

噴煙の伸び行く先の青葉かな★★★★
日々眺めている浅間山の噴煙は、今日は青葉の方へ伸びていった。生き生きとした青葉と噴煙の伸びる様子が力強くて夏らしい。(高橋正子)

廣田洋一
竹林の隙間を埋める竹落葉★★★
毬により色違へたる七変化★★★
青色の未だ見えざる七変化★★★★

多田有花
薄曇る空へもくもく栗の花★★★
残る田に早苗植わりて宅地を映す★★★
皮脱ぎし竹のすらりと瑞々し★★★★
皮を脱いだ竹がすらりと天にのびている姿は、見ていて気持ちがいい。「瑞々しい」と感じるのは、その若竹の色としなやかな戦ぎのせいだろう。(高橋正子)

桑本栄太郎
浮雲の峰の彼方や夏日さす★★★
天上の小鳥の声や木下闇★★★★
黄金の色となりたる小判草★★★

6月8日(4名)

小口泰與
未央柳琥珀の酒の瓶の揺れ★★★
靴ひもの緩むや雨の額の花★★★
浮き石を踏みし釣人時鳥★★★★

廣田洋一
昨日は赤今日は紫七変化★★★
垣根をば少しはみ出す額の花★★★

紫陽花の香にむせたるや茶を喫す★★★★
紫陽花の花がたくさん咲いている傍にいるのか。紫陽花は、近くにいると、力強い青くさい匂いがする。お茶を飲もうとすると、むせるような匂いだ。紫陽花を視覚だけでなく、嗅覚でとらえた句で、梅雨時のうっとしさを感じるリアルさがある。(高橋正子)

多田有花
六月の空に一朶の雲もなし★★★
青鷺が流れに一歩踏み出せり★★★
集落の水音高く植田へと★★★★
「集落」というは把握の仕方で、植田の水音が集中して高らかに聞こえる。単純化されたとらえ方がいい。(高橋正子)

桑本栄太郎
木々の上の天の高きや木下闇★★★★
つつましき小花くりやに花南天★★★★
くりやの窓などに小さな花を置いて楽しむことは、私もよくする。なんの花でも、一輪あれば台所仕事がたのしくなる。花南天の花がつつましく活けられて、いい暮らしがしのばれる。(高橋正子)

真夏日のひと日暮れゆく茜かな★★★

6月7日(4名)

小口泰與
あじさいや雨後の渓流石運ぶ★★★★
退職後長き余生や百日紅★★★
さつき咲く魚影瞬時岩の淵★★★

廣田洋一
ふんわりと真白に広げ百合の花★★★★
門前に砲列しきし百合の花★★★
夫々が夫々の顔百合の花★★★

多田有花
早苗田に棟の映りて真昼なる(原句)
早苗田に棟映りて真昼なる★★★★(正子添削)
うす緑の早苗を溺らすほど水が張られて、薄紫の花の棟を映している。「真昼なる」で、静かな明るさがたしかなものとなった。(高橋正子)

巣立ちし子夏つばめとなり電線に★★★
蚊取線香朝の光に燃え残る★★★

桑本栄太郎
青梅の頬に紅さす軒端かな★★★
サングラス掛けて歩めば影の濃く★★★★
サングラスを掛けると、景色はうす暗くなるのだが、単に、うす暗くなるのではなく、
影となっているところは、濃いと、意外な発見。サングラス姿が粋になる。(高橋正子)

心地良き葉擦れの音に若葉風★★★

6月6日(4名)

小口泰與
定刻や水面震わす目高どち★★★
忽然と篠突く雨の今朝の薔薇★★★★
十一の滝の名なづく秋桜子よ★★★

廣田洋一
日々新た花登り行く立葵★★★★
大雨に姿勢正しく立葵★★★
重石載せ漬け終わりたる梅の実かな★★★

多田有花
涼風の通りし部屋でフィットネス★★★
薄曇る空に響きぬ初ほととぎす★★★
高低の虚空自在に夏つばめ★★★★

桑本栄太郎
咲き初むる空の曇りや夾竹桃★★★
シャンソンの調べの斯くやアマリリス★★★

あめんぼの堰に至りて慌てけり★★★★
水の流れも気にせず、あめんぼが気持ちよく泳いでいたが、堰のところにきて、席を落ちそうになり、そのはずではなかったと、慌てて脚を動かす。水の生き物ながら、その様子がおかしい。(高橋正子)


6月5日(4名)

廣田洋一
群れを成す飛魚競ふ観光船★★★★
尾ひれにて海面叩く飛魚かな★★★
羽広げあご(飛魚)の刺身大皿に★★★

小口泰與
青胡桃利根上流の石の間に★★★★
利根川の上流には胡桃の木があって、風などで落ちた青胡桃が石の間に流れることもなく、挟まっている。青胡桃の小さな運命をそこに見た。(高橋正子)

青りんご佐久の台地の鯉の池★★★
石楠花や嶺より雲を吐き出しぬ★★★

多田有花
ショーウィンドウ薄暑の街を映しおり★★★★
薄暑の街には、ショーウィンドウが強くなりはじめた日差し返している。日差しを強く反射して、街ゆく人や車、向こう側のビルなど映して、もうひとつ街を作っている。こんな景色に初夏の明るさが見える。(高橋正子)

快晴に紫陽花色づき初めし朝★★★
梅雨を待つ岸辺の石の白く光る★★★★

桑本栄太郎
朝の日に風を誘いぬ金糸梅★★★★
芒種早や足元絡む草の道★★★
一動作ごとの気合や溽暑来る★★★

6月4日(4名)

小口泰與
ばら剪や昨夜の雨粒浴びにける★★★★
雨蛙家を覆いし大合唱★★★
花桐や火の見櫓の錆びており★★★

廣田洋一
裏山に一閃二閃竹落葉★★★
青空に染まらぬ黄金麦の秋★★★★
麦が熟れると畑は黄金色になる。熟れ麦の黄金色は、けっして青空を染めることはなく、截然と青と黄金を際立たせている。麦の熟れる季節のからっとした明るさがいい。
(高橋正子)

空の青山の緑や麦の秋★★★

多田有花
スナップえんどうバター炒めの昼餉かな★★★
アイマスクつけて昼寝を日課とす★★★
短夜の街灯残る明けの空★★★★

桑本栄太郎
さなぶりや婆の酔いたる安来節★★★★
立ち居ごと声の出で居り溽暑来る★★★
カーテンの膨らみへこむ夏日かな★★★

6月3日(4名)

小口泰與
斑猫や林の中の無言館★★★★
太古より蜘蛛の子散りて輪廻かな★★★
花ばらや夫ゆったりと湯あみせる★★★

廣田洋一
三輪車見守る親や氷菓舐む★★★

駅前に鐘を鳴らせる氷菓売(原句)
駅前に鐘を鳴らして氷菓売★★★★(正子添削)
アイスキャンデーを売って移動する人をあまり見かけなくなったが、駅前で、チリンチリンを鐘を鳴らしてアイスキャンデーを売っている。これぞ夏の風物詩という光景だ。
(高橋正子)

氷菓手にそぞろ歩きの渚かな★★★

多田有花
絹さやを味噌汁の具とする朝餉★★★
六月は薄曇りにて明けにけり★★★★
銭葵ありしいずこも畑のそば★★★

桑本栄太郎
鳧鳴いて団地の空の曇りけり★★★
矍鑠(かくしゃく)と老鶯鳴くや池のやぶ★★★★
距離を取り目と目が合いぬ夏マスク★★★

6月2日(4名)

小口泰與
忽然と祈願の花火西の空★★★
郭公やここらは寺のあととかや★★★
榛名湖へ道ひと筋や道教え★★★★

廣田洋一
連れ立ちて道渡りくる竹落葉★★★
裏山の閃々として竹落葉★★★
竹垣の無きが如くに竹落葉★★★

多田有花
動画にて体動かす五月尽★★★
日よけされ早苗並びし淡路島★★★★
せせらぎの音に包まれ夕涼み★★★

桑本栄太郎
木洩れ日の高き梢や青銀杏★★★★
日を透かす銀杏の木に青い実がついている。緑の葉の中の青銀杏は、目に涼やかで気持ちのよいものだ。(高橋正子)

青柿のいとけなき実の側溝に★★★
緑陰の木洩れ日ありぬ太極拳★★★

6月1日(3名)

小口泰與
渓流の砂地へ五頭黒揚羽
大木を揺らす地震あり兜虫★★★
あめんぼうはや水捉ふ棚田かな★★★★
棚田に水が入れば、すぐに水の生き物たちが動き始める。あめんぼうも早速、水を捉えて、泳ぎ始めた。「捉える」にあめんぼうの手始めの慎重さがあって面白い。(高橋正子)

廣田洋一
畝一つ黄色く染めし胡瓜の花★★★★
畝一つ黄色く染めし花胡瓜(添削例)
五七五にそろえれば添削例のようにしてもよいと思います。(高橋正子)

通る度花の増えたる胡瓜畑★★★
ジョギングの親子駆け抜け花胡瓜★★★

桑本栄太郎
蔵の無き道端なれど小判草★★★
ひらひらと時を舞たる竹落葉★★★
風呂洗い孫の来ぬ日や浮人形★★★★

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