◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/7月21日~31日

2020-07-22 09:25:25 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

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今日の秀句/7月21日~31日

2020-07-22 09:24:23 | Weblog
7月31日(1句)

★梅雨明けや真白き雲の立ち上がる/多田有花
「真白き」「立ち上がる」に、梅雨明けの晴れ晴れした気持ちが読み取れる。何よりも雲が真白であるのがいい。伸びあがるように、「立ち上がる」のがいい。(高橋正子)

7月30日(2句)

★一文字の「氷」の旗やかき氷/廣田洋一
かき氷を売る店には、必ずといってよいほど「氷」と一文字書いた旗が吊るされている。一目見て、その昔ながらの旗は、「氷」一文字ながら、いろんなシロップのかかったかき氷を思い起こさせる。「氷」の旗がイメージさせるものが力強い。(高橋正子)

★熊蝉の声に囲まれ洗濯を/多田有花
朝から熊蝉がシャンシャンシャンシャン鳴きたてる。熊蝉に囃したてながら洗濯をするが暑さの中、水を使う楽しさがある。(高橋正子)

7月29日(1句)

★新しきすだれ越しなる西日さす/桑本栄太郎
西日を避けるために新しいすだれを垂らした。西日を遮るためながら、すだれをもれる西日のなんと新しく新鮮なこと。新しいすだれば、西日までも新しくした。(髙橋正子)

7月28日(1句)

★朝涼や嬬恋村の広き畑/小口泰與
嬬恋村は夏はキャベツなどの高原野菜が一面に育ち、目にも涼しさを誘う景色が広がる。広い畑は、朝の涼しさに満ちている。(高橋正子)

7月27日(1句)

★送電線の峰から谷へ梅雨の山/桑本栄太郎
送電線が峰から谷へ渡っている光景は、よく見かける。それが感興をもって詠まれたのは、梅雨の山の緑濃き重量感。思えば男性的な風景だ。(高橋正子)

7月26日(1句)

★滝の音杉大木の向こうから/古田敬二
杉が大木となるまでには、数十年、あるいは百年とかかるだろうが、大木となり風格を備えた杉の向こうのほうから瀧が落ちる音が聞こえる。山の冷気、滝の冷気に触れたような句。(高橋正子)

7月25日(1句)

★雨に濡れ幹つやつやと百日紅/廣田洋一
暑い日にもかがやかに花を咲かせ続ける百日紅は、雨の日には、そのつるつるした幹がつやつやとして印象に残る。雨の日の百日紅の良さ。(高橋正子)

7月24日(1句)

★河童忌の溝川速し畦の草/桑本栄太郎
河童忌は、7月24日の芥川龍之介の命日。龍之介が河童の絵を好んで描いたり、短編小説に「河童」があるところから、「河童忌」と呼ばれるようになった。
河童は水に棲む架空の動物。畦の草を押し流さんばかりに溝川が急ぎ流れている。溝川ながら、泳ぎの得意な河童も流されそう。溝川の様子に河童忌を重ねた。(高橋正子)

7月23日(2句)

★昼顔や工事現場を明るくす/廣田洋一
工事現場には、ショベルカー、コンクリート、金属パイプなど、荒っぽい殺風景な景色なのだが、あわいピンク色の昼顔が周りに咲くと、工事現場は明るくなる。人のこころまでがやさしくなりそうだ。(高橋正子)

★落蝉の仰のけなりぬ翅が透き/桑本栄太郎
落蝉の躯が仰向けになって転がっている。哀れを誘う落蝉であるが、翅が透き通っているのが、命がかよっているようできれいなのだ。(高橋正子)

7月22日(1句)

★過ぎし日の旅の思ひ出団扇風/廣田洋一
団扇をつかいゆっくりと風を起こしていると、過ぎし日の旅の思い出がよみがえって来る。ゆるやかに過ぎる時間こそが、思い出を蘇らせてくれるのだろう。(高橋正子)

7月21日(1句)

★それぞれの生きる距離とや炎暑来る/桑本栄太郎
新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、人との距離をとることが推奨されている。そうなれば、これまで集団で行動しやすかった日本人も、それぞれが、それぞれの生き方をするようになるのではと思われる。炎暑のときは、人それぞれに合った生き方が大事なのではなかろうか。(高橋正子)
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7月21日~31日

2020-07-22 09:23:23 | Weblog
7月31日(4名)

廣田洋一
生垣に殻を残して蝉の声★★★
人気無き公園に降る蝉時雨★★★
飛び来たり鳴き声出さぬ蝉一匹★★★★

小口泰與
抜きんでて風の中なるダリアかな★★★★
国道へ迷い出づるや蟇蛙★★★
ダリア咲き江戸より続く和菓子店★★★

多田有花
昼過ぎの白雨明るく降りてやみ★★★
熊蝉に交じりサイレン聞こえ来る★★★
梅雨明けや真白き雲の立ち上がる★★★★
「真白き」「立ち上がる」に、梅雨明けの晴れ晴れした気持ちが読み取れる。何よりも雲が真白であるのがいい。伸びあがるように、「立ち上がる」のがいい。(高橋正子)

桑本栄太郎
被うもの天に無くなり梅雨明くる★★★
鳴くものの空より降りぬ夏木立★★★
宵闇の木々の影なり七月尽★★★★

7月30日(5名)

小口泰與
行く夏の夕べの風に思うべし★★★
黒揚羽隠り沼越えてかけり来る★★★
鳰の海を治めて見事雲の峰★★★

廣田洋一
「氷」一文字の旗かき氷(原句)
一文字の「氷」の旗やかき氷★★★★(正子添削)
かき氷を売る店には、必ずといってよいほど「氷」と一文字書いた旗が吊るされている。一目見て、その昔ながらの旗は、「氷」一文字ながら、いろんなシロップのかかったかき氷を思い起こさせる。「氷」の旗がイメージさせるものが力強い。(高橋正子)

懐かしき宇治金時てふかき氷★★★
長き列順番待ちのかき氷★★★

多田有花
夏の朝霧立ち昇る雨あがり★★★
熊蝉の声に囲まれ洗濯を★★★★
朝から熊蝉がシャンシャンシャンシャン鳴きたてる。熊蝉に囃したてながら洗濯をするが暑さの中、水を使う楽しさがある。(高橋正子)

夏霧の彼方に朝日昇り来る★★★

古田敬二
川向う連結列車麦の秋★★★★
守宮来るコロナ禍厨のガラス戸に★★★
待ちわびし守宮来たれり厨窓★★★

桑本栄太郎
遠雷や今日は降らざる夕茜★★★★
峰の端のすだれ越しなる入日かな★★★
夕映えや雲の茜の西の空★★★

7月29日(4名)

古田敬二
故郷の山高さ変わらず雲の峰★★★★
友逝けり夏の白花に埋もれて★★★
薄暗き木陰に一つ茗荷の子★★★

小口泰與
杣道のはずれに枯れし独活の花★★★
七月やゴッホの黄のワンピース★★★
渓流の匂える流れ鮎遡上★★★★

廣田洋一
草刈るや並木の根本黒々と★★★
草刈るや草の匂ひをまき散らし★★★★
校庭の草の刈られし休校日★★★

桑本栄太郎
新しきすだれ越しなる西日さす★★★★
西日を避けるために新しいすだれを垂らした。西日を遮るためながら、すだれをもれる西日のなんと新しく新鮮なこと。新しいすだれば、西日までも新しくした。(髙橋正子)
干し物を慌て取り込む梅雨の雷★★★
かなかなのたそがれ迫る茜かな★★★

7月28日(4名)

小口泰與
朝涼や嬬恋村の広き畑★★★★
嬬恋村は夏はキャベツなどの高原野菜が一面に育ち、目にも涼しさを誘う景色が広がる。広い畑は、朝の涼しさに満ちている。(高橋正子)

梔子の暁の庭おば匂わせり★★★
三山を従え凛凛し雲の峰★★★

廣田洋一
双葉から本葉となりぬ夏の朝★★★
大鯉の二匹寄り添ふ夏の朝★★★★
冷やし中華添えられし具を味わへり★★★

桑本栄太郎
でで虫の急ぎ足とや雨催い★★★
アベリアのうす紫や溽暑来る★★★

夕暮れのうすき茜やあぶら蝉(原句)
夕空のうすき茜やあぶら蝉★★★★(正子添削)


7月27日(4名)

小口泰與
塩焼きの鮎頬張るや川の風★★★★
忽然と地震に起こさる夏の暁★★★
冷酒や夕日飲み込む潦★★★

廣田洋一
メロン一つ親子二人に余りけり★★★
デザートはメロンにしたる夕餉かな★★★
生ハムの紅映ゆるメロンかな★★★★

桑本栄太郎
雨止みて涼風来たる窓辺かな★★★
コロナ憂し梅雨の長きも更に憂し★★★

送電線の峰から谷へ梅雨の山★★★★
送電線が峰から谷へ渡っている光景は、よく見かける。それが感興をもって詠まれたのは、梅雨の山の緑濃き重量感。思えば男性的な風景だ。(高橋正子)

古田敬二
思い出の夏草茂るダムサイト★★★★
街で見ぬ高き樹木やねむの花★★★
億年の褶曲見せて飛騨川(ひだ)流る★★★

7月26日(4名)

小口泰與
賑わしや蜘蛛の囲光る雨しずく★★★★
公園の遊具周りや蟻の列★★★
遠雷をかこちながらも憎からず★★★

廣田洋一
冷奴独りの酒によく似合ふ★★★★
娘よりラインの電話冷奴★★★
雨音を聞きつつ昼餉冷奴★★★

桑本栄太郎
サングラス掛けて尚濃き木蔭かな★★★★
夕暮れて雨の上がりぬ油蝉★★★
雨上がり早やも鳴き出づきりぎりす★★★

古田敬二
滝の音杉大木の向こうから★★★★
杉が大木となるまでには、数十年、あるいは百年とかかるだろうが、大木となり風格を備えた杉の向こうのほうから瀧が落ちる音が聞こえる。山の冷気、滝の冷気に触れたような句。(高橋正子)

植林を縫って聞こえる滝の音★★★
故郷や噴煙のごと雲の峰★★★

7月25日(4名)

廣田洋一
雨に濡れ幹つやつやと百日紅★★★★
暑い日にもかがやかに花を咲かせ続ける百日紅は、雨の日には、そのつるつるした幹がつやつやとして印象に残る。雨の日の百日紅の良さ。(高橋正子)

人気無き公園の彩百日紅★★★
雨止みて枝に絡まる杉落葉★★★

小口泰與
似合わしや赤城従え雲の峰★★★
旧盆へ倉庫の菓子の賑々し★★★★
雷電や微動だにせ鬼瓦★★★

桑本栄太郎
目覚むれどそのまま眠る夜立かな★★★
降り足らぬ雲のとどまり梅雨はげし★★★★
昼寝より目覚めて欲しき甘いもの★★★

多田有花
底抜けに明るきヨーデル聴く土用★★★★
鬼百合が入母屋造りの庭に咲く★★★★
梅雨明けを待つひまわりに雨続く★★★

7月24日(3名)

小口泰與
老犬にならう子犬や風薫る★★★
老鶯や茶請けの五家宝置かれおり★★★
隠り沼に何の水輪や時鳥★★★★

廣田洋一
俯きて紫光る茄子の花★★★★
下向きて雨浴びて居り茄子の花★★★
茄子一つ採られぬままに萎みをり★★★

桑本栄太郎
河童忌の溝川早し畦の草★★★★
河童忌は、7月24日の芥川龍之介の命日。龍之介が河童の絵を好んで描いたり、短編小説に「河童」があるところから、「河童忌」と呼ばれるようになった。
河童は水に棲む架空の動物。畦の草を押し流さんばかりに溝川が急ぎ流れている。溝川ながら、泳ぎの得意な河童も流されそう。溝川の様子に河童忌を重ねた。(高橋正子)
空蝉のものを語りぬ遠眼★★★
漁り火の水平線や梅雨の闇★★★★

7月23日(3名)

小口泰與
釣糸の絡みし難儀香魚かな★★★
蝦蟇鳴いて溶岩原忽と地震起こる★★★★
塩焼きと味噌が好みや鮎料理★★★

廣田洋一
紫陽花や咲き残りたる濃紫★★★
川風に波打ちたるや玉蜀黍の花★★★
昼顔や工事現場を明るくす★★★★
工事現場には、ショベルカー、コンクリート、金属パイプなど、荒っぽい殺風景な景色なのだが、あわいピンク色の昼顔が周りに咲くと、工事現場は明るくなる。人のこころまでがやさしくなりそうだ。(高橋正子)

桑本栄太郎
京なれや町家の軒に炎暑来る★★★

落蝉の仰のけなりぬ透き通る(原句)
落蝉のすべてが透き通っているのではないでしょうから、原句では、無理があります。
落蝉の仰のけなりぬ翅が透き★★★★(正子添削)
落蝉の躯が仰向けになって転がっている。哀れを誘う落蝉であるが、翅が透き通っているのが、命がかよっているようできれいなのだ。(高橋正子)

風涼しジェルのハニカムシート来る★★★

7月22日(3名)
小口泰與
習わしの昼寝や外は粉ぬか雨★★★
鮎の事鮎にならえと老釣師★★★
雨続き天変地異の氷雨かな★★★

廣田洋一
国産の鰻を奢る土用かな★★★
梅雨前線張り出せしまま土用入★★★

過ぎし日の旅の思ひ出団扇風★★★★
団扇をつかいゆっくりと風を起こしていると、過ぎし日の旅の思い出がよみがえって来る。ゆるやかに過ぎる時間こそが、思い出を蘇らせてくれるのだろう。(高橋正子)

多田有花
よく晴れた大暑の朝の白い雲★★★★
つややかに葉陰に育つ青柿よ★★★
開け放つ窓に入り初む南風★★★

7月21日(4名)

小口泰與
何ゆえにひと夜咲かな女王花★★★
沼へ影なべて映すや夏茜★★★★
浴衣きて岸辺に立てり灯のあかり★★★

廣田洋一
避暑地にて組みたるペアのテニスかな★★★
遺影にも声を掛けたり避暑の旅★★★★
赤信号待つ間に見上ぐ百日紅★★★

多田有花
夏の暁鴉の声に始まりぬ★★★
一斉に口ばかりとなる燕の子★★★
梅雨の川晴れれば青き空映す★★★★

桑本栄太郎
それぞれの生きる距離とや炎暑来る★★★★
新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、人との距離をとることが推奨されている。そうなれば、これまで集団で行動しやすかった日本人も、それぞれが、それぞれの生き方をするようになるのではと思われる。炎暑のときは、人それぞれに合った生き方が大事なのではなかろうか。(高橋正子)

音ばかりつづき降らずやはたた神★★★
かなかなの入日茜の遠嶺かな★★★
夕空のうすき茜やあぶら蝉★★★★(
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