◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/11月11日~11月20日

2023-11-13 08:56:35 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/11月11日~11月20日

2023-11-13 08:54:52 | Weblog
11月20日(1句)

★透かし見る木の間の野鳥森の冬/小口泰與
森の木々を見ていると、木々の間を野鳥がしきりに枝移りするのが見える。里に近い冬の森では小鳥が元気に鳴いたり、実を啄んだり、小鳥の観察もたのしいものだ。(髙橋正子)

11月19日(1句)

★鴨川の堰水光る冬日かな/桑本栄太郎
幾多の川に出合い、別れ、また合流し、京都市を代表する鴨川は、北から南へと流れる淀川水系の河川。護岸工事がされ、堰が作られている。堰を流れ落ちる水は、水の美しさを見せている。冬日が当たるときも、堰を落ちる水音とともに、より輝いていると想像できる。(髙橋正子)

11月18日(1句)

★しぐれ去り夕刻の虹おいてゆく/多田有花
「虹おいてゆく」がいい。しぐれが止み、暗い夕刻に光明のように虹が空にかかる。その虹をしぐれが置いていってくれたというとらえ方。それがいい。(髙橋正子)

11月17日(1句)

★二つ三つ水輪弾ける沼の冬/小口泰與
沼は湖よりも水深が浅いものを言うが、周囲の枯れが進むと、沼も蕭条としてくる。平らな沼の水に、ときどき水輪が弾けるように生まれている。小さな虫が水を弾いているのかも知れないが、沼は静かにも生きている。(髙橋正子)

11月16日(1句)

★暮早き空を惜しみて子ら遊ぶ/多田有花
子供たちはいつまでも外で遊びたい。遊びに夢中ながらも、空の暮れ具合が気になる。「暮れ早き空」を惜しむ気持ちは子供ながら、大人びた感じ。ここがいい。(髙橋正子)

11月15日(2句)

★日を求め急ぎ舞い居り冬の蝶/桑本栄太郎
冬の蝶が日当たりを求めている姿が目に見える。日向を見つければ、急いで舞い降りる。弱弱しいと思われがちな冬の蝶にも生きる力は十分ある。(髙橋正子)

★にぎわいて根深多めの汁の湯気 /弓削和人
根深が旬を迎えた、みんなが集まる食堂にも根深が多めの汁が用意され、あつあつの根深汁から立つ湯気に誰もが満足の食事時だ。(髙橋正子)

11月14日(1句)

★我が庭の蜜柑に朝日差しにけり/小口泰與
庭に植えてある蜜柑は、庭は景色でもあるが、少しばかり食べる楽しみもある。庭の蜜柑に朝日がさして、蜜柑の匂いまでしそうだ。清々しい句。(髙橋正子)

11月13日(1句)

★登校の児童一列寒波来る/桑本栄太郎
寒波が来ると小学生も体がこわばるのか、登校する列も乱れず、一列を保って言葉もなく歩いている。(髙橋正子)

11月12日(2句)

★干柿に初冬の薄き光あり/多田有花
初冬の光は、「薄い」と印象。干柿もまだ吊るされ間もないので、干柿の薄い光の色として感じられる。(髙橋正子)

★大橋を渡り南座しぐれ降る/桑本栄太郎
大橋を渡るとすぐ南座となる。大橋を渡ると天気の具合少し変わるのか、しぐれが降る。変わりやすいしぐれの降りようが見える。(髙橋正子)

11月11日
※ 該当句無し
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11月11日~11月20日

2023-11-13 08:47:27 | Weblog
11月20日(3名)

小口泰與
炬燵にて読みつかれしや指栞★★★
冬ばらのしおれて堅き朝かな★★★
透かし見る木の間の野鳥森の冬★★★★

桑本栄太郎
妻に背を急き立てられて障子貼る★★★
奈良の地のひらがな句碑や八一の忌★★★
紅燈の祇園小路やかにかく忌★★★

廣田洋一
十一月の杖をつきつきクラス会★★★
酒呑みて居眠りしたる小春日和★★★
アラーの神ユダと争い神無月★★★

11月19日(3名)

廣田洋一
木守柿一際赤く熟れにけり★★★
木守柿見上げる空の青きかな★★★
青空にすいと浮かびし冬の雲★★★★

多田有花
凩強し干し物は屋内に★★★
凩が正午の窓を揺らしおり★★★
三日月や凩やみし夕空に★★★★

桑本栄太郎
(京都四条大橋界隈)
せせらぎの落葉散り敷く高瀬川★★★
鴨川の堰水光る冬日かな★★★★
カップルの正月めける着物かな★★★

11月18日(5名)

多田有花
時雨くる空に向かいて走りけり★★★
しぐれ去り夕刻の虹おいてゆく★★★★
冬の虹そろって下校の小学生★★★

小口泰與
水鳥や釣人来ても逃げもせず★★★
流木に乗る冬翡翠の覚束無★★★
白妙の雪の衣の浅間山★★★

桑本栄太郎
うつうつと蕾ふくらむ枇杷の花★★★
マフラーを遂に巻き居り散髪後★★★
うす暗き植込みなりぬ花八つ手★★★

廣田洋一
焼鳥の煙流れて冬めけり★★★
冬めきて水澄み透る町の川★★★★
のんびりと休む木椅子に木の葉降る★★★

弓削和人
ひさかたや家族のつつく冬の鍋★★★
石蕗花のにこにこ黄色庭の垣★★★★
裸木のほそぼそと立ちにけり★★★

11月17日(3名)

小口泰與
二つ三つ水輪弾ける沼の冬★★★★
雨樋に枯葉詰まりし山の風★★★
平らなる水面に忽と冬の鯉★★★

桑本栄太郎
降る音に起きる気のせず冬の雨★★★
うつうつと夢を見て居り冬の雨★★★
人はみな夢に生きたり冬の雨★★★

多田有花
質問の答えを求め小六月★★★
足元にヒーター点けて瞑想す★★★
夜を通し降り続くなり冬の雨★★★

11月16日(3名)

小口泰與
しんしんと足より寒さ来たりけり★★★★
延々と冬翡翠を待ちにけり★★★
枯蘆に小魚の群集いけり★★★

多田有花
暮早き空を惜しみて子ら遊ぶ★★★★
冬浅しフロントガラスに露満ちて★★★
唐突に寒さの進む昨日今日★★★

桑本栄太郎
石垣に垂れる真紅や櫨もみじ★★★
冬日さす日差し明るきバスの中★★★★
青き葉の残り剪られる銀杏黄葉★★★

11月15日(5名)

小口泰與
鴛二つ樹上に居り動かざる★★★
仰ぎ見る初冠雪の浅間山★★★
鳴きながら冬翡翠の飛びにける★★★

廣田洋一
カーテンの厚き布地や冬構★★★
園丁の二人で終へし冬構★★★★
冬の空忽ち雲に覆はれし★★★

多田有花
木枯やふわりふとんにくるまりぬ★★★★
朝ごとのバターコーヒー冬めくや★★★
闘病の知らせ受け取る冬めく日★★★

桑本栄太郎
ワクチンを夫婦揃いて冬ざるる★★★
天辺のすでに裸や銀杏散る★★★
日を求め急ぎ舞い居り冬の蝶★★★★

弓削和人
枯尾花日差しわずかに透けにけり★★★
急く帰路に立ち止まりたる冬紅葉★★★
にぎわいて根深多めの汁の湯気 ★★★★

11月14日(5名)

小口泰與
我が庭の蜜柑に朝日差しにけり★★★★
枯蘆を揺らして居りぬ野鳥かな★★★
餌台へ一斉に來る冬雀★★★

多田有花
巨樹並ぶ十一月の神社かな★★★
川べりの道の黄色や石葺の花★★★
水彩や古民家喫茶の冬はじめ★★★

桑本栄太郎
天辺のすでに裸や銀杏散る★★★
垣根よりはみ出し居りぬ石蕗の花★★★
緋の色を透いてさくらの照葉かな★★★

廣田洋一
小春日や小町通りの人力車★★★
小春日和ゆったりと茶を啜りけり★★★
駅伝のたすきつながり蜜柑剥く★★★

弓削和人
あえなくも帰り支度や小夜時雨★★★
雪あられ阿吽に日差しさしにけり★★★★
朝まだき夜半の雑炊火にかけて★★★
(注)「朝まだき」は、「夜が明けきらないとき。早朝。」の意味。「夜半」は、「一般的には午後11時頃から午前2時頃のこと。」(髙橋正子)

11月13日(4名)

小口泰與
お茶に飽き酒を所望の秋の夜★★★
行く秋の速き流れの白白し★★★
鍋割山(なべわり)を彼方に秋の両毛線★★★

廣田洋一
道端を一際赤く柿落葉★★★
大綿や吹雪の如く舞ひてをり★★★
十月桜十一月の青き空★★★

多田有花
軒下に水彩飾り十一月★★★
短日やコーヒー豆を挽き淹れる★★★
洗濯す冬の紅葉を眺めつつ★★★

桑本栄太郎
寝過ごして起きる能わず冬一番★★★
登校の児童一列寒波来る★★★★
うつうつと居眠りしたり暮早し★★★

11月12日(3名)

小露寒や餌台に来る雀どち★★★
風も無き静寂の中へ枯葉かな★★★
山鹿や所詮里へと近付きし★★★

多田有花
冬の雨夜明けをさらに遅くする★★★
干柿に初冬の薄き光あり★★★★
三毛猫と落葉の杜で出会いけり★★★

桑本栄太郎
水底にさくら紅葉や高瀬川★★★
大橋を渡り南座しぐれ降る★★★★
外つ人の着物すがたや冬ざるる★★★

11月11日(3名)

 小口泰與
秋の沼水面へ映す木木の影★★★
裏戸より隣家へ行くや下り鮎★★★
柿赤し暁より鳥の騒ぎけり★★★

廣田洋一
背広替え十一月の祝賀会★★★
川べりに黄金の色や蜜柑熟れ★★★
白鳥の帰還したるや波しぶき★★★

桑本栄太郎
わらわらと紅葉且つ散る今朝の風★★★
青空を画布となり居り銀杏散る(原句)
青空を画布となし居り銀杏散る(正子添削)
山茱萸の実の真紅なる川辺かな★★★
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