◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/12月11日~12月20日

2023-12-12 10:16:20 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。





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今日の秀句/12月11日~12月20日

2023-12-12 10:07:34 | Weblog
12月20日(1句)

★霜の朝松の葉末の青青と/小口泰與
松はいつも青々としてはいるが、霜の朝は、空気の厳しさも加わって、ことに青々とした葉末が印象に残る。「青青と」に人は元気をもらう。(髙橋正子)

12月19日(1句)

★富士の山見慣れしままに冬の山/廣田洋一
愛媛に暮らしていた時は、いつも富士山を見ている人は、富士山をどう思っているのだろうかと気になっていた。いつも見ていれば見慣れた山ではあるが、冬の山となれば雪に覆われた山容は厳しさを感じさせる、やはり特別な山である。(髙橋正子)


12月18日(1句)

★洗いあぐ白菜ずしり重きかな/小口泰與
ずっしりと玉を巻いた白菜の重さにみずみずしさが実感できる。「洗い上ぐ」が率直でいい。(髙橋正子)

12月17日(1句)

★近在の土の匂ひの根深汁/廣田洋一
根深とは葱のこと。私の祖母は特に、父母も葱のことを根深と言っていた。根深と言われれば、よく太った土臭い葱を想像する。近在の土の匂いがする葱が新鮮でおいしそうだ。(髙橋正子)


12月16日(1句)

★冬菊の日当たりながら垣根ぎわ/桑本栄太郎
垣根のきわの日当たりの良いところに心地よさそうに咲いている冬菊の姿。「日当たりながら」の自然体のやわらかいリズムがいい。(髙橋正子)

12月15日(1句)

★マルチ取り日差し明るき冬菜畑/桑本栄太郎
マルチはマルチング(mulching:栽培植物の保護、水分蒸発の防止、地温の確保などのため、畑や植え床など覆う藁やビニールの資材)の省略。覆っていたマルチを取ると、明るく生き生きした冬菜が目に入る。明るく、生き生きしたものを見たとたん、見る側も元気をもらう。(髙橋正子)

12月14日(1句)

★山茶花の備えしつぼみ続々と/多田有花
山茶花は長い冬をつぎつぎに咲いて目を楽しませてくれる。その咲き方と言えば、咲いては散るそのそばには、蕾が次々と用意されているのだ。「続々と」はまさにその通り。(髙橋正子)

12月13日(1句)

★浅間のみ雪に輝く朝かな/小口泰與
朝、目覚めて外を見まわすと、浅間山だけが白い雪に輝いている。浅間の雪の新鮮さが伝わる句。(髙橋正子)

12月12日(1句)

★日の暮れしまぎわに農婦夕焚火/弓削和人
一日中働く農婦は、日が暮れてから、畑のごみなど片付けるために焚火をする。暮れ間際のうすら暗く、冷えてくるころ、焚火は、一日の労働の終わりの安堵のように暖かく燃え、また清潔感もある。(髙橋正子)

12月11日(1句)

★尾花枯れ枯れゆくほどに明るくて/多田有花
尾花の穂は枯れていくほど、穂がほおけてふわふわとして、日を返すようになる。ちょうどその状態になった尾花の穂。枯れのイメージには「暗さ」もあるが、また逆にこの句のように「明るさ」もある。(髙橋正子)
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12月11日~12月20日

2023-12-12 09:58:47 | Weblog
12月20日(5名)

小口泰與
沼の面へ冬翡翠の鳴きながら★★★
霜の朝松の葉末の青青と★★★★
鳴きながら獲物狙う冬翡翠★★★

多田有花
冬の雲連ね輝き播磨灘★★★★
初雪の舞い散る中を下山する★★★
歩き終え仲間と和食の忘年会★★★

桑本栄太郎
大声の聖歌聞こゆる幼稚園★★★
山膚のチリチリ赤く寒波来る★★★
山陰の空はしぐれや石鼎忌★★★

廣田洋一
冬の霧晴れるを待ちて滑走路★★★★
聖樹の灯鐘の音につれ点滅す★★★
玄関のチャイム新たに年の暮★★★

弓削和人
冬木立みるみる空の澄みにけり★★★
片方の手袋ひらう始業かな★★★

枯葦のほかは満ちたり朝の湖
「・・ほかは満ちたり」が分かりにくいです。(髙橋正子)

12月19日(5名)

小口泰與
山住の裏戸に溜まる落葉かな★★★
ゆっくりと枯葉を掃くや婆と爺★★★
雨の中冬翡翠の捕食かな★★★

多田有花
寒風や池の面に漣絶え間なく★★★
万両赤し里山へ向かう道★★★
花梨の実冬空にひとつ残されて★★★

廣田洋一
障害児の描きしサンタやクリスマス★★★
アランセーター編み手の温み込められて★★★
富士の山見慣れしままに冬の山★★★★

桑本栄太郎
橡の芽のぬめり煌めく冬日かな★★★
冬ざれやガーガービーとM・R・I★★★
西空の冬の茜の入日かな★★★

弓削和人
石段の雪踏み降りて湖底澄み★★★★
「湖底澄み」の「湖底」の使い方、論理的に考えると飛躍がありますが、感覚的に捉えたとみれば、いいと思います。(髙橋正子)

薄き日を運ぶ風なり枯芒★★★★
つかのまの陽を抱きしめて日向ぼこ★★★

12月18日(4名)

小口泰與
洗いあぐ白菜ずしり重きかな★★★★
枯蘆を山風薙ぐや夕まぐれ★★★
薄紙を剥ぐや輝く冬いちご★★★

廣田洋一
崩落の跡を顕はに冬の山★★★
赤き色さっと褪めたり冬夕焼★★★
賀状書く喪中挨拶読み返し★★★

多田有花
神戸牛やわらかく焼け年惜しむ★★★
皮鯨入りの粕汁とろろ飯★★★
寒風にくろがねもちの実の赤し★★★

桑本栄太郎
せせらぎの寒風走る高瀬川★★★
顔見世の南座招き上がりけり★★★
雑踏の川端通り柳枯る★★★

12月17日(5名)

小口泰與
水鳥や泥鰌小魚集いおる★★★
雪山の高らかに宣り寄せ付けず★★★
山の端を素通りせしや冬夕日★★★

廣田洋一
鶏肉を少し加へて根深汁★★★
近在の土の匂ひの根深汁★★★★
地下広場湧き上がりたる聖歌かな★★★

多田有花
はふはふと揚げたて天ぷら年忘れ★★★
数の子のすっと出てくる師走かな★★★
クリームチーズ蕩けるごとし十二月★★★

桑本栄太郎
寒風の四条大橋身構える★★★★
しぐれ雲低く垂れこむ京の街★★★
陸橋の影の色濃く冬日かな★★★

弓削和人
枯芝のうっすら白し薄暮かな★★★
小千鳥の半歩さきより飛び散れり★★★
調度品ちりあくたもて年の末★★★
 
12月16日(4名)

小口泰與
見晴るかす雪の野末の樫巨木★★★★
冬の朝野路に舞い降る野鳥かな★★★★
我が花壇あさる小鳥と寒雀★★★

多田有花
電飾の師走の街へ繰り出しぬ★★★
極月の街を明るくイルミネーション★★★
家島の刺身味わう忘年会★★★

廣田洋一
地中海の鮪ぶつ切りアルジェリア★★★
きりきりと稜線際立つ冬の山★★★
あたたかき年の暮なり橋の上★★★★

桑本栄太郎
気まぐれと云うは天なり冬ぬくし★★★
いつしかに団地の庭の冬木かな★★★
冬菊の日当たりながら垣根ぎわ★★★★

12月15日(4名)

小口泰與
沼の朝冬翡翠の躍動す★★★
冬沼ののこんの鳥や空に鷹★★★
浅間のみ雪を被りし上州路★★★

多田有花
冬晴の城見つつ食べる料理かな★★★
盛り付けも器も楽しみ年忘れ★★★
年忘れ締めは限定スイーツで★★★

廣田洋一
寒空に駆け廻りたる園児達★★★
雨空に冬芽立ちたる楸邨墓★★★
中トロと赤身並べて鮪寿司★★★

桑本栄太郎
マルチ取り日差し明るき冬菜畑★★★★
彩となる落葉踏み行く散歩かな★★★
まんさくの萎む枯葉に日差しけり★★★

12月14日(5名)

小口泰與
雪だけを望む村営スキー場★★★
眼間に夕日輝く雪浅間★★★
上州は風の国原麦芽ぐむ★★★

廣田洋一
年用意床屋の予約取りにけり★★★
乾きたる畑を黒く冬の雨★★★
冬の雨二人で入る喫茶店★★★

桑本栄太郎
いつしかに冬木なりしか庭の木々★★★
日を惜しみ箱根卯木の帰り花★★★
あおぞらに銀杏冬木の凛と立つ★★★

多田有花
山茶花の備えしつぼみ続々と★★★★
涸川に流れるものは陽の光★★★
散り敷いて銀杏落葉の座敷かな★★★

弓削和人
にぎやかになりておでんの汁濃ゆし★★★
冬帽子加える音のヘッドフォン
「加える」は何をくわえるのでしょうか。(髙橋正子)

小春凪高き声飛ぶ人家かな ★★★

12月13日(4名)

小口泰與
冬鳥の雑魚目掛けて一直線★★★
沼の朝冬翡翠のホバリング★★★
浅間のみ雪に輝く朝かな★★★★

多田有花
年忘れ今日も明日も続きけり★★★
見上げるは青空のみか枯芒★★★
パンジーへ冬の陽まっすぐ差しにけり★★★

廣田洋一
ロボットの鐘の音鳴らす聖樹かな★★★
マンションの窓に点れる聖樹の灯★★★★
大トロの一つ入りし鮪寿司★★★

桑本栄太郎
生垣の白山茶花の咲き満てり★★★
谷あいのいまだ赤きや山眠る★★★
しぐれ雲途切れあおぞら現るる★★★

12月12日(5名)

小口泰與
次次に餌台に来る寒雀★★★
暮早しのうれん急ぎ出しにけり★★★
早朝の冬翡翠の嘴に魚★★★

多田有花
待降節わが待ち望むものは何★★★
葉は枯れて冬菊の花美しき★★★
冬の午後明るく咲きぬ金魚草★★★

廣田洋一
急造の現場事務所や隙間風★★★
海べりの木々に咲きたる波の花★★★★
煤払神社清めるAIも★★★

桑本栄太郎
<故郷鳥取の追憶より>
大山のいただき白く雪しぐれ★★★
大荒れの白浪はしる冬の海★★★
雪起しなるやもしれず夜の雷★★★

弓削和人
日の暮れしまぎわに農婦夕焚火★★★★
湯豆腐の昆布に中年箸をつけ★★★★
雪囲いまかいまかと構えけり★★★
 
12月11日(4句)

小口泰與
一合の酒と共寝や根深汁★★★
赤城より山風吹きし寒雀(原句)
「吹きし」は「寒雀」にかかるので、意味としてはどうでしょうか。(髙橋正子)
赤城より山風受けて寒雀(正子添削)
餌台に争う雀冬の暮★★★

廣田洋一
赤蕪や掘り出せしまま置かれをり★★★★
水の無き湧水池や冬ざるる★★★
枯れてなほ白き艶あり尾花かな★★★

多田有花
尾花枯れ枯れゆくほどに明るくて★★★★
冬の夜やホルンの音に耳を澄ます★★★
短日の午後の陽惜しみ歩きけり★★★

桑本栄太郎
忘れもの多くなりたる師走かな★★★
橙のたわわに枝の傾ぎけり★★★
寒風の田面抜け行く野を歩む★★★
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