◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/7月11日~7月20日

2024-07-11 19:11:32 | Weblog
※当季雑詠3句(夏の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。
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今日の秀句/7月11日~7月20日

2024-07-11 19:10:16 | Weblog
7月20日(1句)

★白シャツや土用太郎の風はらむ/多田有花
「土用太郎」とは、土用入りの日。土用に入った第1日目のこと。その日に吹く風は、爽やかな風ではなく、蒸した風である。白シャツが、蒸して吹く風をさわやかにして、潔い風景となっている。(髙橋正子)

7月19日(1句)

★大西日犬にホースの水しぶき/弓削和人
西日が照り付けて、今日も一日暑かった。庭に水を撒いたり、鉢物に水をやったり、あるいはホースで水を流し洗車しているのかもしれない。犬も近くにいるので、ホースの水飛沫を浴びてしまった。楽しく、涼しそうな光景だ。(髙橋正子)

7月18日(1句)

★八十年浅間を仰ぎ竹落葉/小口泰與
竹は初夏新芽が出始めると古葉がひらひらと切りもなく降る。竹の落葉が降る様子を見ていると、生まれて八十年間、浅間山を仰ぎ続けた生涯の様々な思いが湧いてくる。(髙橋正子)

7月17日(1句)

★弓なりに草を弾ます川蜻蛉/小口泰與
蜻蛉のように軽いものでも、草に止まれば、草の葉は弓なりになる。飛び立つときには、草が弾む。軽いものにも重さや力がある生き物の神秘。(髙橋正子)

7月16日(1句)

★緑蔭の窓辺に座して推敲す/桑本栄太郎
緑蔭の窓辺は、涼しそうで、穏やかな場所。推敲には、苦しみもあるが、また楽しいことでもある。(髙橋正子)

7月15日(2句)

★ほととぎす細かき雨の降る夜明け/多田有花
ほととぎすが、夜明けの空を鳴いてゆく。細かい雨が降り、ほととぎすの鋭い声も小雨の向こうで趣ある声に聞こえる。(髙橋正子)

★宵山の四条通の小雨かな/桑本栄太郎
祇園祭の宵山でにぎわう四条通に小雨が降っている。賑わう宵山にしっとりと「小雨」の醸す情緒は、一味違う宵山を演出した感じだ。(髙橋正子)
(この後、海の日の15日は土砂降りの雨で大混乱のようでしたが、大丈夫でしたか。)

7月14日(1句)

★梅雨荒れやはるか鞍馬は雲の中/桑本栄太郎
梅雨に荒れる空の雲の向こうには、「鞍馬」がある、と思い描いている。京の人が「鞍馬」に寄せる思いはさまざまだろうが、荒れる梅雨と荒々しい鞍馬とが離れていながら一つにつながった感じがある。(髙橋正子)

7月13日(1句)

★鮎釣りの懸命に行く上流へ/小口泰與
渓流の鮎釣りは良い景色のなかで鮎を釣る楽しみがある。狙った場所で釣れなければ、次の場所をさがして上流へ行く釣り人の懸命さは、一通りの釣りではなさそうだ。(髙橋正子)

7月12日(1句)

★ナイターに行く人数多阪神電車/多田有花
関西人の阪神ファンは知られるところであるが、ナイターとなれば、大勢が阪神電車で球場へ出かける。乗り合わせた電車に早くもナイター観戦の熱気がある。(髙橋正子)

7月11日(1句)

★海峡と大橋望み夾竹桃/多田有花
夾竹桃と言えば、たくましい印象と、また裏腹に敗戦や原爆を思いださせる悲しい印象の、夏を象徴する花である。夾竹桃の袂から海峡と大橋をのぞむ大きな景色が「夏」を象徴した景色となっているのがいい。(髙橋正子)
コメント (8)
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7月11日~7月20日

2024-07-11 19:07:48 | Weblog
7月20日(4名)

多田有花
白シャツや土用太郎の風はらむ★★★★
電線へ等間隔に夏つばめ★★★
ヘッドフォン越しに聞こえし蝉の声★★★

小口泰與
山道の石清水にて口濯ぐ★★★
夏桑や日の出と共に摘みにける★★★
この川の鮎をみざるや口惜しき★★★

廣田洋一
うなぎ屋のうの字のはねて土用かな★★★
熱きコーヒーゆっくりと飲む土用入★★★
自転車の補助輪取れて夕晩夏★★★

桑本栄太郎
茅舎忌の明の東雲うすあかね★★★
風あれど溽暑の午後となりにけり★★★
かなかなや赤く染まりし西の天★★★

7月19日(5名)

小口泰與
燕の子赤城の風に口を開け★★★
ばら咲くや黄色の葉っぱ風の中★★★
蝦蟇ふた声鳴いてそれっきり★★★

多田有花
涼しさや風通る部屋で書き物を★★★
夏鶯盛んに鳴ける日の出かな★★★★
土用入真昼の街路を救急車★★★

廣田洋一
鷺草のなおつつましく法の池★★★
土用の入り風心地良き法の庭★★★
山門を潜りて拭う玉の汗★★★

桑本栄太郎
暁闇にかなかな鳴きて目覚めけり★★★★
じわじわと日毎姦し蝉しぐれ★★★
夏草や廃墟の庭にいきおいて★★★

弓削和人
大西日犬にホースの水しぶき★★★★
夏のごみ朝一番の清掃車★★★
ブルーベリー青藍色に口を染め★★★

7月18日(3名)

小口泰與
八十年浅間を仰ぎ竹落葉★★★★
山風にくつがえりたる青葉かな★★★
くちなはに子ら集まりて囃しける★★★

多田有花
捨てるべきものを捨てたり梅雨晴間★★★
押し入れを吹き抜けてゆく夏の風★★★
熱中症アラート放送土用前★★★

桑本栄太郎
山鉾のごつとん揺るる辻回し★★★
さらさらとお歯黒蜻蛉苔上に★★★
黒蟻の直ぐ歩み居り雨上がり ★★★

7月17日(3名)

小口泰與
百本の薔薇に夕日のさしにけり★★★
三山の横たう里や麦の秋★★★
弓なりに草を弾ます川蜻蛉★★★★

多田有花
たっぷりのもぎたてトマトをいただきぬ★★★
汗ぬぐいつつすっきりと片付ける★★★
南北の窓吹き抜ける夏の風★★★

桑本栄太郎
バスの行く並木通りや青葉闇★★★
山鉾の巡行日和や雨上がる★★★
バス道の分離帯とや草茂る★★★

7月16日(3名)

多田有花
夏暖簾揺れる古民家ステーキ屋★★★
生ハムに千切りキャベツ添えらるる★★★
海の日の海は雨なりステーキ食ぶ★★★

弓削和人
てんとむし壁に並びて飛びいづる★★★
親つばめ開けたる嘴を探し分け★★★
蟻の道夏の匂いを辿りけり★★★

桑本栄太郎
緑蔭の窓辺に座して推敲す★★★★
古すだれ越しの戸外の青葉かな★★★
梅雨闇や窓より風の通りゆく★★★

7月15日(3名)

小口泰與
朝日差す合歓咲く木木を紅に染め★★★
朝日差し合歓咲く木木をあかあかと(正子添削例)
「紅に染め」を感じた「感覚」を大切して詠むと、読む人に共感してもらいやすくなります。(髙橋正子)

ぽこぽこと芝生に落し杏子かな★★★
翡翠のしかと授かる沼の魚★★★

多田有花
入れ替わり首を出しおり燕の子★★★
ほととぎす細かき雨の降る夜明け★★★★
梅雨深し耳になじみし雨の音★★★

桑本栄太郎
朝方の家事手伝いの溽暑かな★★★
じゅりじゅりと子燕鳴きぬ嬉しさに ★★★
宵山の四条通の小雨かな★★★★

7月14日(2名)

小口泰與
くちなしを見しよりしばし足止まり
「くちなし」は、「くちなわ」の間違いですか。(髙橋正子)

青空をくつかえりつつ夏燕★★★
あけぼのの沼を震わす蝦蟇の声★★★

桑本栄太郎
駅中のホームに祇園囃子かな★★★
梅雨荒れやはるか鞍馬の雲の中(原句)
一読して、「の」より「は」のほうが分かりやすのでは、と思います。(髙橋正子)
梅雨荒れやはるか鞍馬は雲の中(正子添削)

鴨川の濁る早瀬や梅雨深し★★★

7月13日(4名)

桑本栄太郎
街中を歩み行くほど蝉しぐれ★★★
塊りの撓り揺れ居りさるすべり★★★★
吾が足の丈に長きや半ズボン★★★

小口泰與
歳時記の夏のくだりや不如帰★★★
鮎釣りの懸命に行く上流へ★★★★
忽然と水輪を残す蝦蟇二匹★★★

多田有花
青鷺の静かに佇む夕の川★★★
「暑いですね」あいさつ交わし別れおり★★★
青あらし川面を白く波立たす★★★

廣田洋一
草を食む羊散らばる夏野かな★★★
草刈るや地肌の見ゆる野原かな★★★
夕焼けや野の中天赤く染め ★★★

7月12日(3名)
小口泰與
大空を映す大沼おおでまり★★★
利根川の径くさぐさや山女釣★★★
老翁のくさぎる畑や夏の鴨★★★

多田有花
七月の淀川河口を渡りおり★★★
坂上り青蔦豊かな病院へ★★★
ナイターに行く人数多阪神電車★★★★

桑本栄太郎
ベランダの手すりの滴梅雨荒るる★★★
初蝉の三日前のみそれつきり★★★
”えっちらこ”とみみずを運ぶ蟻の列★★★

7月11日(3名)

小口泰與
ギヤマンの桶に揺らゆら夏の夜★★★
ぎいぎいと湖畔の木木や夏の雲★★★
忽然と雨にみまわる夏の鳥★★★

多田有花
ため池を囲み揺れおり青田波★★★
海峡と大橋望み夾竹桃★★★★
大橋を抜ければ梅雨の大阪湾★★★

桑本栄太郎
驟雨来る音に目覚むや朝まだき★★★

子烏の居付きというは愛しけり(原句)
子烏の居付きというは愛しかり(正子添削)
「愛し」は形容詞です。また「けり」は連用形に接続します。
したがって「けり」を使うなら「愛しかりけり」となります。
※「愛し」は古文では、いわゆる「カリ活用」をします。現代語では「シク活用」です。以下の活用表をご覧ください。(髙橋正子)
活用形語幹活用語尾(ク)活用語尾(カリ)識別方法
未然形からずを付ける
連用形かりてを付ける
終止形ーーー。を付ける
連体形かる物を付ける
已然形ーーーければを付ける
命令形ーーーかれ!を付ける

サングラス取れば優しきパパの顔★★★

コメント (2)
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