◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/12月11日~12月20日

2024-12-12 00:53:23 | Weblog
※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
※★印の基準について。
「心が動いている」句を良い句として、★印を付けています。 

       🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄
      今日の俳句『現代俳句一日一句鑑賞』(髙橋正子著)より
  名前の右端に🌸の印が付いている句は、(現)または(元)花冠会員の句
     名前の右端に🍁の印が付いている句は、花冠に縁の深い方の句

12月20
★冬菊のまとふはおのがひかりのみ     水原 秋櫻子(みずはら しゅうおうし)
12月19日
★枯草の一人の幅の径下る         篠原 梵(しのはら ぼん)🍁
12月18日
★たっぷりの真水に冬菜解かれけり     脇 美代子(わき みよこ)🌸
12月17日
★玻璃越の凩の顔とわかれたり       加藤 楸邨(かとう しゅうそん)
12月16日
★今ぬぎし足袋冷やゝかに遠きもの     細見 綾子(ほそみ あやこ)
12月15日
★立ちしものに光りを注ぎ冬満月      碇  英一(いかり えいいち)🌸
12月14日
さむきわが影とゆき逢う街の角       加藤 楸邨(かとう しゅうそん)
12月13日
★冬曙六人の病床うかびそむ        石田 波郷(いしだ はきょう)
12月12日
★咳の子のなぞなぞあそびきりもなや    中村 汀女(なかむら ていじょ)
12月11日
★きしあとわが白息の豊かなる       橋本多佳子(はしもと たかこ) 
コメント (43)
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今日の秀句/12月11日~12月20日

2024-12-12 00:49:32 | Weblog
12月20日(1句)

★湧水の音絶え間なく年迫る/廣田洋一
本格的な句。年が迫りあわただしい世間に対し、湧水はこんこんと湧き出し、水音も絶えない清浄な世界がある。(髙橋正子)

12月19日

※該当句無し

12月18日(1句)

★柚子の黄の日向占め居り庭の隅/桑本栄太郎(正子添削)
庭の隅の柚子の実が冬の日が受けて、冬の日を一人占めするかのように明るく照っている。(髙橋正子)

12月17日(1句)

★冬の駅汽笛は線路を走りけり/弓削和人
とくにローカル線の冬の駅は、寒々としてホームに立てば線路が遠く続くの見える。汽笛は「線路を走りけり」の印象で、汽笛の音は線路づたいに抜けていく。空気の緊張感も感じさせて、言い得ている。(髙橋正子)

12月16日(1句)

★短日の入日が窓を輝かす/多田有花
「短日の入日」だけで、詩になっている。「窓を輝かす」は作為がないのがいい。(髙橋正子)

★吹かれきし木の葉も共に掃きにけり /廣田洋一
枝についている枯葉も、落葉のも「木の葉」と言う。吹かれてきた木の葉を今掃いている木の葉と一緒に掃く。せっかく掃いたところへ、また飛んでくる。誰のものでもない木の葉の掃除はこの季節の仕事。(髙橋正子)

12月15日(1句)
友と居て言葉飛び去る空っ風(原句)
「友と居て」の部分は、「友」を意識すれば当然そこに「友が居る」ことになるので、「居る」が必要かどうか考えないといけないです。(髙橋正子)

★空っ風友の言葉を奪い去る(正子添削)
「空っ風」は、晴れた日に吹く北西の乾燥した季節風で、北陸に雪を降らせ山を越えて上州や関東に吹き下ろす。
空っ風が吹いてきて友の言葉がよく聞き取れなかったのだろう。空っ風が友の言葉を奪い去った。空っ風には非情な部分もあるのだ。(髙橋正子)

12月14日(1句)

★外套のまま召し上がれ中華そば/小口泰與(原句)
外套のままに食うなり中華そば/小口泰與(正子添削例)
原句は、面白い視点で詠んでいる。外套のままに着ぶくれて、湯気に顔を埋めて食べる姿に、庶民の哀歓が見える。(髙橋正子)

12月13日(1句)

★古釘を少し磨きて注連飾る/廣田洋一
古釘は注連飾りを取り付けるために、取り外さないで打ち付けたままなのだろう。それが古釘になって錆が付いている。新年を迎える気持ちが、錆を少し落として注連を飾らせるのだ。「少し」が自然体で好もしい。(髙橋正子)

12月12日(2句)

★ジャングルジムの中より見上げ冬の空/多田有花
ジャングルジムの内側に入って空を見ると、空に交錯する線が引かれているように見える。線描画のような、都会的な景色が見える。冬空が一番似合う。(髙橋正子)

★山眠る湖底のウグイもこんこんと/弓削和人
魚類は水温が5度C以下になると仮眠状態になるという。これを魚の冬眠とも言っている。湖水の水温が下がり、あるい氷が張っているのかもしれないが、湖の山が眠るそばで、湖底ではウグイも眠っている。冬の寝息の聞こえるようなひそやかな世界。(髙橋正子)

12月11日(1句)

★溝川のこぼこぼ落つる冬田べり/桑本栄太郎
「ごぼごぼ」落ちる溝川の水が、冬田のへりで力強く聞こえる。ものが枯れるなかの、水のいきいきとした力強さである。(髙橋正子)
コメント (9)
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12月11日~12月20日

2024-12-12 00:45:07 | Weblog
12月20日(5名)

小口泰與
指先に痛さ募りし冬の朝★★★
氷柱より落つる水滴池の端★★★
目裏に沼の氷柱を仕舞いけり★★★

多田有花
ここからはまた蘇り明日冬至★★★
雲晴れて初雪輝く北の峰★★★
疼痛に冬という字のありにけり★★★

桑本栄太郎
白き実の揺れるばかりの冬木かな★★★
大ぶりなポプラ落葉を踏み行けり★★★
宍道湖に水鳥来たる石鼎忌★★★

廣田洋一
湧水の音絶え間なく年迫る★★★★
地蔵堂慈悲の祈りを冬空に★★★
積もりたる銀杏落葉の光りおり★★★

弓削和人
岩ぶろに雪深深(しんしん)と隣客★★★
白樺の群落吹雪に抗しけり★★★
新雪の古雪に陸ぶ銀世界
「陸ぶ」はよく使いますか(髙橋正子)

12月19日(3名)

小口泰與
鳥も来て冬芽萌え出づ朝まだき★★★
園児らの髪の毛乱る虎落笛★★★
銀杏降る赤き鳥居の周りにも★★★

多田有花
風呂上がり皹の踵にクリームを★★★
パネルヒーターに膝入れて極楽に★★★
昼前の運動も兼ね日向ぼこ★★★

桑本栄太郎
寒風のあおぞら見上げ歩き行く★★★
冬菊の金網塀をこぼれ咲く★★★
満天星つつじの燃える如くや冬紅葉★★★


12月18日(4名)

小口泰與
赤城より誘いに来たる虎落笛★★★
鳥の来て冬芽つんつん朝まだき(原句)
朝まだき冬芽をつつく鳥の来て(正子添削)

蜜柑もぐ悪餓鬼どもの集う間に★★★

土橋みよ
用水路辿れぬ先の落ち葉かな(原句)
用水路先の辿れぬ落葉かな(正子添削)

冬ぬくし贈られし手に脳パズル(原句)
修飾語の「贈られし」は、「脳パズル」にかかるので、なるべき近く(すぐ前)に置くと意味がはっきりします。(髙橋正子)

冬ぬくし手に贈られし脳パズル(正子添削)

多田有花
霜の田のまだ陽を浴びず眠りおり★★★
大霜や車の列が橋渡る★★★
手袋をつけて打ちけるキーボード★★★

桑本栄太郎
踏みしだき路の片方に落葉かな(原句)
落葉から見れば、「踏みしだかれ」の受身形になります。「落葉が踏みしだく」わけではありませんから。(髙橋正子)
踏みしだかれ路の片方に落葉かな(正子添削)

冬日背に歩みつづける遊歩道★★★
柚子の黄の冬日占め居り庭の隅(原句)
「冬日占め居り」の意味がよくわからないのですが、添削すると以下のような意味ですか。(髙橋正子)
柚子の黄の日向占め居り庭の隅(正子添削)

12月17日(5名)

小口泰與
背中にも懐炉を貼れり旅の朝★★★
枝垂れ木にこぶの如きや寒雀★★★
羽ばたきし鴛鴦の雄見事なり★★★

多田有花
しみじみと師走も半ば訃報知る★★★
極月の月を見上げて夜の散歩★★★
白金懐炉布団に入れて眠りけり★★★

桑本栄太郎
裸木のなりて雄々しき銀杏かな(原句)
裸木なりて雄々しき銀杏かな(正子添削)

ひと風に吹き寄せらるる枯葉かな★★★
ゑのころの枯れて彷徨う風の向き★★★

廣田洋一
公園のラジオ体操息白し★★★
ビル谷間透き通りたり冬の月★★★★
逝きし人の面影浮かべ冬の月★★★

弓削和人
息白し眼鏡の玻璃の照るかな(原句)
息白し眼鏡の玻璃の照れるかな(正子添削)

冬駅の汽笛は線路を走りけり
「冬駅」は言葉として、普通に、馴染んでいないので、「冬の駅」とします。
冬の駅/汽笛は線路を走りけり(正子添削)

各停のまくら木昏き枯葎
「各停のまくら木」は飛躍しすぎです。状況をもう少し整理するといいと思います。(髙橋正子)

12月16日(4名)

小口泰與
背中にも懐炉を貼るや旅の朝★★★
枝垂れ木にこぶの如きや寒雀★★★
羽ばたきし鴛鴦の雄見事なり★★★

多田有花
朝快晴なれど寒気の雲の午後★★★
水仕事にお湯は使わず真冬にも★★★
短日の入日が窓を輝かす★★★★

桑本栄太郎
せせらぎの底に落葉や高瀬川★★★
南座にまねき上がりぬ酢茎買う★★★
渋滞の川端通りの冬木かな★★★

廣田洋一
何事か声かけながら木の葉散る★★★
吹かれきし木の葉も共に掃きにけり★★★★
回転寿司まず取りたるは鮪鮨★★★

12月15日(3名)

小口泰與
沼の面に夕日まだある冬の風★★★
夕暮れの髪膚に浴びし空っ風★★★

友と居て言葉飛び去る空っ風(原句)
空っ風友の言葉を奪い去る(正子添削)

廣田洋一
マンションの二階の窓や聖樹の灯★★★
てっぺんに金星光る大聖樹★★★
電飾のトナカイ走るクリスマス★★★

多田有花
捨てるべきものは捨て去り日短か★★★
口中に溶ける冷たきチョコレート★★★
スーパーに車びっしり年の暮★★★

12月14日(4名)

小口泰與
外套のまま召し上がれ中華そば(原句)
外套のままに立ち食う中華そば(正子添削例)
原句は、面白い視点で詠んでいると思います。「召し上がれ」が惜しいです。(髙橋正子)

冬翡翠の目もあやに岩の上★★★
赤城より強き打球や空っ風★★★

多田有花
賀状書くことの絶えたり幾年ぞ★★★
陽を浴びる落葉を踏みて歩く道★★★
聖樹立つひと年長くも短くも★★★

桑本栄太郎
木枯やみずいろ宙のどこまでも★★★
あおぞらに点すようなり木守柿★★★
寒波来る朝の夢見のつづきけり★★★

廣田洋一
マフラーを二重に巻きて外出す★★★
寿司折りの鮪一貫際立てり★★★
生垣の山茶花映える大手門★★★

12月13日(4名)

小口泰與
冬霧の湧き出で谷間桃源郷★★★
妻目ざとく冬翡翠を見つけたり★★★
群竹を縦横無尽に空っ風★★★★

多田有花
退任の人に花束忘年会★★★
冬晴れに窓開け放ち掃除する★★★
稜線の日ごとに透けて冬なかば★★★

廣田洋一
古釘を少し磨きて注連飾る★★★★
神棚の榊取替え注連飾る★★★
日めくりの暦売りたる古本屋 ★★★

桑本栄太郎
厨より水音聞こゆ花八つ手★★★
想い出の遠くなり居り冬かすみ★★★
敷き詰める銀杏落葉の芝生かな ★★★

12月12日(5名)

小口泰與
丘の沼雪にまみゆる事も無し★★★
あけぼのの枯葉ににじむ朝日かな★★★★
この朝の深山はかぶる雪帽子★★★

廣田洋一
バスを待つ人の行列息白し★★★
両隣クリスマスリース飾られし★★★
AIの鳴らす鐘の音クリスマス★★★

小口泰與
冬波の大化けに化く岩畳★★★
焚火せる老いの二人の夕間暮れ★★★
旋回の鳶の光れる沼の上★★★

多田有花
青空や間もなく裸木となれり★★★
十二月の枝に吊られしポットハンガー★★★
ジャングルジムの中より見上げ冬の空★★★★

桑本栄太郎
道の辺に踏みしだかるる落葉かな★★★
嶺の端の茫洋たりぬ冬かすみ★★★★
跳びながら飛び去りゆけり冬の鵯★★★

弓削和人
焼芋を持ちたる指の甘きかな★★★
山眠る湖底のウグイもこんこんと★★★★
水抜を怠るなかれ冬籠 ★★★

12月11日(4名)

小口泰與
夕日射す小枝に溢る寒雀★★★★
枯薄風に背筋をぴんとせり★★★
あけぼのの冬の小沼に鳥の声★★★

多田有花
教会の前庭にクリスマス飾り★★★
葉も少し赤さ加えて実南天★★★★
銀の馬車道赤さを増しぬ実南天★★★

廣田洋一
寒禽や時に河原に降り立ちぬ★★★★
友二人鮪づくしの昼餉かな★★★
香に惹かれ寄り道をする枇杷の花★★★

桑本栄太郎
溝川のこぼこぼ落つる冬田べり★★★★
黄明りの日蔭なればや石蕗の花★★★
冬うららゆるび流るる飛機の雲★★★


コメント
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