◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

●デイリー句会投句箱/3月1日~10日●

2015-03-10 08:20:02 | Weblog
※当季雑詠3句(春の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。

◆俳句日記/高橋正子◆は、下記のアドレスです。
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今日の秀句/3月1日-10日

2015-03-10 08:16:19 | Weblog
[3月10日]
★山風や花のむきむき黄水仙/小口泰與
やっと咲き出した黄水仙に山風は容赦なく花を乱して吹く。その荒々しい山風の吹くまま咲く黄水仙が健気にも可憐だ。(高橋正子)

★我が狭庭光りのごとくメジロ来る/古田敬二
メジロは小さい体で、すばやく庭にやって来て枝移りするその気配や様子は、さながら「光り」のようだ。明るい日差しにあふれた庭の光景。(高橋正子)

[3月9日」
★サンシュユの黄色鮮やか開花前/古田敬二
サンシュユの黄色い蕾は、開花前は特に澄んだ鮮烈な黄色を見せる。咲いてしまえばその黄色は幾分柔らかな色合いになるが、咲く力が集約された開花前の蕾は、色にそのことが見て取れるのだ。(高橋正子)

★風光る部屋のみどりの色新た/川名ますみ
部屋に置かれた観葉植物などのみどりに、日が深く差し込んで来ると、葉が光を返し、みどりの色が新鮮に見える。明るい光が差すと気持ちが弾む。(高橋正子)

[3月8日]
榛名湖の波高ぶるや柳の芽/小口泰與
柳が芽吹くころは、風が強い日がよくある。榛名湖の波が高ぶり芽柳の薄緑の枝が揺れ、春寒い季節がイメージとしてくっきり捉えられている。(高橋正子)

★嬰児を抱いてあやして雛祭り/祝恵子
雛祭に招かれ、初節句の嬰児を抱いて、あやして楽しい時を過ごしたのであろう。愛情あふれる雛祭りが
詠まれている。(高橋正子)

[3月7日]
★川土手の桜並木の芽が円い/迫田和代
川土手を行きながら、今日は桜の芽が円く育っているのに気づき、また嬉しくもなった。桜の咲く季節が、日ごと近づいている。(高橋正子)

★囀りの朝の団地に目覚めけり/桑本栄太郎
「団地」が効いている。同じような建物が並ぶ団地は生活の場。朝には囀りが聞こえ、野にいるようなのどかさ。春の朝の目覚めがすがすがしい。(高橋正子)

[3月6日]
★風光る菜花の揺れて昼下がり/河野啓一
菜の花の季節は、また「風光る」季節。やわらかな菜の花の黄色と緑の葉の色。昼下がりの長閑さに、うっとりとしそうだ。(高橋正子)

★(正子添削)紙雛の浮かれ踊れる屏風前/祝恵子
この紙雛は、すまして座っている雛ではなく、いろんな仕草がつけられて、浮かれ踊っているような楽しい雛なのだろう。金屏風の前で繰り広げられる宴が目に見えるようだ。(高橋正子)

[3月5日]
★啓蟄や支流支流の水集う/小口泰與
地中の虫も動き出す季節、暦の上だけでなく春を実感するような日もある。支流の水も雪解けや度々の雨に水嵩を増やし、本流へと集まって流れる。水の嵩や色、流れ方に春の到来が知れる。(高橋正子)

★たらの芽やはるか沖には白き波/桑本栄太郎
たらの芽を摘む山から海を眺めれば、沖に白い波が立っている。故郷、鳥取の早春の記憶の景色が、鮮明に詠まれている。(高橋正子)

[3月4日]
★雪柳互生の蕾を正確に/古田敬二
雪柳は小さな花を枝に密生させて開く。開いてしまえば白い花のかたまりとして捉えるのが一般的だが、蕾をよく観察して、蕾が「互生」していることを発見した。「自然の意」を思わせるリアルさが力強い。(高橋正子)

[3月3日]
★鶯の囀り近く干し物を/多田有花
よい日和。干し物をしていると鶯が近くで鳴いてくれた。洗ったばかりの衣類の湿り具合がよい感じで、鶯がごく身近な鳥となったのも、愉快なことだ。(高橋正子)

[3月2日]
★せせらぎの桜芽木張る高瀬川/桑本栄太郎
せせらぎに差し伸びた桜の芽木が、咲く時へと力を溜めている。「張る」という言葉がその力強さをよく表現している。「高瀬川」の固有名詞が句の情景を広げている。(高橋正子)

[3月1日]
★紀の川の靄に包まれ旅にいる/古田敬二
紀の川緩やかな流れに生まれる霞が、旅情をゆたかにしてくれる。霞に包まれた身があたりに溶け入ったような、紀の川の自然がゆったりと身に馴染む。(高橋正子)

★客を待つ咲き遅れたる水仙花/河野啓一
春の花が咲くまでをつないでくれる咲き遅れた水仙の花。花好きは、花で客を迎えたいものだが、そんな気持ちがよく出ている。(高橋正子)
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3月1日-10日

2015-03-10 08:13:32 | Weblog
3月10日(3名)

●小口泰與
山風や花のむきむき黄水仙★★★★
やっと咲き出した黄水仙に山風は容赦なく花を乱して吹く。その荒々しい山風の吹くまま咲く黄水仙が健気にも可憐だ。(高橋正子)

早蕨を三和土に干せし媼かな★★★
また二人早蕨とりに現れり★★★

●桑本栄太郎
  <京都祇園小路>
芽柳や四条の橋の川風に★★★
外つ人のあまた祇園や春しぐれ★★★
建仁寺の塀の高きや落椿★★★★

●古田敬二
我が狭庭光りのごとくメジロ来る★★★★
メジロは小さい体で、すばやく庭にやって来て枝移りするその気配や様子は、さながら「光り」のようだ。明るい日差しにあふれた庭の
光景。(高橋正子)

曇天へ芽吹きの細枝シルエット★★★
春筍を地中に秘めて竹真直ぐ★★★


3月9日(6名)

●小口泰與
湖明けて白鳥帰る鋭声かな★★★
整然と名草の芽の出でにけり★★★
からからと笑う童やしゃぼん球★★★★

●桑本栄太郎
さえずりや口笛吹いて応え居り★★★
さみどりをふふみ芽吹きや土佐みづき★★★
少年の野球チームや草青む★★★★

●多田有花
初蝶や我が山行の足元に★★★
春の海浮かぶ家島小豆島★★★
春の陽のあふれる頂に座る★★★★

●古田敬二
サンシュユの黄色鮮やか開花前★★★★
サンシュユの黄色い蕾は、開花前は特に澄んだ鮮烈な黄色を見せる。咲いてしまえばその黄色は幾分柔らかな色合いになるが、咲く力が集約された開花前の蕾は、色にそのことが見て取れるのだ。(高橋正子)

傘軽し春の深まる雨なれば★★★
梅満開校庭溢れる子らの声★★★

●川名ますみ
多摩川に春日ひとしく流れけり★★★
風光る部屋のみどりの色新た★★★★
部屋に置かれた観葉植物などのみどりに、日が深く差し込んで来ると、葉が光を返し、みどりの色が新鮮に見える。明るい光が差すと気持ちが弾む。(高橋正子)

春の街花の写真を手土産に★★★

●高橋秀之
コンテナ船入るを隠すは春の雨★★★
白梅が木々にいっぱい河川敷★★★★
啓蟄を過ぎて目覚めの夜明けかな★★★

3月8日(6名)

●小口泰與
うすずみの榛名十峰雪やなぎ★★★
榛名湖の波高ぶるや柳の芽★★★★
柳が芽吹くころは、風が強い日がよくある。榛名湖の波が高ぶり芽柳の薄緑の枝が揺れ、春寒い季節がイメージとしてくっきり捉えられている。(高橋正子)

また一輪今朝湧き出でし梅の花★★★

●祝恵子
嬰児を抱いてあやして雛祭り★★★★
雛祭に招かれ、初節句の嬰児を抱いて、あやして楽しい時を過ごしたのであろう。愛情あふれる雛祭りが詠まれている。(高橋正子)

ひなあられ赤子の前で封を切る★★★
浅蜊汁若い夫婦のおもてなし★★★

●多田有花
シリアルはシナモンの味春の雨★★★
鶯を足下に晴れし稜線を★★★★
春の山眼下を走る新幹線★★★

●桑本栄太郎
ぎらぎらと葉面光り風光る★★★★
暮れなずむ山すそ村や春燈★★★
春北風の真夜のおらびや窓の闇★★★

●高橋秀之
御殿雛思わず中を覗き見る★★★
真ん前を見つめる享保雛の顔★★★
旧邸が狭きと七段雛並ぶ★★★★

●小西 宏
暖かや重なる亀の砂埃★★★
空高く卵が割れて白木蓮★★★
春風に足でジャンケン姉弟★★★★

3月7日(4名)

●迫田和代
川土手の桜並木の芽が円い★★★★
川土手を行きながら、今日は桜の芽が円く育っているのに気づき、また嬉しくもなった。桜の咲く季節が、日ごと近づいている。(高橋正子)

太陽のご機嫌の良い日いぬふぐり★★★
蕗の薹庭石の陰からのっそりと★★★

●小口泰與
あけぼのの畦淡きかな初蛙★★★
芽柳や川瀬の波の響きける★★★
いっせいに里彩るや孕鳥★★★★

●佃 康水
何時になく立花(りっか)華やぐ雛の間★★★★
 倉敷川のほとり  
芽柳や花嫁乗せし舟浮かべ★★★  
蔵町を映す川辺や柳の芽★★★
    
●桑本栄太郎
囀りの朝の団地に目覚めけり★★★★
「団地」が効いている。同じような建物が並ぶ団地は生活の場。朝には囀りが聞こえ、野にいるようなのどかさ。春の朝の目覚めがすがすがしい。(高橋正子)

人にある遅速のように丘の梅★★★
春北風の真夜におらぶや窓の闇★★★

3月6日(7名)

●小口泰與
梅の香や野点の人の黄八丈★★★
麦踏や長き裾野を鳶の笛★★★
ひろごれる青空深し揚ひばり★★★★

●河野啓一
風光る菜花の揺れて昼下がり★★★★
菜の花の季節は、また「風光る」季節。やわらかな菜の花の黄色と緑の葉の色。昼下がりの長閑さに、うっとりとしそうだ。(高橋正子)

薔薇の芽の風に揺れおり曇り空★★★
小鳥呼ぶ紅い椿の蕾かな★★★

●多田有花
三月の風が玻璃戸を鳴らし過ぐ★★★
春寒の満月昇るテニスコート★★★
啓蟄の空幾本の飛行機雲★★★★

●小川和子
梅に蜜吸いおり鵯の枝の揺れ★★★★
せせらぎの煌めき流る春の水★★★
ふらここを漕ぎ上ぐ子らの宙に舞う★★★

●祝恵子
 和紙人形展
指先も和紙で細やか段の雛★★★

(正子添削)紙雛の浮かれ踊れる屏風前★★★★
この紙雛は、すまして座っている雛ではなく、いろんな仕草がつけられて、浮かれ踊っているような楽しい雛なのだろう。金屏風の前で繰り広げられる宴が目に見えるようだ。(高橋正子)

座す吾を紙雛たちに見おろされ★★★

●桑本栄太郎
 故郷の春追憶
緋色敷く屋敷まわりや落椿★★★★
鄙なればまだらに搗きぬよもぎ餅★★★
季(とき)なれど吾は覚えず母子草★★★

●小西 宏
啓蟄の朝日明るい窓ガラス★★★
春風にクシャミ窓超え谺する★★★
桜芽の紅が膨らみ空いっぱい★★★★

3月5日(3名)

●小口泰與
啓蟄や支流支流の水集う★★★★
地中の虫も動き出す季節、暦の上だけでなく春を実感するような日もある。支流の水も雪解けや度々の雨に水嵩を増やし、本流へと集まって流れる。水の嵩や色、流れ方に春の到来が知れる。(高橋正子)

舎利殿の龍の眼光風光る★★★
白梅や堂の柱の黒光★★★

●桑本栄太郎
<故郷の春追憶>
竹籠のそれぞれ持つや蓬摘む★★★
背なにある吾の記憶や二日灸★★★

たらの芽やはるか沖には白き波★★★★
たらの芽を摘む山から海を眺めれば、沖に白い波が立っている。故郷、鳥取の早春の記憶の景色が、鮮明に詠まれている。(高橋正子)

●上島祥子
左手に持てるだけの土筆かな★★★★
満開の梅に導く道普請★★★
大伯母の句集写して二月尽★★★

3月4日(4名)

●小口泰與
春暁の紫紺の山や鳶の笛★★★
百千鳥渓へ日の差す木の間かな★★★★
山襞の残雪光り鳥の声★★★

●河野啓一
梅の枝満開なれば空青し★★★★
焼き穴子載せて節句の散らし寿司★★★
猫の恋いつもの場所に姿なし★★★

●桑本栄太郎
春雨の湾処に杭の並びけり★★★★
医科大の樟の大樹や春落葉★★★
ハイウェイの灯火つづくや春の夕★★★

●古田敬二
独り居の子に作り置く菜花和え★★★
雪柳互生の蕾を正確に★★★★
雪柳は小さな花を枝に密生させて開く。開いてしまえば白い花のかたまりとして捉えるのが一般的だが、蕾をよく観察して、蕾が「互生」していることを発見した。「自然の意」を思わせるリアルさが力強い。(高橋正子)

堰落ちる水白々春寒し★★★

3月3日(6名)

●小口泰與
五色豆かりっと噛むや風光る★★★★
根無し雲浮かべる湖や柳の芽★★★
風光る旅の準備のあれやこれ★★★

●多田有花
満開に梅咲いて今日よき日和★★★
花それぞれつけて梅枝のすっと伸び★★★

鶯の囀り近く干し物を★★★★
よい日和。干し物をしていると鶯が近くで鳴いてくれた。洗ったばかりの衣類の湿り具合がよい感じで、鶯がごく身近な鳥となったのも、愉快なことだ。(高橋正子)

●桑本栄太郎
桃の日や妻は母訪い故郷へ★★★★
降る雨の風に流さる三月に★★★
雨つぶのきらりと紅やしだれ梅★★★

●河野啓一
朝靄と黄砂の中の生駒山★★★★
雛まつり夕餉の膳に散らし寿司★★★
桜鯛渦潮越えてやって来る★★★

●福田ひろし
老梅や裂けて曲がりて花咲かす★★★
筑後なる鄙びた町の雛飾り★★★
振り返りまた振り返る梅の里★★★★

●高橋信之
ひな祭り朝暗がりの窓外よ★★★
ひな祭りわが娘に幼な日のありぬ★★★
もの書くに窓外春の暗がりに★★★★

3月2日(3名)

●小口泰與
忽然と湖広がるや鳥雲に★★★★
湖暮れて騒めきおさむ木の芽山★★★
天土の潤いたしか名木の芽★★★

●多田有花
広々とコンテナヤードに春朝日★★★
石段を駆ける少年梅開く★★★★
青龍殿春の京都を一望す★★★

●桑本栄太郎
外に出れば音なき雨や春野道★★★

せせらぎの桜芽木張る高瀬川★★★★
せせらぎに差し伸びた桜の芽木が、咲く時へと力を溜めている。「張る」という言葉がその力強さをよく表現している。「高瀬川」の固有名詞が句の情景を広げている。(高橋正子)

句帳手に眼を凝らし居る春野かな★★★

3月1日(6名)
●小口泰與
まるまると膨れし川や未紅梅★★★
観梅や酒一杯の着所寝★★★
菜の花や空広広と鳶の笛★★★★

●古田敬二
紀の川の靄に包まれ旅にいる★★★★
紀の川緩やかな流れに生まれる霞が、旅情をゆたかにしてくれる。霞に包まれた身があたりに溶け入ったような、紀の川の自然がゆったりと身に馴染む。(高橋正子)

(信之添削)旅にいて紀伊には早き豆の花★★★
石垣残る峠の村は春遅し★★★

●多田有花
ころころと屋根を転がる春霰★★★
淀川の波にまかせて残る鴨★★★
下萌や少年野球の声響く★★★★

●桑本栄太郎
紅梅の雨の滴や昼下がり★★★★
細枝の赤くときめく春の雨★★★
せせらぎの沈丁宿す高瀬川★★★

●河野啓一
春風に頬なぶらせて車椅子★★★
客を待つ咲き遅れたる水仙花★★★★
春の花が咲くまでをつないでくれる咲き遅れた水仙の花。花好きは、花で客を迎えたいものだが、そんな気持ちがよく出ている。(高橋正子)

雪解けを待ちて出掛ける北の国★★★

●内山富佐子
靴下の親指の穴二月尽★★★
病床の友に絵手紙雛人形★★★★
老い払へ雛いくつも飾る母★★★
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