◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

10月11日〜20日

2015-10-20 10:57:49 | Weblog

10月20日(3名)

●小口泰與
菊膾子等集うこと稀になり★★★
夕暮れの落穂を拾う鴉かな★★★
新走り湖風含み届きけり★★★★

●桑本栄太郎
せせらぎの桜紅葉や又はらり★★★
柿灯る寺の狭庭となりにけり★★★
新藁のロール転がる田面かな★★★★

●川名ますみ
桜紅葉樹下に絵を描く人座せり
(添削)桜紅葉樹下に絵を描く人座り★★★

助手席に葉も実も青き蜜柑載せ★★★★
助手席に枝ごと捥いだ青蜜柑が載せてあって、今しがた採られたばかりの匂いがする。すっきりとした新鮮な気持ちだ。句の鮮度がいい。(高橋正子)

十月の蜜柑を三つ手のひらに★★★

10月19日(2名)

●谷口博望(満天星)
秋の夜やワイン片手にネット囲碁★★★
一つずつ思い出よぎる木の実かな★★★★
秋天や権現山の毘沙門堂★★★

●小口泰與
日照雨長き脚立の松手入★★★
雨上がり毒茸径を輝かせ★★★

川沿いの稲穂明かりや上越線★★★★
上越線が通る川沿いを詳しくは知らないが、利根川や信濃川に沿うのだろう。川があれば水があり、田がある。熟れ稲の明かりを車窓に見ながらの心落ち着く旅であったであろう。(高橋正子)

10月18日(4名)

●佃 康水
雲去りて日差しあまねし稲田かな★★★
夕映えの秋の田をゆく郵便車★★★★
牧歌的な夕映えの風景。日本の風景でありながらヨーロッパのような印象がある。郵便車には、いい便りが乗っていることだろう。(高橋正子)
 
姫は早や手先は狐秋神楽★★★

●小口泰與
木犀の香や境内の夜の黙★★★
水澄むや赤城榛名の彫深し★★★★
芬芬の金木犀や日は山へ★★★

●谷口博望(満天星)
運動会団地に響く拡声器★★★★
運動会山の守護神毘沙門天★★★
斬新な応援合戦運動会★★★

●桑本栄太郎
秋冷や朝の芦屋の静寂に★★★
さざ波の朝日煌めく秋の潮★★★
秋潮を眼下に臨みモノレール★★★★

10月17日(4名)

●小口泰與
花芒同じ方へと皆傾ぐ★★★
すすき野や雲を映せし水溜り★★★
方円に従う水や草の花★★★★

●迫田和代
銀鮭や黄色い黄色い旅続く★★★
細い枝先で揺れてる新松子★★★

道ばたに野菊の花よ空をむき★★★★
野菊の花は、ぱっと開いて咲いている。空にあこがれているように、空に向いて咲いている花がいっそう可憐に思える。「空をむき」は、作者の気持ちでもある。(高橋正子)

●桑本栄太郎
残り香のほのと積み居り金木犀★★★
引き込みの線路交叉や秋入日★★★
黄金となりて入日やいわし雲★★★★

●河野啓一
送迎車秋の団地を経巡りて★★★
道端の空き地あかるき秋桜★★★★
歓声と嬌声デイの「運動会」★★★

10月16日(3名)

●谷口博望(満天星)
榧(カヤ)の実の緑のナッツ拾ひけり★★★★
榠樝(カリン)の実匂い嗅ぎつつ金亀子★★★
皮剥いて三日つづきの栗ごはん★★★

●小口泰與
はらからと蜩を聴く山の宿★★★★
木杯の会津の塗りのさやけしや★★★
いざ行かん赤城の月に雲の脚★★★

●河野啓一
秋高し今日はらからの集いける★★★★
年齢を重ねて、はらからが集いあえるのは、いっそうの幸せ。健康で、睦まじいはらからの集いを「秋高し」がよく象徴している。(高橋正子)

元気よくはらから集う柿日和★★★
柿ちぎる高切りの刃のままならず★★★

10月15日(2名)

●小口泰與
夕寒や肌寄せ合いし子猫達★★★★
冷まじや�訶の牙の凄まじき★★★
秋霖や骨の節節変調よ★★★

●谷口博望(満天星)
霧の海祖父と眺めし月日かな★★★
鉈の実や項羽かかげる支那の剣★★★

木犀の匂う通りや風の道★★★★
木犀の花の匂いは、風を伝わってくるといってよいほど。歩いてゆく道に風が通り、風には木犀の匂いがある。快い句。(高橋正子)

10月14日(2名)

●小口泰與
天と地の冷気あふるや鬼やんま★★★★
天と地に冷気があふれるころになった。その冷気を、鬼やんまがさっそうと飛ぶ。天と地のスケールを飛ぶ鬼やんまに冷気が逞しさを加えた。(高橋正子)

間引菜のおちこちの籠満杯に★★★
うそ寒や座布団に寄る小犬達★★★

●谷口博望(満天星)
木の下に精霊宿る悟桐の実★★★
高々と黄心樹の実や鰯雲★★★★
寂しきや色なきあとの破蓮★★★

10月13日(2名)

●小口泰與
爽やかな僧の念仏響きけり★★★★
念仏に稚児のあくびや赤とんぼ★★★
水切りの石の水没秋の暮★★★

●小川和子
川風に吹かるる空よ小鳥来る★★★
さみどりの畝軟らかに貝割菜★★★

コスモスの野に充つ光身に受けり★★★★
コスモスが咲き乱れる野は、やわらかな光が充ちている。その野に立つと、全身に、天国からのような、安らかな明るい光が降り注いでくる。(高橋正子)

10月12日(1名)

●小口泰與
コスモスや一朶の雲の千切れける★★★
日の出づや畦一列の曼殊沙華★★★★
夜を経た曼殊沙華の一列が日の出に浮かび上がって、あらたな朝を向けた花として輝く凛とした姿がいい。(高橋正子)
名月や四つ連なる串団子★★★

10月11日(1名)

●小口泰與
安曇野の装う山を歩みおり★★★★
思い出も全て失せしや秋出水★★★
山容の赤城ややわき朝顔よ★★★
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●自由な投句箱/10月1日~10日●

2015-10-10 11:02:31 | Weblog

■□デイリー句会は、お休みですが、今まで通りの投句は、許されます。選者の選句・コメントは、不規則となります。

※当季雑詠3句(秋の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之

◆俳句添削教室◆
http://www.21style.jp/bbs/kakan02
◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今日の秀句/10月1日~10日

2015-10-10 09:29:23 | Weblog

[10月10日]
作業中!

[10月9日]
作業中!

[10月8日]
作業中!

[10月7日]
作業中!

[10月6日]
※該当作品無し

[10月5日]

★どんぐりを踏み行く道や美術館/小口泰與
どんぐりを踏みながら辿る美術館への道が、はやも心楽しいものになっている。(高橋正子)

★遠き山のその先までも秋澄めり/福田ひろし
秋になると不思議なほど大気が澄んでくる。大陸から乾燥した冷たく新鮮な空気が流れ込むためという。遠い山のその先までも冴え渡った大気に、心までも澄んでくる。(高橋正子)

[10月4日]

★秋の渓落鮎の棲む水ゆたか/河野啓一
落鮎は、夏上流の清冽な水で過ごした鮎が産卵のために川を下ってくるのをさす。秋の渓川は下流となるに従って水量も増える。落鮎にゆたかな水がやさしい。(高橋正子)

★壺に差す秋明菊の華やかさ/満天星
秋明菊は、静かな花ながら華やかさも持ち合わす。壺に差された秋明菊が辺りを華やかに和ませる。(高橋正子)

[10月3日]

★新生姜葉先するりと丸まりぬ/川名ますみ
新生姜は、初秋から出始め、食用部分だけでなく葉をつけて売られることも多い。葉先がするりと丸まっている姿形は、目にも爽やかで、清々しい。(高橋正子)

[10月2日]

★数珠玉や幼な子の手にほかほかと/福田ひろし
生っている数珠玉を採ったのだろう。大事にしっかりと手に握られた数珠玉は、あたたかく「ほかほか」になっている。草の実や木の実は子供の大事な宝物だ。(高橋正子)

[10月1日]

★雨上がり忽とあふるる赤とんぼ/小口泰與
雨上がりのさわやかさに、辺りに急に赤とんぼがあふれるように飛び交い始めた。雨の間潜まっていた赤とんぼが秋気を満喫している。(高橋正子)
コメント (7)
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10月1日〜10日

2015-10-10 09:28:10 | Weblog

10月10日(3名)

●満天星
木瓜の実やそぞろ歩きの異邦人★★★
白鷺を凝視してゐる異邦人★★★
石蕗の花色なき園に咲き初めぬ★★★★

●桑本栄太郎
バスを待つ間にももみずる並木かな★★★★
爽籟や高き梢の散歩道★★★
まどろみて窓の茜や秋の暮れ★★★

●小口泰與
料理屋の二階にいるや秋祭★★★
山風にうなずく稲や入日中★★★
草ひばり掴みし草の吹かれおり★★★★

10月9日(2名)

●小口泰與
幼子の頭にねじり棒秋祭★★★
秋蝶の忽と南へ立つ日かな★★★★
秋蝶のはや一閃の旅路かな★★★

●河野啓一
金木犀香り降り立つ垣根かな★★★
スズメ蜂もくせいの庭を行き来して★★★
秋冷の丹波高原空澄みて★★★★

10月8日(2名)

●小口泰與
旅鳥の見ゆる二階や山頭火★★★
鹿肉をもみじと言いて秋高し★★★
山にまだ日の残りけり渡り鳥★★★★

●桑本栄太郎
石垣のはざまに草の紅葉かな★★★
想い出を辿る日差しや秋の蝶★★★★
池の面に映える錦や櫨紅葉★★★

10月7日(2名)

●小口泰與
水引きて冠水の稲吼ゆるかな★★★
耳打ちを素早くさるや猫じゃらし★★★
信州の香の満つ林檎手の内に★★★★

●桑本栄太郎
泣きじゃくる園児を宥む秋の朝★★★
青空にこれ見よがしや花梨の実★★★
隅刈りのもんぺの腰や秋の色★★★

10月6日(2名)

●小口泰與
秋彼岸僧の白足袋よごれたり★★★
外に出づや川風浴びる秋の朝★★★★
冷やかや遠山へ日の走り行く★★★

●桑本栄太郎
大鯉の堰に寄り来る秋日かな★★★★
仕舞い居る鴨川店や秋すだれ★★★
秋光や古墳の杜に赤鳥居★★★

10月5日(2名)

●小口泰與
楢林どんぐり落つる音すなり★★★
どんぐりを踏み行く道や美術館★★★★
どんぐりを踏みながら辿る美術館への道が、はやも心楽しいものになっている。(高橋正子)

面白し朝晩変わる芙蓉かな★★★

●福田ひろし
遠き山のその先までもやはり秋
(添削)遠き山のその先までも秋澄めり★★★★
秋になると不思議なほど大気が澄んでくる。大陸から乾燥した冷たく新鮮な空気が流れ込むためという。遠い山のその先までも冴え渡った大気に、心までも澄んでくる。(高橋正子)

秋高し地球の青と同じ青★★★
風吹けば耳元寂し芒原★★★

10月4日(4名)

●河野啓一
ベゴニアの花を満たせりビアジョッキ★★★
朝の日に庭の落葉を掻きよせる★★★

秋の渓落鮎の棲む水ゆたか★★★★
落鮎は、夏上流の清冽な水で過ごした鮎が産卵のために川を下ってくるのをさす。秋の渓川は下流となるに従って水量も増える。落鮎

にゆたかな水がやさしい。(高橋正子)

●小口泰與
天も地も瑞穂の国や秋気澄む★★★★
松籟の森の中なる暁の虫★★★
流星の虚空に滅ぶ声聞こゆ★★★

●満天星
したたかに命をつなぐ煙茸★★★
花は黄に鬼灯はまだ緑なり★★★

壺に差す秋明菊の華やかさ★★★★(正子添削)
秋明菊は、静かな花ながら華やかさも持ち合わす。壺に差された秋明菊が辺りを華やかに和ませる。(高橋正子)

●桑本栄太郎
終活の心算未だし秋芽吹く★★★
コスモスの揺れ止まざるやファインダー★★★★
地上など出ずとも良けれ蚯蚓鳴く★★★

10月3日(6名)

●小口泰與
温め酒湯呑へ注ぐ音すなり★★★
酢橘の香めでて会話の弾みける★★★★
白粉花(おしろい)の香に夕映の畷かな★★★

●迫田和代
思い出す登る山道薄紅葉★★★
好きな道桜紅葉の散歩道★★★★
秋風の吹ける広島ビルの影★★★

●河野啓一
秋深む日向ぼっこやデイの朝★★★
稲の秋案山子の顔も元気よく★★★★
萩の風白く舞いおり古寺の庭★★★

●桑本栄太郎
藁にほの爆ぜて乾びる田中かな★★★
銀杏(ぎんなん)の地響き立つや風に落つ★★★★
鳥翔てばわらわら降りぬ榎の実★★★

●高橋秀之
残業を終え御堂筋の初紅葉★★★
航跡に合わせて揺れる月の影★★★★
週末の事務所に差し込む月明り★★★

●川名ますみ
不死鳥を象る自由秋の雲★★★
秋雲に見惚れ一日を過ごし居り★★★

新生姜葉先するりと丸まりぬ★★★★
新生姜は、初秋から出始め、食用部分だけでなく葉をつけて売られることも多い。葉先がするりと丸まっている姿形は、目にも爽やかで、清々しい。(高橋正子)

10月2日(4名)

●河野啓一
露の玉湛えて薔薇の新芽かな★★★
朝露の結ぶ狭庭の金木犀★★★
もくせいの香りほのかに朝の空★★★★

●小口泰與
ひさびさの三山定か水澄めり★★★
利根川の色なき風を身の内に★★★★
爽籟や犬の蹠の香の残る★★★

●桑本栄太郎
道の辺にベビー帽子やくぬぎの実★★★
乾びきて開ききつたる椿の実★★★
コスモスの風の行方を定めけり★★★★

●福田ひろし
数珠玉や幼な子の手にほかほかと★★★★
生っている数珠玉を採ったのだろう。大事にしっかりと手に握られた数珠玉は、あたたかく「ほかほか」になっている。草の実や木の実は子供の大事な宝物だ。(高橋正子)

今日の月松陰の書の重さかな★★★
名月やいずこの窓もにぎわいて★★★


10月1日(3名)

●小口泰與
鶏鳴の猛嘗君や天高し★★★
秋霖や川沿い走る足尾線★★★

雨上がり忽とあふるる赤とんぼ★★★★
雨上がりのさわやかさに、辺りに急に赤とんぼがあふれるように飛び交い始めた。雨の間潜まっていた赤とんぼが秋気を満喫している。(高橋正子)

●河野啓一
九月尽柿の実少し色付けど★★★
初紅葉垣根の色の床しさよ★★★
木犀の花零れ初め香り待つ★★★★

●桑本栄太郎
買物をあまた小脇に九月尽★★★
一夜果て想い極めり酔芙蓉★★★
西山の峡の深さや秋気澄む★★★★
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